パワハラ
パワーハラスメントとは職場内での立場や人間関係などを利用し、業務範囲を超えて精神的苦痛や身体的苦痛を与える行為やその行為により職場環境を悪化させることを言います。一般的に上司から部下というイメージがありますが、先輩・後輩間、同僚同士、部下から上司に対しての行為でも該当することがあります。
2017.10.19

パワハラ慰謝料~過去のパワハラ裁判でみる慰謝料相場

 

パワハラを行った加害者は不法行為責任(民法709条)を問われますが、それだけでなく、会社に対しても損害賠償を請求出来る場合があります。

長期間のパワハラで、精神疾患を発症してしまった場合や自殺するなどの最悪の事態を招いてしまった場合には、死亡に伴う慰謝料や、逸失利益の金額もかなりの高額になる可能性があります。

ここでは過去の裁判の慰謝料の認容額について、ご紹介します。

1.パワハラ加害者の刑事責任

パワハラ行為を行った加害者に対して、直ちに刑事責任を追及出来るわけではありませんが、名誉棄損、プライバシーの侵害、脅迫、傷害、暴行などの刑事責任を追及出来る場合には、慰謝料を請求することが出来ます。

また会社の責任が問われるケースについては、会社に対しても不法行為責任もしくは使用者責任を追及出来ますし、職場環境配慮義務を怠ったとして、債務不履行責任を追及出来る場合もあります。

 慰謝料の相場

パワハラの加害者や会社に対して請求出来る慰謝料の額は、行為自体の違法性や故意・過失の有無、損害の程度など、事案によってケース・バイ・ケースですが、パワハラの被害者が精神疾患を発症した場合には、かなりの高額を請求出来る場合もあります。

2. パワハラ裁判例から見る慰謝料の相場

過去の裁判例から見ると、認められた慰謝料の額は5万円程度から数千万まで幅広く、一概にいくら、ということは出来ません。

ここでは、過去の裁判例から慰謝料の認容額をご紹介します。

(1) 川崎水道局事件

水道局の職員は、上司3人から「むくみ麻原」などとからかわれたり、ナイフを突きつけられたりといったいじめを受け続け、自殺しました。判決では、いじめの制止や謝罪などの適切な対応をとらなかった川崎市に対して、2,300万円の損害賠償義務を認めました(東京高裁 平成15年3月25日判決)

(2) 誠昇会北本共済病院事件

病院の看護婦が、先輩看護婦に休日勤務を強制されたり、「殺す」という内容のメールを送り付けられるなど、3年にもわたりのいじめを受け続けた結果、自殺しました。判決では、加害者の看護婦に対して1,000万円、の賠償義務が命じられたほか、使用者である病院にも安全配慮義務違反があるとして500万円の賠償義務を命じました(さいたま地裁 平成16年9月24日)

(3) レタスカード事件

消費者金融会社の社員に対して、社長が罵詈雑言を浴びせ、たばこの火を押し付けるなどの暴行を加えた結果、社員がうつ病になりましたが、その本人を会社に呼出し、「出勤しないなら会社を辞めろ」と出勤を強要したことが不法行為に該当する都市、うつ病発症との因果関係は否定しましたが、慰謝料として総額670万円の支払いを会社に命じました(京都地裁 平成18年8月8日)。

(4) ヴィナリウス事件

ワイン販売会社の社員に対して、上司が「うつ病みたいな辛気くさいやつはいらん。」「会社にどれだけ迷惑をかけているのか分かっているのか」「お前みたいなやつはクビだ」などと30分にわたり罵声を浴びせ、クビと言われた社員が途方に暮れ、うつ病から自殺を図りましたが一命をとりとめました。この事案では、業務とうつ病の因果関係は不明であるとしつつも、会社に対して慰謝料80万円の支払いを命じました(東京地裁 平成21年1月16日)。

(5) 日本土建事件

新入社員に対して指導担当者が身体的・精神的な攻撃を加えたうえに、違法な時間外労働を強制し、新入社員の帰宅は毎日12時過ぎで、業務負荷に対して適切な配慮を行っていた点が問題視されました。なお、この新入社員の父は建設会社を経営していて、新入社員が勤務する会社の下請会社という関係にあるという事情もありました。

新入社員は毎日の激務で疲労困憊していたのも関わらず、打ち上げに強制的に参加させられ、それぞれの自宅への送迎を依頼されましたが、その途中で起こした交通事故で死亡しました。

この事件では、新入社員に対するパワハラについて、安全配慮義務違反と不法行為があったとされ、新入社員の父母それぞれに対して、75万円ずつの損害賠償支払いを命じました(津地判 平成21年2月19日)。

3.パワハラ被害に遭ったら弁護士に相談

パワハラの被害に遭っているのであれば、我慢して出勤する必要はありません。

我慢してうつ病やパニック障害などの精神疾患を発症してしまうケースもあります。

これらの心の病は身体の病と同様、早期に対応すれば早期に回復出来る可能性があります。

 

労働問題に詳しい弁護士に相談すれば、パワハラで損害賠償請求するためにはどのような証拠が必要かなどについてアドバイスをもらうことが出来ますし、今後の見通しや、解決応報を提案してもらうことが出来ます。

 

パワハラの被害は、一人で抱え込んでも解決しません。

ぜひ勇気をだして、弁護士に相談されることをおすすめします。

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