36協定
労働基準法で定められている労働時間(1日8時間/週40時間)を超えて従業員に勤務させる場合に、労使協定を締結することで、労働時間の規制を解くことが可能となります。労総基準法第36条はこの例外について定めており、そのための労使協定を36協定(さぶろくきょうてい)と言います。
2019.07.13

    36協定に違反したら罰則が!その内容は?

    2019年4月から働き方改革慣例法案が施行されました。それによって、有給休暇の取得義務が発生したり、同一労働同一賃金が導入されたりします。その中で、労働者の働き方を大きく変えると期待できるのが、36協定に罰則規定が発生したことです。
    今回はその内容について、説明しようと思います。

    1.36協定とは

    36協定とは国が定める法定労働時間を超える分の労働や休日出勤を従業員にさせるために労働者と企業の間で結ばなければならない協定です。36協定を結ばずに労働者は残業をすることはできません。
    また36協定を結んでいたとしても、いくらでも時間外労働をできるわけではありません。36協定を結んでいる場合の時間外労働の上限は、月間45時間・年間360時間と決まっています。
    ただし、36協定を結んでいても特別条項を付けることでそれ以上の時間外瘻度が可能になります。特別条項付きの36協定であれば、年間で6か月間は36協定で定められた上限以上の時間外労働を従業員にやらせることができます。

    2.今回の法改正で36協定に罰則規定が

    (1)36協定に罰則が規定された背景

    今回の法改正で36協定に罰則が規定された背景は2点あります。
    まず1点目としては、36条項に特別条項を付けることで、際限なく時間外労働ができてしまうことです。36条項を結んでいたとしても、年間6か月は長時間労働に上限が亡くなってしまいますので現状では効果がないといえます。
    そして2点目としては、36協定には法的な拘束力がなかったことです。実は月間45時間・年間360時間という上限は労働基準法で定められているわけでなく、厚生労働大臣に告示によって定められたものでしかありません。そのため、36協定を定めても法的拘束力がないため、従業員に長時間労働をさせることができてしまいます。

    (2)法改正によって時間外労働の上限が法律化

    今回の法改正では、今でも問題点を踏まえて時間外労働の上限が法律化されました。特別条項付きの36協定を結んでいたとしても以下のこと守らなければなりません。

    ・時間外労働が年間で720時間以内であること
    ・時間外労働と休日労殿の合計が月間で100時間未満であること
    ・月間45時間以上の時間外労働をする月が年間で6か月以内であること
    ・1か月あたりの時間外労働と休日労働の合計の平均が80時間以内であること

    なお、ここで言う時間外労働とは所定労働時間ではなく法定労働時間を超える分の時間のことです。つまり、1日8時間・週40時間を超えた分の時間です。
    月間の時間外労働時間が常に45時間付近を行き来している場合は、気づいたら時間外労働が45時間を超えてしまっていることもありますので注意が必要です。
    そのため、従業員の労働時間を常にチェックしておくことが大切です。

    (3)36協定の罰則規定

    上記の時間外労働の上限に違反した場合、「6か月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」が罰則として課されることがあります。
    また違反の程度によっては上記の罰則に加えて、厚生労働省が企業名を公表することがあります。そうなってしまった場合には、企業の業績にも影響が出る可能性があります。
    これからは企業の事業のためにも、労働基準法を守る必要が出てきます。

    まとめ

    働き方改革関連法案が改正されたことで、時間外労働の上限に法的は拘束力が発生するようになりました。
    今まで職場の習慣で容認されていた長時間の時間外労働もこれからは違法行為となります。もし法律に違反するような長時間労働を従業員に強要した場合、労働者にとってマイナスになるばかりでなく、企業の世間的な評価にも影響を与える恐れがあります。
    これからは、労働者と経営者が双方ともに長時間労働の削減に尽力していく必要があります。

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