不当解雇
日本の法律では簡単に従業員を解雇することは出来ないと定められています。 従業員を解雇するには、しっかりとした決まりがあり、その条件を満たしていない限り解雇としては認められないのです。不当解雇はこうした法律や就業規則などの決まりに従わず会社が一方的に労働契約を解約する行為を言います。
2017.09.28

仕事のミスで不当解雇~会社から損害賠償請求されたら

仕事上のミスなどを理由として退職を迫られたり、退職後に会社から損害賠償請求されるケースがあります。しかし、いくら仕事上のミスで会社に損害が発生したとしても、それが些細な不注意による場合には、労働者は会社に賠償金を支払う必要はありません。

ここでは、仕事上のミスなどを理由として退職を迫られたり、賠償金を支払わなければ退職させないと言われたり、退職後に会社から損害賠償請求された場合の対処方法についてご紹介します。

1.会社からの損害賠償請求されたら

仕事の些細なミスで会社に損害を与えたとして、退職勧奨されるケースや、退職後に損害賠償を請求されるケースが増えています。なかには、賠償金を支払わなければ退職させないなどと言われたり、退職金や給与から損害額を差し引かれたというケースもあります。

しかし、労働基準法第16条では「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と規定していて、会社と労働者が労働契約を結ぶ際に違約金を定めたり、損害賠償額を規定する契約はしてはならないとしています。

(1) 会社からの請求に応じる必要はない

十分に注意をしていたのに、些細なミスで会社に損害を与えてしまった場合には、会社から損害賠償請求されても応じる必要はありません。

誰でもしてしまう可能性があるミスから発生した損害については、会社が負担するべきだからです。

また、労働者が損害賠償をしなければならないようなミスをした場合でも、弁償しなければならない範囲は損害の全部ではなく一部に過ぎない場合がほとんどです。

(2) 会社からの損害賠償が認められる場合

会社からの損害賠償が認められるためには【1】損害があるか、【2】故意または重過失があったか【3】本来的に使用者が負担すべきリスクかどうか【4】受領してきた賃金額に比べてあまりに高額であるか否かの4つの観点から判断されます。

これらの要件を満たして会社からの損害賠償が認められる場合でも、労働者にどの程度の賠償義務が認められるかは、ケース・バイ・ケースで異なりますが、損害全額を支払わなければならないケースはほとんどありません。

【1】 損害があるのか

会社が賠償請求をするためには、会社に損害を与えたという事実がなければなりません。ただし前述したように、会社に損害を与えたとしても、労働者の弁償しなければならない範囲は損害の全部に及ぶことはありません。

【2】 故意または重過失があったか

会社からの損害賠償請求が認められるためには、従業員に故意又は重大な過失があったことが必要です。ですから、飲食店で食器を割ってしまったとか、商品の発注を間違ってしまったなどの仕事上の些細なミス程度では、会社が労働者に賠償請求することは認められません。

【3】 本来的に使用者が負担すべきリスクかどうか

会社は、労働者を働かせて利益を得ているのですから、労働者が誰でもするようなミスで損害が発生したとしても、その損害は会社が負担するべきです。

【4】 受領してきた賃金額に比べてあまりに高額であるか否か

たとえ、重大な過失により会社に損害を与えたとしても、会社が賠償請求できるのは「過失から通常発生するといえる損害」に限定され、受領してきた賃金額に比べて妥当な金額に限定するべきとされています。

過去には、運転手がタンクローリーで追突事故を起こし、会社が被害者に対して支払った賠償金を会社がタンクローリーの運転手に請求した事案では、会社が運転手に対する請求を4分の1に制限するとした判例があります。

2.ミスを理由に退職を迫るケースが増えている

会社が労働者の数を減らしたい時に、労働者の些細なミスにつけ込んで損害賠償請求をしたうえで、退職を迫ってくるケースがあります。

また、月々の給料から天引きするなどして損害賠償するまで退職させないと言われるケースもあります。

(1) 執拗な退職勧奨は「退職強要」であり違法

ミスを理由に退職勧奨されたとしても、それに従う必要はありません。

そもそも労働者の些細なミスによる損害を賠償する義務はありませんし、もし前述の要件を満たして労働者に損害賠償義務がある場合でも、損害賠償と退職はまったく別の問題です。

もしそれでも執拗に退職を迫ってくるようであれば、それは「退職強要」となり違法です。

(2)しない限り退職させないと言われた時は

賠償しない限り退職させないと言われたり、月々の給料から天引きする形で損害賠償を迫ってくるケースもあります。

しかし、損害賠償額を会社が月々の給料から天引きすることは、労働基準法で禁止されています。労働者が天引きされることに同意してしまうと、天引きが有効となってしまう場合もありますが、このような天引きに同意する必要はありませんので、早めに弁護士に相談して、給料を全額支払うよう求めましょう。

仕事上の些細なミスを理由に、労働者に損害賠償を迫ったり、退職を迫るような会社は、ブラック企業である可能性が高いといえます。

「自分のミスなのだから」と自身を責める必要は全くありません。早めに弁護士に相談して、内容証明で損害賠償を拒否するなど毅然と対処することをおすすめします。

この記事を共有する
Share on Facebook
Facebook
4Share on Google+
Google+
0Tweet about this on Twitter
Twitter
Share on LinkedIn
Linkedin
弁護士の無料相談実施中!

当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

050-5212-3326

(対応時間 平日9時~19時)

【残業代】についてのメール相談
【その他】の労働問題のメール相談

日本法規情報 エースパートナー法律事務所