パワハラ被害について相談された時の対応方法

パワハラ
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パワハラ(パワー・ハラスメント)はセクハラのように身体接触や卑猥な発言など、客観的に見てもセクハラだと判断出来る事実が特定出来ない場合が多々あります。

また、「業務上の指導」と区別しづらいというケースも多々あり、パワハラの被害者から相談されても、すぐにその場で「パワハラだ」と判断するのは難しいケースがほとんどです。

しかし、パワハラの相談をするのは、とても勇気がいるものです。

パワハラの被害者は相談している時点でかなり追いつめられていて、うつ病やパニック障害などを発症している可能性もあります。

パワハラの被害者から相談を受けたら、事実確認など含め、早急に対応するようにしましょう。

1.パワハラ被害者から相談を受けたら

パワハラ被害者は、パワハラ行為に傷つき心身ともに傷ついています。

なかには、すでにうつ病などの精神障害の症状を自覚している人もいるでしょう。

パワハラの加害者から能力や人格を否定され、胃腸障害や睡眠障害、食欲不振といった症状に苦しみながら、エネルギーと勇気を振り絞って、やっとの思いで相談してきた可能性もあります。

 

ですから、パワハラ被害者から相談を受けたらまず「勇気を出して相談してくれてありがとう」と被害者を労って安心してもらうことも大切です。

(1) 本人のペースに合わせて話を聞く

パワハラ被害者から話を聞く際には、本人のペースに合わせることが大切です。

無理に聞き出したりせず、相槌を打ちながら共感を示すことも大切です。

 

話を聞く中では、質問したりアドバイスをしたりしたくなることもあるかもしれません。しかし相談者は、先走ったアドバイスをもらうより「まずは話を聞いて欲しい」と思っているケースがほとんどです。

 

質問やアドバイスをするのは、二の次にして、まずはじっくりと話を聞くことを優先しましょう。

(2) 被害者の症状を確認する

パワハラの被害者は、パワハラ行為によるストレスから思考能力が落ちていた李、うつ病などの症状が出ていることも少なくなりません。

 

相談を受けた際には、「眠れない」「食べられない」「悲観的になる」などの症状があるかを確認ましょう。そして、本人の意思を確認したうえで専門医の受診を勧めたり、弁護士への相談するよう勧めてみましょう。

 

深刻な症状が出ている場合には、休暇を取るよう勧める配慮も時には必要になります。

(3) プライバシーを守ることを伝える

相談者が安心して話をすることが出来るように、プライバシーにも配慮するようにしましょう。

被害者が最も恐れているのは、パワハラの相談をしたことがパワハラの加害者の耳に入り、報復行為をされることだからです。

 

職場のデスク知覚や居酒屋、カフェなど、誰が話を聞いているかわからないような場所では、ゆっくり相談する気持ちにはなれません。

また、相談内容を関係者の間で共有する場合には、どんな小さなことでも本人の了解を得てから伝えるようにしましょう。このような配慮が相談者に安心感を与えることにつながります。

2. パワハラ加害者への対応

パワハラの加害者に事実確認を行う際にも、慎重に対応することが必要です。

「職場のパワー・ハラスメント対策取り組み状況に関する実態調査報告書(https://www.cuorec3.co.jp/info/enquete/file/2011021801.pdf)」によると、パワハラ問題が発覚した後に加害者にメンタル問題が発生したり、自主退職するケースもあります。

事情を聞こうとした段階で、既に「自分が処分を受けるのか」と不安に思っていた李、「理由がないのに呼ばれている」と不快な気持ちでいることも十分考えられますので、そのような相手の気持ちに配慮して対応するようにしましょう。

(1) 被害者の安全を確保する

パワハラ問題は、業務上の指導と区別がつきにくい場合が多く、被害者と加害者から事情聴取をしただけでは、「パワハラがあった」と断定出来ないケースも多いでしょう。

それでもパワハラ問題が起きた場合には、一日も早く被害者が安心出来る職場環境を整えることが必要です。

加害者にパワハラ行為をやめるよう注意しても、加害者にはパワハラを行っている自覚がないことも多く、注意されたことを逆恨みして報復行為を行うリスクがあります。

ですからパワハラ問題が起こった場合には、被害者か加害者を異動させるか、被害者の安全を確保するためにもまずは休養を取るよう勧め、今後の方向性について話し合ってみると良いでしょう。

(2) 放置しない

最も良くないのは、パワハラ問題について相談されたにも関わらず、何もしないで放置することです。

勇気を出して相談したのに、何も対応してくれなかったり無関心な対応をされれば、被害者は相当にショックを受けることになります。

もし自身で「パワハラか判断出来ない」という場合には、パワハラ問題に詳しい弁護士に相談するよう勧めてみましょう。

なお、このようなパワハラ問題を起こさないためには、日ごろから従業員に対して、パワハラに対する認知度を高める必要があります。

つまり組織の一員としてどうあるべきか、どう振る舞うべきか、その方針をしっかり示すことが大切なのです。

 

ひとたびパワハラ問題が起こり、会社が適切な対応をとらなければ、被害者が加害者や会社に損害賠償請求する可能性がありますし、裁判になれば、会社の職場環境配慮義務違反や安全配慮義務違反を追及される可能性もあります。

労務問題の早期解決や予防措置は、会社側にとってもメリットが大きいものです。

労働者側の権利を保護すし、職場の労働環境まで考慮したリーガルサポートを受けたい場合には、早めに労務問題に詳しい弁護士に相談するのが良いでしょう。

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