不当解雇
日本の法律では簡単に従業員を解雇することは出来ないと定められています。 従業員を解雇するには、しっかりとした決まりがあり、その条件を満たしていない限り解雇としては認められないのです。不当解雇はこうした法律や就業規則などの決まりに従わず会社が一方的に労働契約を解約する行為を言います。
2017.11.28

派遣社員が解雇された時の対処方法&派遣契約の問題点

派遣とは、労働者と派遣元(派遣会社)と雇用契約を締結し、派遣先の指揮命令のもとで働く労働者のことをいいます。

派遣は、通常の雇用契約と違って「間接雇用」となるため、労働者に問題が起こった時に派遣先と派遣元のどちらにその責任を追及することができるのか、分かりにくくなってしまうことがあります。

派遣の場合は雇用契約が存在しているので、解雇の問題は通常起こりませんが、契約期間中に一方的な理由で中途解除されることも、簡単に認められるものではありませんので、すぐに諦める必要はありません。

ここでは、派遣契約期間中に中途解除された場合の対処方法などについて、ご紹介します。

1. 派遣とは

派遣とは、派遣会社が雇用する労働者を、派遣先のために労働させる事業をいいます。派遣会社はそれによって報酬を受けて労働者に賃金を支払います。

 

派遣労働の範囲は通訳、秘書、一般事務、インストラクター、プログラマーなど多岐にわたりますが、建設業務、警備業務、医療関係業務など一部の業務については法律で労働者を派遣してはならないと規定しています。

この規定に違反した場合には、派遣先が派遣労働者を直接雇用しなければならないとしています。

(1) 派遣と請負との違い

派遣とよく似ているものとして「請負」があります。

派遣の場合は、労働者は派遣先の企業の指揮命令に従って仕事をしますが、請負は請負元と仕事の注文主が請負・業務委託契約を締結します。そして請負元が労働者に指示を出して仕事をさせる、という点で異なります。

 

ただし派遣契約の場合には、注文主が労働者に対して負う義務が重くなるために、あえて請負契約としているケースがあります。

派遣か請負かは、契約形式ではなく実態に即して判断されますが、雇用契約を結ぶときには労働条件の説明をしっかり確認するようにしましょう。

(2) 派遣期間には制限がある

法律で定める28個の専門的な業務の場合を除いて派遣期間には制限があり、原則として1年とされていて、一定の手続きをすれば3年まで延長することができます。これらの期間の制限に違反した場合には、派遣先が直接雇用しなければならないことがあります。

 

なお、派遣労働者の労働者も正社員と同様、1日8時間、1週40時間の制限があり、これ以上長く働く場合には、法律に基づいて一定の手続きが必要になりますし、労働者は割増賃金を請求することができます。

 

2. 派遣でも簡単に「解雇」はできない

労働者が派遣先と問題が発生したときには、派遣会社で調整をしなければなりません。

労働者が雇用されているのは派遣会社なので、派遣先から「もう来ないでいい」と言われた時などの解雇の問題についても、派遣元との労働関係が問題となります。

 

派遣元と派遣先には派遣契約が締結されていますが、この派遣契約で規定されている契約期間の途中で解除された場合に、そのことを理由に派遣元が労働者を解雇するケースが増加しています。

しかし、このような解雇は簡単に認められるものではありません。

派遣労働者を解雇する場合には、法律上厳しい要件が必要となりますので、すぐに諦める必要はありません。

(1) 派遣先の責任

派遣先の責任については、労働者派遣法第39条~第43条に規定されています。

契約の解除についても、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣会社に解除の申し入れを行うことが必要であり、やむなく解雇する場合には、解雇予告や解雇予告手当などが必要とされています。

ここでは、派遣の契約解除について厚生労働省が発行しているパンフレットをご紹介します。

 

厚生労働省「派遣先の皆様へ」より抜粋

 

 

  1. 派遣契約の解除の事前の申入れ

派遣先は、派遣会社の合意を得ることはもちろん、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣会社に解除の申入れ行うことが必要であるとされています。

 

  1. 派遣先における就業機会の確保

派遣先は、派遣先の関連会社での就業をあっせんする等により、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることが必要となります。

