何らかの事情で今の勤め先から退職する日が来るかもしれません。
その場合、雇用契約を終了させるためのさまざまな手続きが必要になります。しかし、多くの人にとって退職手続きは初めてのため、いざという時になって戸惑ってしまう人も多いかもしれません。
そこで、今回は退職時に必要な手続きについて説明していこうと思います。
1.健康保険への加入手続き
退職した場合、原則として退職した次の日からは勤務先で加入していた健康保険が使えなくなってしまいます。そのため、退職時には新たに健康保険に加入するための手続きを行う必要があります。
なお、健康保険に加入する際には任意継続健康保険、国民健康保険、扶養者の健康保険の3つ選択肢があります。
任意継続健康保険とは、適切な手続きをすることで、勤め先で加入していた健康保険に個人で継続して加入できるようになります。
ただし健康保険の任意継続をするためには、以前の勤務先での被保険者としての期間が2か月以上あり、退職日の翌日か20日以内に手続きを行う必要があります。
また国民健康保険に加入する場合は、居住地の市役所に出向いて所定の手続きを行います。この手続きは、退職した日の翌日から14日以内に行います。また、国民健康保険の加入手続きをする際には、本人確認書類とマイナンバー、健康保険資格喪失証明書、印鑑が必要になります。毛乳手続きが遅れてしまうと、罰則等があるわけではありませんが、未加入の時期の保険料も遡って納付しなければなりません。
そして、被扶養者としての条件を満たし扶養者の保険に加入する際には、保険の加入者が会社に健康保険被扶養者異動届を提出します。ただし、この場合は退職日の翌日から5日以内に手続きを行わなければならず、続き柄確認の書類や収入要件も用意する必要がありますので注意が必要です。
2.厚生年金から国民年金への切り替え
会社を退職した場合、厚生年金から国民年金に年金を切り替える必要があります。この手続きは居住地の市役所で行うことができます。
またその際には、基礎年金番号通知書や離職票、印鑑、本人確認できる書類を持参する必要があります。手続きの期限は退職日の翌日より14日以内までです。早めに切り替え手続きを実施しなければ、将来に受け取れる年金の金額が少なくなってしまったり、受け取れなくなってしまいますので注意が必要です。
3.雇用保険の手続き
勤務先を退職し、再就職先が未定なのであれば雇用保険を受け取ることができます。
雇用保険の申請手続きを行う場所は居住地域を管轄するハローワークです。手続きの期限は退職日の翌日から1年と長いですが、余裕を持って行うようにしましょう。また、手続きの際には離職票とマイナンバー、本人確認書類、2枚の写真、通帳もしくはキャッシュカードが必要です。
ただし、手続きを完了したとしてもすぐに保険金を受け取れるわけではありません。手続き後に7日間の待機期間があります。さらに、自己都合退職であれば3か月間の給付制限が設けられています。
なお、退職時にすでに次の就職先が決まっている場合は対象外となります。自己都合退職で給付制限中に次の就職先が決まってしまった場合も同様です。
また、給付制限中にアルバイトをすることは可能ですが、給与額によっては雇用保険の金額が減ってしまう可能性がありますので注意が必要です。
4.確定申告
退職してその年度内に再就職しないのであれば確定申告をしましょう。年末調整を受けられず、税金を納め過ぎていたとしても還付を受けられないからです。
手続きの際には、確定申告書と源泉徴収票、保険料控除の証明書、医療費控除のための領収書などが必要になります。
確定申告ができる期間は2月16日から3月15日までです。何らかの事情で変わることもありますので、毎年税務署のホームページなどで確認するようにしましょう。
まとめ
退職時に必要な手続きは多岐に渡り、それらをすべて確実にこなしていく必要があります。多くの人は退職手続きに不慣れなだけでなく、次の職場を求めて求職活動に余念がないため必要な手続きのことを考える余裕がないかもしれません。
しかし、必要な手続きをしっかり行わないと貰えるお金がもらえなくなったり、余計なお金を支払わなければいけなくなったりなど損をする可能性があります。
そのため、いざという時のための退職した際にはどのような手続きが必要なのかをしっかりと把握しておいてはいかがでしょうか。