失業保険の「給付制限」って何?

失業保険
失業保険

失業保険は、失業してハローワークに申請すればすぐに受けられるものではなく、「失業保険を受給できない場合」があり、これを「給付制限」といいます。

給付制限には自己都合により退職した場合や、自分に責任のある重大な理由により解雇された場合などの「退職理由による場合」のほか、「職業紹介を拒んだ場合」「失業保険を不正受給した場合」の3通りあります。

失業保険は、原則として離職日の翌日から1年間が受給期間となっていますが、この給付制限によって、すべての給付日数分の失業保険をもらえなくなってしまうことがありますので、ハローワークでは早めに手続きを行うようにしましょう。

ここでは、「退職理由による場合」「職業紹介を拒んだ場合」「失業保険を不正受給した場合」の3つの給付制限についてご紹介します。

1.失業保険の「給付制限」とは

失業保険を受給するためにハローワークで手続きを行っても、受給資格が認められてから7日の間は「待期期間」となっていて、この期間を経過しなげれば、失業保険を受給することはできないことになっています。

 

この7日間の失業であれが、支給を行わなくても大きな問題がないだろうということで、このような待期期間が設けられています。

(1) 退職理由による給付制限

前述したとおり、失業保険を受ける際には、7日の「待期期間」がありますが、自己都合退職で退職した場合には、待期期間のあとに3か月の給付制限があります。

 

①自己都合退職

退職理由が自己都合退職や自己の重大な責任による解雇の場合には、待期期間の後さらに3か月間は失業保険を受けることができません。

 

自己都合退職や重大な責任による解雇は、自らの責任で退職することになるので、3か月間の給付制限を設けています。

ですから、自己都合退職の場合は、7日間の失業している日(待期期間)+3か月の給付制限が経過した後から失業保険の支給が開始されます

なお、自己都合退職や重大な責任による解雇には、「給付日数」についても会社都合退職による場合より短くなっています(年齢、被保険者期間などによってさらに違いがあります)。

② 会社都合退職

会社から解雇されたり、会社が倒産した場合の退職の場合は、自分の意思に反して突然失業してしまうので、生活に困る事態に陥ることも考えられます。そこで前述した自己都合退職の場合のような3か月の給付制限はありません。

 

会社から解雇されたり、会社が倒産したためやむなく失業状態になった場合には、離職票を提出し求職申込みをしてから、7日間の失業している日(待期期間)が経過した後から失業保険の支給が開始されます。

(2) 職業紹介を拒んだ場合の給付制限

ハローワークから紹介された職業や、指示された職業訓練を受けることを正当な理由なく拒否した場合には、拒否した日から1か月間の給付制限を受けることになります。

これは、受給資格者が失業保険を受給のみに依存して、怠惰に陥ることを防止するためにとられる制限です。

(3) 失業保険を不正受給した場合の給付制限

嘘をついたりその他の不正行為によって失業保険を受給しようとしたり、不正受給が発覚した場合には、以後すべての給付が行われなくなります。

さらには、それまで受給した額を返還しなければならなくなります。

2.失業保険の不正受給について

失業保険の受給期間中に、アルバイトなどで収入を得たにもかかわらず「失業認定申告書」に記載をしなかったり、すでに就職しているのに失業保険を全額もらおうとして、失業していたこととして申告するなどした場合には、不正受給となります。

 

このような不正受給をするケースが後を絶たず、多くはアルバイト先から通報されたり、本人が申告した「失業認定申告書」の就職年月日と会社から提出される雇用保険の入社日(資格取得日となるため)が違うことから発覚します。

また、求職活動で訪問した企業や面接企業へハローワーク側が連絡して確認することで、発覚することもあります。

(1) 不正受給の罰則

不正受給が発覚した場合には、その不正行為があった日以降について失業保険を受けることはできなくなります。また、不正に受給した基本手当の金額の返還が命じられます。

さらに返還とは別に、不正行為によって受けた額の2倍(元の金額を含め3倍)に相当する額以下の金額の納付が命じられることになります。

(2) 臨時収入を得た際の「就業手当」

失業保険の受給中にアルバイトなどで収入を得た場合には、以下の要件を満たせば「就業手当」を受けることができます。

「就業手当」の支給額は「基本手当日額×0.3×就業日数)です。

就業手当を受けた日の分は、失業保険を受けたものと同様に扱われ、失業保険の給付残日数から減らされます。

 

 

* 就業日の前日における失業保険の支給残日数が、所定給付日数の「3分の1以上」で「45日以上」あること

 

* あくまで臨時的な就業であること

 

* 自己都合退職で給付制限があった場合は、待期期間満了後1か月間は、ハローワークや民間職業紹介会社の紹介によって就業したこと

 

* 7日間の待期期間が満了したあとの就業であること

 

* 離職前の事業主又は資本などの状況から、密接な関係がある事業主(子会社など)への就業でないこと

 

* ハローワークに求職の申し込みをする前に就業が内定したものではないこと

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