36協定
労働基準法で定められている労働時間(1日8時間/週40時間)を超えて従業員に勤務させる場合に、労使協定を締結することで、労働時間の規制を解くことが可能となります。労総基準法第36条はこの例外について定めており、そのための労使協定を36協定(さぶろくきょうてい)と言います。
2018.07.24

今更聞けない!!でもよくわからない!!働き方改革ってどんな内容?労働者にとってのメリットとは?

安倍政権が掲げる一億総活躍社会の実現のための政策として「働き方改革」があります。

働き方改革という言葉は聞いたことがあると思います。

また、長時間労働の削減や非正規雇用と正規雇用の格差をなくすなどの動きが働き方改革なんじゃないかなぁとなんとなく理解しているという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は働き方改革とはどのような取り組みなのか、働き方改革によってどのように労働環境が変わっていくのか、働き方改革で労働者が注意すべき点は何かをわかりやすく解説したいと思います。

1.働き方改革の背景と4つのポイント

まず、働き方改革の背景と働き方改革では何をポイントとしているかをまとめておきましょう。

(1)働き方改革の背景

みなさんご存知の通り、日本は少子高齢化と言われています。子どもが少なくて高齢者が多いという意味ですね。しかし、少子高齢化の未来は永遠に子どもが少なくて高齢者が多いという訳ではありません。高齢者は永遠に生きることは出来ません。そして、子どもまた永遠に子どもではありません。つまり、少子高齢化の未来は人口の減少に繋がります。

人口が減るということは、労働人口、つまり働く人も少なくなるということに繋がります。

労働人口の減少は、生産性の低下、日本経済の衰退を意味しています。

このままでは、国として経済成長が止まってしまう可能性があるという危機感から

少ない労働人口でも日本の経済力が下がらない方法を考える必要があります。それが働き方改革ということになります。

(2)働き方改革の3つのポイント

働き方改革では、大きくわけるとポイントは3つです。

ポイント1:長時間労働・残業の是正

高度成長期の日本では、長時間労働は当たり前でした。がむしゃらに働いていた世代が管理職になっているという理由もあり「長く働くことが偉い」という風潮もなかなかなくなりません。しかし、近年、長時間労働による過労死などが問題視されるようになりました。

長時間労働によって肉体的、精神的に消耗してしまうことで過労死や過労自殺に発展してしまうことは、労働人口減少を促進させてしまいかねません。

実際に、警察庁の自殺統計データでは、自殺者全体の約9%が労働問題による自殺というデータもあります。

一時の長時間労働や残業で生産性が上がったように見えても、それがずっと続くわけはないのです。長時間労働、残業を少なくすることで効率よく仕事を進めることができるように

環境を整えることが大切ということですね。

また、長時間労働や残業の是正は、ポイント3で紹介する柔軟な働き方の促進にもつながります。

ポイント2:正規雇用と非正規雇用の格差是正

正規雇用はいわゆる正社員です。一方、非正規雇用はパート・アルバイト、契約社員、派遣社員などを言います。

正規雇用よりも非正規雇用の方の方が、賃金が低い、福利厚生がないなど正規雇用に比べるとデメリットと言える点が多くあります。しかし、実際の労働内容にはそれほど大きな違いがありません。

そのため、働き方改革では「同一労働同一賃金」の実現に向けた法改正を検討しています。

ポイント3:柔軟な働き方の促進

ポイント3は上記2つのポイントと異なりすこし、ふわっとした印象を受けますね。

「柔軟な働き方」とは具体的にどのような内容を示すのでしょうか?

柔軟な働き方①|副業・兼業

通常、企業にお勤めの場合、副業や兼業を就業規則で禁止としているところが多いのではないでしょうか?働き方改革では、副業や兼業を原則可能とすることで、個人の生産性を向上させようという背景があります。ポイント1の長時間労働や残業の是正によって、時間的な余裕が生まれることで副業や兼業をしたいと思う方も増えるかもしれません。

また、残業代が生活給となっていたという方の場合、減ってしまう可能性がある給与を副業などで補うことができるようになります。

柔軟な働き方②|テレワークの推奨

働き方改革では「テレワーク」の推奨も行っています。テレワークとは、在宅勤務のことです。情報通信技術を活用し、場所や時間にとらわれることなく働くことが出来ます。

とても柔軟な働き方ですね。テレワークであれば副業や兼業もしやすい環境になります。

柔軟な働き方③|働きやすい環境整備

介護や育児、病気の治療など仕事に影響が出てしまうことが起こることもあります。

このような状況の方が働きやすい環境を整えることも柔軟な働き方のひとつではないでしょうか?

企業としては労働者が働きやすい環境を整えることで、離職率の低下に繋げることができるのです。労働人口の減少は働き手が減ってしまうことです。現在、働いている労働者を

辞めさせないための取り組みが重要になります。

2.働き方改革でどのように労働環境はかわるのか

働き方改革は法案の内容によって施行時期が異なりますが、基本的には2019年4月から施行される方向で進めています。(中小企業は猶予期限を1年設ける法案もあります)

働き方改革によって生まれる労働環境の変化は、上記のポイントからわかるように、長時間労働や残業の是正によりブラック企業は少なくなるはずです。(ならないと困りますが・・・ブラック企業は時間だけで判断することが難しいのでなくなると言い切れない!)

また、同一労働同一賃金は日本企業の伝統のような「年功序列」という考え方を変えることになるかもしれません。

労働者が柔軟に働くことができる環境になり、成果をきちんと評価してもらえる企業が増えるようになれば働く人にとってとても良い成果を得られる改革と言えますね。

3.働き方改革で労働者が注意すべきこと

 

働き方改革が正しく導入されることは労働者にとってメリットが大きいと言えますが、

働き方改革を正しく理解していないと、結果的には労働者にとって不利益となることも考えられます。

注意点1:サービス残業が起こる可能性がある

サービス残業とは、残業代が発生しない残業です。タイムカードを切った後に残業をする、

自宅に持ち帰って仕事をするなどが該当します。

企業は「長時間労働・残業の是正」ということで、残業をしないようにという動きを見せます。しかし、そもそもの労働量が変わっていない状態では、時間外に仕事をしないと終わらないということが起こります。

記録している労働時間だけみれば残業はしていないことになっているけれど、実際には残業をしているという事態が起こる可能性は十分にあります。

注意点2:労働条件の変更

働き方改革によって労働条件就業規則の変更が行われる可能性があります。

実際に、待遇や労働条件が不利になる契約に変更されるというケースもあるようです。

仮に労働契約の見直しを求められた場合には、内容をしっかりと確認し、納得できない箇所は会社側にきちんと説明してもらうようにしましょう。

まとめ

働き方改革は労働者にとって「働きやすい環境を整える」という側面がありますが、場合によっては労働問題に発展してしまう可能性もあります。

政策だけを遂行していれば良いという考え方では、本当に働きやすい環境にはならないように感じます。労働者も企業もどちらも円満に発展していくことができる「働き方改革」に

なってほしいと思います。

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