不当解雇
日本の法律では簡単に従業員を解雇することは出来ないと定められています。 従業員を解雇するには、しっかりとした決まりがあり、その条件を満たしていない限り解雇としては認められないのです。不当解雇はこうした法律や就業規則などの決まりに従わず会社が一方的に労働契約を解約する行為を言います。
2017.11.21

「整理解雇(会社の経営上の理由による解雇)」を言い渡されたら

 

整理解雇とは、会社の経営が悪化したことなど、経営上の必要から余剰の労働者を解雇することをいいます。他の普通解雇、懲戒解雇などと違って、主に会社側の事情による解雇なので、より厳しく判断されることになっています。

「会社の経営悪化が理由なのだから、解雇されても仕方がない」とすぐに諦める必要はありません。整理解雇するためには4つの要件が必要で、この要件を満たさない解雇は無効になります。

ここでは、会社から「会社の業績が悪いから、解雇する」と整理解雇を言い渡されたときに確認したい要件や、対処方法についてご紹介します。

 

1.整理解雇とは

整理解雇とは、「会社の業績が悪い」など会社の経営上の理由から、労働者を解雇することをいいます。

そもそも、解雇は労働者にとって生活のために必要な給料を失うことなので、簡単に認められるものではありませんが、そのなかでも整理解雇は、他の普通解雇、懲戒解雇などと違って、主に会社側の理由による解雇であることから、とくに厳しい要件が必要とされます。

 

判例でも「整理解雇は労働者に解雇される帰責性がないにもかかわらず、解雇によって失職する不利益を被らせるものである以上、終身雇用を前提とする我が国の企業においては、企業としてそれ相応の努力をするのが通例であるのに、何の努力もしないで解雇することは、労働契約における信義則に反すると評価される場合がある」としています(角川文化振興財団事件 東京地裁 平成11年11月29日)。

 

2. 整理解雇の4つの要件

前述したとおり、整理解雇は、従業員に何の落ち度がないにも関わらず、会社の都合で解雇されるものであることから、より厳しく判断されることになっていて、4つの要件が必要とされています。そして4つの要件を満たさない整理解雇は「無効」とされます。

 

ここでは、整理解雇の4つの条件(整理解雇の4要件)について、ご紹介します。

 

(1) 人員削減の必要性

整理解雇が有効となるためには、人員削減を実施する際に、不況、経営上の必要性が強く求められた結果、やむを得なかったという事情があることが必要です。

ですから、単に「業績が悪化した」というだけでは足りませんし、「人員費を削減する必要がある」という程度の理由では、整理解雇は認められません。

たとえば、もし整理解雇した後に、新たに人を採用したなどの事情が分かった場合には、「人を減らす必要はなかったではないか」と主張できることになりますので、整理解雇が無効と判断される可能性が高いといえるでしょう。

(2) 解雇回避努力

整理解雇を実施する際には、会社は賃金カットや希望退職者の募集など、解雇を回避するための努力をすることが求められます。

したがって、これらの経費削減の努力をしないで、いきなり整理解雇を実施した場合には、「権利の濫用」となる場合があります。

この「解雇回避努力の範囲」については、会社の規模などから考えて行うことができる手段のうち、どこまでを行ったかについて、個々の事情に基づいて判断されます。

(3) 解雇する人を選定する際の合理性

解雇する人を選定する時には、客観的で合理的な基準を設定したうえで、公正に適用して行うことが求められます。

通常は、欠勤日数、遅刻日数などの勤務成績や起業への貢献度などから判断されるケースが多いといえますが、「ノルマを達成しなかった」「責任感がない」などといった程度の、客観性があいまいな理由では、解雇する人を選定する際に合理的な基準があったとは認められない可能性が高くなります。

(4) 手続きの妥当性

会社は、整理解雇の必要性や時期、規模、方法などについて労働者にきちんと説明し、協議を行い、労働者に納得してもらえるよう努力をすることが求められます。

過去には、このような誠意ある対応が不十分であったと判断された解雇を、無効とした判例もあります。

なお、整理解雇を実施する手続きについて就業規則に規定がある場合には、その手続きに従います。

2.要件を満たさない整理解雇は「無効」

前述したとおり、整理解雇が有効とされるためには4つの要件が必要であり、この要件を満たさない解雇は、原則として無効となります。

ただし近年では、4要件をすべて満たしていない場合でも、総合的に考慮して解雇権濫用の有無を判断しようという傾向があります。

 

ナショナル・ウエストミンスター銀行では「いわゆる整理解雇の4要件は、整理解雇の範疇に属すると考えられる解雇について、解雇権の濫用に該当するか否かを判断する際の考慮要素を類型化したものである」としました。

そして、そのうえで「それぞれの要件が存在しなければ、法律効果が発生しないという意味の法律要件ではなく、解雇権の濫用かどうかの判断は、個別具体的な事情を総合考慮して行うほかない」としています(東京都債 平成12年1月21日)。

(1) 解雇を争う方法

実際に行われた整理解雇が有効か無効かについては、さまざまな方法で争うことができます。

「不当解雇を争う」というと、どうしても裁判をイメージする方が多いと思いますが、裁判などの手続きを利用しなくても、会社に対して解雇の撤回を求めて交渉するだけで、解雇が撤回される場合もあります。

 

もし解雇が無効となった場合には、解雇の日にさかのぼって給料を支払ってもらうことができますし、慰謝料の請求ができる場合もあります。

 

ですから、整理解雇されたからといって、すぐに諦める必要はありません。早めに労働問題に詳しい弁護士に相談して、どのような解決方法があるのか、アドバイスを受けましょう。

(2) 解雇された後の生活費の確保

もし会社と「解雇は無効だ」と争っている最中に解雇されてしまったら、以降は給料が支払われない可能性が高くなるので、生活に困る状況になることも考えられます。

この場合には、雇用保険の「仮給付(条件付き給付)」を受けることができますので、労働基準監督署に相談してみましょう。

 

「仮給付(条件付き給付)」とは、「解雇を争っている間は、とりあえず失業と扱い、仮の失業等給付を受給させましょう」という手続です。

この「仮給付(条件付き給付)」として失業保険の給付を受けるためには、解雇を争っていることを証明する資料などを準備して、申請する必要があります。

どのような資料が必要になるのかについても、弁護士に確認しておくとよいでしょう。

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