不当解雇
日本の法律では簡単に従業員を解雇することは出来ないと定められています。 従業員を解雇するには、しっかりとした決まりがあり、その条件を満たしていない限り解雇としては認められないのです。不当解雇はこうした法律や就業規則などの決まりに従わず会社が一方的に労働契約を解約する行為を言います。
2018.11.21

もしかしたら不当解雇!?不当解雇の可能性が高い解雇とは?

不当解雇とは、解雇の条件を満たしていないにも関わらず、解雇された場合など、決まりを無視した解雇が言い渡されることを言います。

実は、企業側は従業員を簡単に解雇することが出来ません。今回は、不当解雇と解雇の違いについてご紹介したいと思います。また、もし不当な解雇をされてしまった場合の対処方法についてもご紹介します。

1.会社は簡単に従業員を解雇することは出来ない

労働基準法では、解雇に関する厳格なルールを定めています。そのため、そのルールに従っていない解雇は認められないことになります。

-労働基準法で定められている解雇に関するルール-

  • 解雇に該当する理由を入社時に従業員に書面で提示すること(労働基準法第15条)
  • 解雇させる場合には原則として解雇予定日の30日前に予告すること(労働基準法第20条)
  • 労災による休業や産・育休期間中とその後30日間の間は解雇してはならない(労働基準法第104条)
  • 従業員に対する報復行為としての解雇はしてはならない(労働基準法第22条)

もちろん、労働基準法以外の法律も照らし合わせて決める必要がありますが、原則として上記は必ず守る必要があります。

2.不当解雇に該当しない解雇

会社は従業員を簡単に解雇することは出来ません。しかし、解雇せざるを得ない理由がある場合、解雇を行うことが出来ます。

会社側が行う解雇には以下の4つの種類があります。

普通解雇/整理解雇/諭旨解雇/懲戒解雇

(1)普通解雇

普通解雇は他の3つの解雇に該当しないケースとなりますが、勤務態度などを理由とした解雇は普通解雇に該当します。

ただし、最初にご説明したように会社側は簡単に解雇することは出来ません。

「無断欠勤ばかりしているから明日から来なくて良い!」「仕事に対してやる気がないからクビだ!」など、突然、退職を言い渡すようなことは出来ません。

普通解雇に該当するかどうかは、その会社の就業規則に解雇についてどのような記載があるかによっても異なります。会社の就業規則をしっかりと確認しておきましょう。

(2)整理解雇

いわゆる「リストラ」を整理解雇と言います。人件費を削減しなければ、会社が倒産してしまう可能性があるなど、会社の経営が危機的な状況の際に行われる解雇です。

会社側が整理解雇をする場合には、下記の要件きちんとクリアしている必要があります。

  • 整理解雇をしなければどうしようもない状況であることが明白
  • 整理解雇をしなくても済むような努力はすべて行っている
  • 整理解雇の対象者は公平かつ合理的に選定されている
  • 整理解雇に関して、従業員の納得を得られるまだできちんと話し合いがされている

(3)諭旨解雇(ゆしかいこ)

諭旨解雇とは、懲戒解雇としてのおかしくないような重大な違反行為を行った従業員に対して、反省しているなどの判断から会社側が退職を進めることを言います。

(4)懲戒解雇

会社に損害を与えるような重大な違反行為があった場合に行われる解雇です。重大な違反行為の範囲は、社会一般的にみて重大と判断される行為が該当します。

例えば横領や業務とは関係のない犯罪などは懲戒解雇の対象となります。

また、採用判断に影響するような経歴詐称、犯罪と同様の悪質性を持つパワハラやセクハラなども懲戒解雇の理由に該当します。

横領に関しては下記記事も併せてご確認ください。

会社のお金を横領|業務上横領で課される罰則とは?家族にも影響がでる??

3.不当解雇の可能性が高い解雇理由

上記で記載した、普通解雇や整理解雇では不当解雇と思われるケースも多くあります。

以下のような理由によって解雇が言い渡された場合には、不当解雇である可能性が非常に高いと言えます。

  • 事前に話し合いもなく突然リストラされた
  • 役員報酬などはそのままの状態など経営改善のための努力もなくリストラが行われた
  • 妊娠したら退職させられた
  • 通院で月に数回の休みをもらっていたら退職させられた
  • 労働環境の改善を労働基準監督署に相談したら会社を解雇された
  • 上司の人間関係を理由に解雇された
  • 学歴や国籍を理由に解雇された

4.不当解雇かもしれないと思った時に解雇を撤回してもらう方法

不当解雇だという場合、解雇を無効にしてもらうために会社と交渉したり、法的処置を取ることが出来ます。

(1)解雇通知書・解雇理由証明書の請求

解雇を言い渡された場合には、会社側にかならず解雇通知書と解雇理由証明書を請求します。会社側は請求されたら必ず提出しなければならない義務がありますので、まずはこの2つの書類の請求を行いましょう。

(2)就業規則の確認

解雇通知書や解雇理由証明書に記載されている解雇理由と就業規則をきちんと照らし合わせ、就業規則に記載されていない理由による解雇ではないかどうかを確認しておきます。

(3)働き続けたいということを示す

解雇を撤回してもらうということは、その職場でそのまま働くことを望んでいるということになりますので、退職することを認めるような行為(解雇予告手当ての請求や退職金の請求等)はしないようにしましょう。

内容証明郵便など証拠になる方法で、不当解雇である旨、会社側に働き続けたいという意思を伝え交渉を行います。

(4)法的な対応をとる

どうしても会社側が交渉に応じてくれないなどの場合には、労働審判などで話し合いの場を設けることも可能です。

5.不当解雇かもしれないと思ったらなるべく早めに弁護士に相談すること

不当解雇かもしれないと感じた場合、上記のような方法で会社に解雇を撤回してもらうための交渉を行う必要がありますが、ご自身だけで行うとなかなか交渉に応じてもらえず、結果的に辞めざるを得ない状況になってしまう可能性もあります。

不当解雇かもしれないと感じた場合には、不当解雇に当たるかどうかの判断も含め、労働問題に精通した弁護士に相談するようにしましょう。

不当解雇はなるべく早い段階で弁護士に相談することが大切です。

まとめ

会社は簡単に従業員を解雇することは出来ません。しかし、法的に解雇できる理由も存在するため、解雇と不当解雇の判断は非常に難しい部分があります。

解雇を言い渡された理由に少しでも疑問を感じた場合には、理由について会社に確認しましょう。それでも納得が行かない場合には、弁護士に相談してみてください。

特に、不当解雇の可能性があるケースで懲戒解雇を言い渡された場合には、解雇の撤回を行うようにしましょう。懲戒解雇は解雇のなかでも最も重い処分です。再就職を検討する際にもかなり不利な状況となりますので注意してください。

 

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