失業保険
失業保険は雇用保険の基本手当の通称です。雇用保険料を支払っていた人が受けることのできる権利です。新たな仕事が見つかるまでの間に支払われる給付金のため、再就職を検討している人であれば失業保険の給付を受ける事が可能です。失業給付を受け取るためにはいくつかのルールがあり、それを満たしていることが前提となります。
2017.12.16

    60歳と65歳で違う「定年退職」する時の注意点

    定年を65歳まで引き上げている会社も増えてきましたが、実際は、定年を60歳とし、定年後は会社が「本人が希望すれば65歳まで働くことができる」という継続雇用制度を設けているケースが多々あります。しかし60歳で退職するのか、65歳まで働き続けるかによって受給できる手当が異なることがありますので、注意が必要です。

    ここでは、60歳で定年退職となった場合や、65歳定年で退職となった場合の手続きの流れについてご紹介します。

    1. 定年退職する時に必要な手続き

    高年齢雇用安定法という法律によって、企業の雇用義務年齢は65歳まで引き上げられましたが、実際には定年は60歳と定め、60歳の定年後については会社が継続雇用制度を設けて、本人が希望した場合には65歳まで働き続けることができる、となっているケースがほとんどです。

    そのため、定年を迎えて退職するのか、継続雇用制度を利用することを希望するのかについては、自身でその後の人生設計を検討し、事前に会社と協議をしておくことがまず必要です。

    このときには、定年退職時の退職金についても確認しておきましょう。

    (1) 健康保険の切替え

    健康保険の切替え手続きは、自己都合退職の場合と同様ですが、年齢によって選択肢が絞られてきますので十分検討したうえで、そのなかから有利な医療保険制度を選ぶ必要があります。

    医療費の自己負担は、原則としていずれも3割なので「保険料」と「給付内容」について比較して選択するようにしましょう。

     

    ■60歳未満

    * 家族の被扶養者

    * 任意継続制度

    * 国民健康保険

     

     

    ■60歳以上75歳未満

    【老齢厚生年金の受給資格がある場合】

    * 家族の被扶養者

    * 任意継続制度

    * 退職者医療制度(65歳まで)

    * 特例退職者医療制度

     

    【老齢厚生年金の受給資格がない場合】

    * 家族の被扶養者

    * 任意継続制度

    * 国民健康保険

     

    ■75歳以上

    * 後期高齢者医療制度

    (2) 年金

    国民年金の加入年齢は60歳までなので、原則として再就職して厚生年金に加入しない限りは、年金保険料の支払いは終了することになります(平成29年11月現在)。

    年金については、特別支給の老齢厚生年金(厚生年金の被保険者期間があり、老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たした方が65歳になった時、老齢基礎年金に上乗せして支給される年金)の請求ができるので、年金額と内容について十分説明を受けて請求するようにしましょう。

    (3) 失業保険の申請

    ハローワークでは、失業保険の申請をすることができます。

    しかし、老齢年金と失業保険を両方同時にもらうことはできません。

    失業保険を受給した場合には、年金は全額停止となります。

    2.60歳と65歳で違う「失業保険」

    失業保険は、通常は4週間に1回ごとの失業の認定を受けたうえで支給されることになっています。しかし、65歳以上の退職者については、基本手当に代えて、高年齢求職者給付金(60歳以上65歳未満の方を対象にした給付金で、60歳時点の給料と比べて75%未満になってしまった方に支給される給付金)と呼ばれる一時金が支払われることになります。

    (1) 65歳以上は「高年齢求職者」

    前述したとおり、65歳以上の退職者については、基本手当に代えて、高年齢求職者給付金を受けることになりますが、退職時が64歳の場合には、一般の失業保険(基本手当)を受けることになります。

    「年齢計算に関する法律」により、65歳は「誕生日の前日」に達するものとされているので、たとえば7月1日が誕生日の人は、6月30日に65歳に達することになるので、6月30日以降に退職すれば、失業保険(基本手当)ではなく高年齢求職者給付金を受け取ることになります。

     

    これに対し、6月30日以前に退職した場合には、退職時の年齢が64歳となるため、失業保険(基本手当)を受けることになります。

    「年齢計算に関する法律」により、たった1日で金額にも手続きにも大きな差が生じることになるので、退職日をいつにするかについては十分注意が必要です。

    (2) 65歳の前か後かで損することも

    高年齢求職者給付金の給付日数と、基本手当の給付日数を単純に比較すると、基本手当を受給するほうが明らかに金額が多くなります。

    しかしだからといって、失業保険の給付額ばかり気にするのも危険です。65歳の定年前に退職すると、会社によっては就業規則で「自己都合退職とする」と規定されていることがあり、その場合には失業保険の差額以上に退職金の金額に大きな差が出ることもあるからです。

    退職する時期については、このようなことも十分確認するようにしましょう。

     

    それに、もし自己都合退職になると3か月の給付制限を受けることになります。

    ※自己都合退職の場合には、3か月の給付制限が設けられているため、失業保険の支給開始日は97日~99日ほど先延ばしになりますが、会社都合退職の場合には、自分の意思に反し突然に失業状態になったことになるので、給付制限はありません。

     

    これに対して高年齢求職者給付金は、1度の失業認定を受けるだけで、給付日数分をまとめてもらうことができます。なお、退職後1年を超過してしまった日数分は、もらえなくなってしまうので、手続きは早めに行うようにしましょう。

     

    3.定年退職は「自己都合退職」?

    定年退職は会社の規定に従って退職することですが、失業保険の区分としては定年退職は自己都合退職と同じ「一般の退職者の給付日数」が適用されます。

    ただし、定年退職の場合は、自己都合退職に適用される3か月の給付制限はありません。

    受給期間を延長できる

    60歳で定年退職した後、嘱託雇用などの契約で働き続け、3年以上雇用されたあとに更新されなくなった場合には、「特定受給資格者」に該当し、解雇などと同様の扱いがされることになり、一般の自己都合退職より手厚い保護を受けます。

    また、60歳以上の定年退職者は、60歳以上の定年後勤務延長もしくは嘱託雇用期間が満了したことによって退職した場合には、1年が限度とはなりますが、失業保険の受給期間を延長することもできます。

    退職後に、起業したいと考えている方

    起業するためには、上手に資金調達することが大切です。

    資金調達には、

    ①返済しなければならない融資

    ②返済しなくてもよい補助金・助成金があります。

    融資については、

    創業融資ガイド

    補助金・助成金については、

    助成金ドットコム

    をご参照ください。

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