 

  1. 損害賠償等に係る適切な措置

【1】 労働者の新たな就業機会の確保を図ることができないときには、少なくとも中途解除による派遣会社に生じた損害の賠償を行うことが必要です。

損害賠償とは、たとえば次のように行う必要があります。

(ア) 派遣会社が派遣労働者を休業させる場合には、休業手当に相当する額以上

(イ) 派遣会社がやむなく解雇する場合は、次の賃金に相当する額以上

・派遣先の予告がないために派遣会社が解雇予告をできなかった場合は、賃金の30日以上

・解雇予告の日から解雇までの間の期間が30日に満たないときは、解雇の30日前の日から解雇予告の日までの期間の日数以上

 

【2】 派遣先は派遣会社と十分に協議したうえで、適切な善後処理を行う必要があります。

 

【3】 派遣先は、派遣会社から請求があったときは、中途解除を行った理由を派遣会社に対して明らかにすることが必要です。

 

 

(2)派遣元の責任

派遣元には、派遣労働者に対して重い責任がありますが、現実はその責任を十分に果たしていないと思わざるを得ないケースが多々あります。

派遣労働者が派遣先の企業でセクハラや嫌がらせを受けたりした場合にも、力関係があったり、派遣先に強く主張できないなどの事情で、結局労働者が泣き寝入りしてしまうケースもあります。

 

ここでは、派遣元の責任について厚生労働省が発行しているパンフレットをご紹介します。

 

厚生労働省「派遣会社の事業所の皆様へ」より抜粋

 

 

  1. 派遣会社は、派遣先の責めに帰すべき事由による派遣契約の中途解除をする場合には、派遣先は、休業等により生じた派遣元事業主の損害(例えば、休業手当相当額、やむを得ず解雇するときの解雇予告手当相当額以上の額)を賠償しなければならないことについて定める必要があります。

 

  1. 派遣契約と労働契約は別であり、派遣契約が解除されたからといって、即座に派遣労働者を解雇できるものではありません。

派遣会社は、派遣先と連携して関連会社で就業のあっせんをするなど、派遣労働者の新たな就業機会を確保するなどする必要があります。

 

  1. 権利の乱用にあたる解雇は、労働契約法第16条により無効となります。労働契約法第17条の「やむを得ない事由」がある場合でなければ、契約期間中の解雇はできません。なお、やむを得ず解雇する場合であっても解雇予告など行う必要があります。

 

 

3.派遣で「解雇」と言われたら

先ほどご紹介した厚生労働省「派遣会社の事業所の皆様へ」にもあるように、派遣契約が解除されたからといって、即座に派遣労働者を解雇できるものではありません。

しかし実際には派遣先が契約を解除したことを理由として、派遣会社が労働者を解雇するケースもあります。

 

しかしこれまで述べてきたように、派遣元によるこのような解雇は、当然に認められるというものではありませんし、派遣会社は、派遣先と連携して派遣先の関連会社での就業のあっせんを受けたり、派遣会社で他の派遣先を確保するなど、派遣労働者の新たな就業機会を確保する必要があります。

また、新たな就業機会を確保できない時には、まず休業等を行って雇用の維持を図る必要があるとされています。

(1)弁護士に相談しよう

もし派遣先の契約開所を理由として、派遣会社から解雇された場合には、早めに不当解雇問題に詳しい弁護士に相談しましょう。

 

派遣会社と派遣先企業には、それぞれ派遣元責任者と派遣先責任者を選定し、派遣労働者からの苦情に対処しなければならないとされていますが、十分な対応をしてくれないケースがほとんどです。

 

それに派遣の雇用は不安定であり、いったん契約を打ち切られると次の就職先を見つめるのは困難です。

早めに弁護士に相談することをおすすめします。

(2) 労働組合に加盟して戦う方法も

派遣社員でも労働組合に加入することができます。

派遣先企業や派遣会社に労働組合がない場合や、労働組合があっても派遣労働者を受け入れてくれない場合には、個人で加盟できる労働組合に加入しましょう。

労働組合が労働者の味方として、問題の解決にあたってくれます。

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