36協定
労働基準法で定められている労働時間(1日8時間/週40時間)を超えて従業員に勤務させる場合に、労使協定を締結することで、労働時間の規制を解くことが可能となります。労総基準法第36条はこの例外について定めており、そのための労使協定を36協定(さぶろくきょうてい)と言います。
2020.01.11

    未払い賃金には遅延損害金と遅延利息が発生する!計算方法は?

    労働基準法のもとでは、労働者が働いた分の給与はしっかりと受け取る権利を持ちます。

    しかし、残念ながら何らかの事情で未払い賃金が発生するケースもあるようです。

    その場合は、後から未払い賃金を会社に請求することになりますが、実は未払い賃金には遅延損害金と遅延利息が発生するのはご存じでしょうか。

    そのため、未払い賃金以上の金額を会社に請求できるということです。

    今回は、未払い賃金に付く遅延損害金と遅延利息について解説していきます。

    1.未払い賃金は債務不履行扱い

    賃金の受け取りは労働者が働いた分に値する報酬として労働者が有している債権であるのと同時に、会社の債務でもあります。

    賃金の支払いは会社にとって債務を履行することであり、賃金を未払いにすることは債務を不履行にすることとして扱われます。

    債務不履行には以下の3つのタイプがあります。

    (1)履行遅滞

    債務の履行が可能でありながら、履行せずにそのまま期日を経過することを履行遅滞と言います。

    (2)履行不能

    お互いに契約を交わしたのちに、債務を履行することができなくなることを履行不能と言います。

    (3)不完全履行

    債務の一部が履行されたものの、履行されていない部分が存在することを不完全履行と言います。

    労働者が受け取る賃金は、会社が労働者に対して働いた分の給与という債務とみなすことができます。そのため、支払うべき賃金が未払いになるのは会社側の履行遅滞といえます。

    2.債務不履行では遅延損害金と遅延利息が発生する

    (1)遅延損害金

    受け取れるはずだった賃金が支払われなかった場合、労働者にとっては生活への大きなダメージとなりえます。労働者が支払わなければいけなかった費用の支払いができなくなる可能性もあります。

    このように、債務者の債務不履行が原因で債権者が損害を受けた場合、民法では損害賠償を請求できることになっています。債務不履行が原因の損害賠償は遅延損害金といいます。

    つまり、会社による未払い賃金が発生し後から請求する際には、未払賃金の金額に加えて遅延損害金も請求できることになります。

    遅延損害金の金額は商法で6%となっています。そして、賃金の支払い日から未払い賃金の請求日または退職日までに会社に請求できることになっています。

    (2)遅延利息

    遅延損害金が在職中に請求できるのに対して、遅延利息は退職後に請求できます。

    給与が未払いになっている期間は、労働者がその分の金額を会社に預けているとみなすことできるため発生します。

    遅延利息は退職した次の日から未払賃金を請求した日までの長さに応じて発生します。

    ただし、遅延利息はやむを得ない事情で未払賃金が発生した場合は発生しません。具体的に言えば、津波や地震などの天災や会社の倒産、その他の合理的な理由が定められています。そして、遅延利息の利率は年利14.6%と高めに設定されています。

    3.未払い賃金と同時に請求しよう

    遅延損害金と遅延利息の請求は未払賃金の請求と同時に行うのが普通です。

    また、遅延損害金と遅延利息を請求する方法としては、任意の交渉と法的な交渉があります。

    任意交渉の場合は、会社に対して未払賃金があることを示した請求書を内容証明郵便で送付するなどして任意の交渉を行います。交渉が上手く行き合意に達したら、和解書や合意書を作成しまう。できれば、弁護士に協力してもらうことで交渉をスムーズに進めることができます。

    法的に交渉する場合は、裁判所に対して労働審判や労働裁判を行います。裁判官からの判決を得られれば法的な強制力があるため未払賃金を回収することができます。なお、判決を得るまでになるケースは少なく、大半が裁判であっても和解の形で収束します。

    4.実際に遅延損害金と遅延利息が発生するケースは少ない

    労働者が受け取ることができる遅延損害金と遅延利息ですが、実際に発生するケースは少ないのが現状です。

    というのも、これらの支払いを強制できるのは裁判所で判決が出たときのみだからです。

    もちろん、任意交渉や和解で会社と遅延損害金と遅延利息の支払いを合意できれば、受け取ることができます。

    しかし、現実としては未払い賃金の支払いのみになるケースが多いようです。

    ただし、もらえる確率が全くないわけではないので、未払賃金を請求する際には一緒に請求することにしましょう。

    5.まとめ

    未払賃金が発生した場合、遅延損害金や遅延利息も未払賃金の金額に加えて請求することができます。

    未払賃金によって生活に困っている場合、それらも一緒にもらえるとかなり助けになるのではないでしょうか。

    もし、これから未払賃金の請求を考えている場合は、上記の内容を参考に遅延損害金や遅延利息の請求も考えましょう。

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