勤務先が倒産した時の未払賃金立替制度とは?請求方法を確認しよう

勤務先が倒産した時の未払賃金立替制度とは?請求方法を確認しよう 36協定
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何らかの事情で勤務先の会社が倒産してしまう事態も想定されます。

会社が倒産すると会社そのものも無くなってしまいますので、給与の支払制度なども消えてしまいます。

しかし、会社が倒産したら勤めていた時の賃金をもらうことができないのでしょうか。

そこで頼りになるのが、未払賃金立替制度です。

今回は、未払賃金立替制度を使った未払い賃金の請求方法について解説します。

1.未払賃金立替払制度とは

未払賃金立替払制度とは、会社が倒産した際に、その会社で勤務していた従業員の給与を国が保証してくれる制度です。

従業員が働いた分の対価を会社が倒産したとしても受け取れるようにするために制定されました。

未払となっている賃金の金額の最大8割まで国が支払ってくれます。

立替払の対象としては、退職日の6か月前から立替払を請求した日の前日までに発生している給与と退職金となっています。

なお、この制度を利用するに際して、会社は既に倒産しており1年以上従業員を雇用して事業を継続していなければいけません。

また、従業員は会社の倒産日の半年前から1年半後の間に退職していて、未払い賃金が全額で2万円以上であり、立替払の請求を2年以内に行っている必要があります。

未払賃金をしっかりと受け取れるように、申請するための条件をあらかじめ確認しておきましょう。

2.未払い賃金を請求するための必要書類と手続きの流れ

未払賃金立替払制度は法律上倒産した場合と事実上倒産した場合で手続きに違いがあります。

(1)法律上の倒産をした場合

法律上の倒産をした場合、まずは裁判所や破産管財人などから、倒産した日にちや未払賃金の金額が記載された証明書を発行してもらいます。

証明書を受け取ったら、「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」及び「払賃金の立替払請求書」に必要事項を書き込んで、労働者健康安全機構に提出します。

(2)事実上の倒産をした場合

事実上の倒産をした場合、法的に倒産したと認められたわけではありません。

そのため、倒産した事実を認めてもらうために労働基準監督署に「認定申請書」を提出しなければいけません。

認定申請書はe-Govのホームページか労働基準監督署で受け取ることができます。

そして、認定申請書は会社の所在地を管轄している労働基準監督署へ提出します。そして、書類が認められると「認定通知書」が送られてきます。

また、認定申請書は従業員が誰か一人でもやっていれば、他の人が再度行う必要性はありません。

次に、認定の申請日や未払賃金の金額、退職した日にちなどが記載された「確認申請書」を労働基準監督署に提出します。うまく受理されれば、「確認通知書」が送られてきます。

また、この確認通知書には「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」及び「払賃金の立替払請求書」が付随していますので必要事項に記入します。

そして、確認通知書を労働者健康安全機構に届け出れば、手続きは終了です。

正しく行われていれば、指定した口座に未払い賃金が振り込まれます。

3.未払賃金を受け取ったら確定申告は必要?

未払賃金立替払制度を利用して無事に未払い賃金を受け取ったとして、その賃金に税金がかかり確定申告は必要なのでしょうか。

結論から申しますと、未払い賃金にも税金が発生します。

未払い賃金は本来在職中に受取り、課税されるはずだった所得です。そのため、未払い賃金を受け取ればその分の税金は当然課税されます。

企業が搭載していないのであれば、未払い賃金かかる税金の支払いは源泉徴収として企業が代わりに支払ってくれます。しかし、企業が倒産してしまっているのであれば、自分で税務署まで足を運んで確定申告を行わなければなりません。

もし自分ですべて行うことに不安があるのであれば、税理士などの専門家に相談することもできます。

4.まとめ

未払い賃金がある状態で会社が倒産したからといって、賃金の受け取りを諦める必要はありません。

未払賃金立替払制度を活用することで、受け取るはずだった賃金の最大8割は保証されます。ただし、受け取ることができた未払い賃金にも税金がかかり確定申告が必要となるため注意が必要です。

会社の倒産はいつ自分の身に起こるかわかりません。いざという時に慌てることがないよう、上記の内容を参考に前もって未払い賃金に対する対応策を把握しておきましょう。

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