うつ病で退職することになった時の傷病手当と自立支援制度とは?

うつ病で退職することになった時の傷病手当と自立支援制度って?自己都合退職と会社都合退職の違いとは?退職にあたっての必要な手続きって? 失業保険
失業保険

もしあなたの職場の労働環境が劣悪で、激務な場合、うつ病が発症する可能性が高いと言えます。もしうつ病になれば、精神的・体力的な負担や治療のために今の仕事から退職することを考える方が多いかと思います。

もし、うつ病によって退職することになった場合、傷病手当はどうなるのでしょうか。

うつ病は誰にでも発症しうる病気です。そのため、もしもの時にどのようにすれば良いのか知っておくことは重要です。

1.うつ病が発症した際の退職方法

もし、うつ病になってしまい退職する事になった場合、どのように退職すればよいのでしょうか。

まずは、退職するということを会社に伝える必要があります。この退職の手続きは一般的に就業規則で退職する1か月前までに届け出るように決められていることが多いです。また、特に期間の規則が決まっていない場合では、労働者が退職することを伝えてから2週間が経てば退職したとみなされます。

法的にも、退職の申入れから2週間が経過すれば退職したことになるとされています。

2.自己都合退職と会社都合退職

自己都合退職と会社都合退職

退職には自己都合退職と会社都合退職の2種類があります。自己都合退職とは業務外での怪我や病気によって退職することです。会社都合退職とは長時間労働やパワハラなど会社に原因があるとされる原因によって退職することを言います。

会社都合退職の場合は自己都合退職の場合と比べて、失業保険などの手当の給付期間が長く、給付を受けるまでの待機期間が短いというメリットがあります。

しかし、会社都合退職にする場合は会社との争いに発展する可能性もありますので、そうなったときのために会社都合退職であることを証明するような証拠を集めておく必要があります。会社との退職理由に関する争いに立った場合は、労働局やハローワークが退職理由を判断します。

3.退職にあたって必要な保険の手続き

もしも退職する場合には、健康保険、雇用保険、厚生年金の変更手続きを行うことが必要です。

(1)健康保険の手続き

社会保険から国民健康保険への切り替えは退職日から20日以内

会社に勤める会社員は基本的に社会保険に加入しています。しかし、退職した場合は今までの健康保険を使うことが出来ないため国民健康保険に加入します。また、今までの社会保険にも任意継続をすることができます。しかし、その場合は退職日から20日に以内の申請が必要です。その他の方法として家族の健康保険の扶養者となることもできます。

(2)雇用保険の手続き

退職した後、再就職したいという意欲があるにもかかわらず仕事が見つからないときは、雇用保険の失業手当を受け取ることが出来ます。

うつ病のためにすぐに働くことはできないが再就職をするという意欲はあるという場合は、その事情を申請すれば受給期間を延長することができることもあります。

雇用保険のしくみ~どんな場合に失業給付を受け取れるのか

(3)厚生年金の手続き

定年退職するともらえる年金には厚生年金と国民年金の2種類があります。企業で働いている場合は厚生年金として給与から差し引かれます。そのため、退職すると厚生年金から国民年金に変更する必要があります。厚生年金から国民年金への変更手続きは住んでいる地域の市区町村役所の国民年金担当窓口で行う事ができます。

4.傷病保険の受給

うつ病になった場合、以下の条件を満たせば健康保険の傷病保険を受け取ることが出来ます。

仕事外の病気やケガの療養で仕事ができないこと

仕事を4日以上休んでいること

給与が支払われていないこと

以上の条件を満たせは傷病保険を受け取ることが出来ます。その場合は、基本的に標準報酬月額の67%の金額を受け取ることが出来ます。

また、傷病保険を退職後に受け取るためには以下の条件を満たす必要があります。

退職時の時点で継続1年以上の被保険者期間があること

退職時に傷病手当を受けていること もしくは受給条件を満たしていること

5.うつ病からの復帰のための支援制度

もしうつ病になってしまっても、うつ病から復帰するための支援制度が多く用意されています。

(1)自立支援医療

うつ病の治療には医療費が必要になります。自立支援医療という制度を使えば医療費を軽減することができます。

自立支援医療はうつ病などの気分障害のほか、統合失調症や不安障害、薬物をはじめとした依存症などの治療にも適用することが出来ます。

条件を満たせば、医療費の負担を3割から1割に軽減することが出来ます。

(2)生活福祉資金貸付制度

うつ病で退職し、生活がままならなくなった場合は、生活福祉資金貸付制度を利用することができます。

生活福祉資金貸付制度は他から必要な資金を借りることが出来ない低所得者や障害者手帳が交付された障害者、65歳以上の高齢者などが対象です。借りることが出来る金額は種類によってことなりますが、利子は連帯保証人がいる場合は無利子、連帯保証人がいない場合は年1.5%となっております。

6.まとめ

うつ病は誰にでもなる可能性のある病気です。そのため、もしうつ病になって退職しなければならなくなったら、どのような手続きが必要で、どのような保険を受給することができるのかをしっかりと把握しておく必要があります。

また、うつ病患者のために社会への自立を促すための支援制度も豊富に準備されています。

そのような制度を活用し、ぜひ早期に社会への復帰を目指していきましょう。

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