セクハラ
セクシャル・ハラスメントとは職場内での性差別的な要素を含む言動や嫌がらせを言い、男性から女性、女性から男性、同性同士の場合もセクハラと認められます。定義が曖昧なため、セクハラに該当するかしないかは、受けた本人の判断次第となりますが、周りがその状況を明らかに不快に感じている場合にはセクハラに該当する場合があります。
2017.08.24

セクハラ発言に該当する言葉の実例

セクハラとは、「相手の意思に反した性的な言動や行為で、相手に不快感を与えたり不安な状態に追いこむこと」ですが、このうち言葉によるセクハラは、もっとも多いセクハラのタイプといえます。

さらに言葉によるセクハラは、加害者にセクハラの自覚がない場合も多く、これがセクハラ被害の減らない原因ともいわれています。

しかし、悪質なセクハラと認定されれば加害者は刑法により処罰される可能性がありますし、被害者は加害者と使用者(会社)に対して損害賠償請求できる可能性もあります。

泣き寝入りせずに、勇気を出して声を上げていきましょう。

1.セクハラの定義

セクハラとはセクシュアル・ハラスメントの略語で、簡単に言うと「職場で性的な嫌がらせを行ない、就業環境を悪化させること」を言います。

セクハラは、労働者の個人としての尊厳を不当に傷つけ、就業環境を悪化させ、能力の発揮を阻害する行為です。被害者は加害者に対して損害賠償請求を行うことできますし、強姦罪や強制わいせつ罪、侮辱罪などで刑事告発できるケースもあります。

2. セクハラの種類

セクハラは、男女雇用機会均等法第11条で以下のように規定されていて、大きく職場での地位を利用して性的な要求を行う「対価型セクハラ」と、性的な言動を繰り返すなどして就業環境を悪化させる「環境型セクハラ」の2つに大別されます。

 

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【男女雇用機会均等法第11条】

事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

 

2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるものとする。

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3. 言葉のセクハラの事例

セクハラには、「不必要に身体に触る」「抱きつく」「肩や太ももに触る」などの身体に接触するタイプのセクハラだけでなく、性的な発言をしたり、恋人がいるかどうかしつこく聞くなど、言葉によるセクハラもあります。

ここでは、言葉のセクハラに該当する事例についてご紹介します。

(1) 性的な言葉

性的な言動は、加害者側にセクハラであるという自覚がない場合が多々あります。

しかし複数の仲のいい同僚のなかでは性的なジョークで盛り上がっていたとしても、不快に感じる人がいれば、それはセクハラになります。

 

* 「処女に見えるけど処女じゃないんでしょう」「店にいる男の人と何人とやったんだ」と発言(東京セクハラ事件・東京高裁 平成20年9月10日)

 

* 「彼女に男さえいれば、性的に満たされるのに」「彼女が生徒に厳しく当たっているのは、性的に不満があるんだ」と発言(大阪セクハラ事件・最高裁二小 平成11年6月11日)

(2) 年齢について発言

「もう若くないんだから」「更年期なんだから」「おばん」などの言葉は、冗談で使われることも多いのですが、、相手に不快感を与えていれば、セクハラにあたります。

 

* 「おばん」「ばばあ」「くそばば」などと呼んだ(和歌山セクハラ事件・和歌山地裁 平成10年3月11日)

(3) パートナー、結婚などに関する言葉

恋人がいるかどうか、いつ結婚するのかなどは仕事に関係ない事柄です。

ですからこのような質問すること自体が、セクハラに該当する可能性があります。

 

* 「早く結婚しろ」「子どもを産め」「結婚しなくてもいいから子どもを産め」と発言(A市職員セクハラ事件・横浜地裁 平成16年7月8日)

 

このほか、身体的特徴など、容姿について論評したりするのはセクハラにあたる可能性があります。「きれいな髪だね」「スタイルがいいね」など、自分ではセクハラなどではなく、褒めているつもりの言葉でも、言われた相手がそれらの言動を不快に感じれば、それはセクハラに当たる可能性があります。

容姿のことは業務上関係ありませんし、何とも思っていない相手に観察されていることを、不快に思う人もいるのです。

4. セクハラ被害の悩みは弁護士に相談

セクハラの被害者のなかには「セクハラに遭ったなんて、恥ずかしくて誰にも相談できない」と思ってしまう方も多く、とくに言葉によるセクハラは「セクハラに当たるかどうか判断できない」というケースも多いようです。

しかし言葉によるセクハラは、個人の名誉感情、プライバシー権、その他の人格権を侵害する行為であり、許してはいけません。それにその状況をずっと我慢していると、結果的にその職場に居づらくなってしまったり、うつ病などの精神障害を発症してしまうこともあるのです。

 

弁護士に相談すれば「その言葉は、セクハラに該当するのか」「セクハラに該当するのであれば、どのように解決していくか」など、被害者の方に寄り添ってサポートをしてくれます。

「弁護士に相談=裁判」というイメージを持っている人もいますが、セクハラの悩みを解決する方法は、裁判だけではありません。

(1)内容証明

セクハラの加害者に、セクハラの行為をやめるよう要求したり、損害賠償請求を行う場合には、内容証明郵便を送付する方法が考えられます。

 

内容証明には本人名義で送る場合と、弁護士名義で送る場合がありますが、弁護士名義になると、弁護士に依頼したことが相手にも伝わるため、相手にプレッシャーを与える効果があります。

(2) 交渉、協議

加害者や会社がセクハラを認めた場合には、セクハラを阻止する対策や慰謝料の額などについて、交渉や協議を行うことになります。弁護士が交渉窓口になってくれれば、精神的なストレスから解消され、早期に協議がまとまる可能性もあります。

(3) 労働審判や訴訟など

セクハラを完全否定してくれば交渉の余地はありませんので、労働審判や訴訟などの裁判手続きを利用することになります。

 

労働審判は原則として3回以内の審理で結論を出さなければならないとされている制度で、2~3か月で審理を終えることができます。

もしこの3回の審理で和解に至らず、労働審判に不服があれば、異議申立てをすることで訴訟に移行することになります。

 

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