労働災害
労働災害とは業務中・通勤中など業務に従事することによって起こった傷病を言います。業務中に(または業務と因果関係があり)起こったケガ、病気、死亡等は業務災害、通勤中に起こった場合には通勤災害、第三者による不法行為によって起こった場合には第三者行為災害と呼ばれます。近年では、過労死も労働災害と認められるケースがあります。
2017.09.13

会社が行わなければならない一般健康診断とは

 

労働安全衛生法第66条1項では、会社が実施しなければならない健康診断について、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。」と規定しています。

健康診断は、会社による健康管理の基本中の基本です。確実な健康情報にもとづいて早期の対応治療ができるよう、会社は労働者に対して健康診断を行う義務があります。

 

この健康診断は、大きく「一般健康診断」と「特殊健康診断」に分けることができます。

「一般健康診断」とは、労働者の業務内容に関係なく、その労働者の健康状態を把握するために実施する健康診断のことです。

これに対して「特殊健康診断」とは、危険有害業務などの特殊物質を取り扱う労働者が職業病などを発症しないように早期発見・早期治療を行うための健康診断です。

 

今回は「一般健康診断」についてご紹介しているので是非ご確認ください。

1.一般健康診断とは

会社は、労働者に対して、医師による健康診断を実施する義務がありますが、この健康診断は、大きく「一般健康診断」と「特殊健康診断」に分けられます。

 

一般健康診断は、どのような職種であっても受診する必要がある健康診断で、「雇入時健康診断(安衛則43条)と、定期健康診断(安衛則44条)などがあります。

(1)一般健康診断の受診対象者

正社員は、全員が一般健康診断の対象者となります。

その他、派遣社員やアルバイト、パートなどの雇用形態であっても、正社員等の正規雇用の従業員の週所定労働時間の3/4以上働く労働者に対しては、健康診断を実施しなければなりません。

 

契約社員の場合は、契約の更新によって1年以上の雇用が見込まれている場合については、健康診断を実施しなければならないとされています。

(2) 一般健康診断の種類

一般健康診断の種類については、労働安全衛生規則に、以下の6種類が規定されています。

 

 

【1】雇入時健康診断(安衛則43条)

会社は、常用の従業員を雇用する場合には健康診断を実施する必要があります。

ただし、その従業員が3か月以内に従業員の意思で健康診断を受診していて、その証明書を提出した場合は定期健康診断の省略が可能です。

 

【2】定期健康診断(安衛則44条)

会社は、常時使用する労働者に対して、1年以内に1回定期健康診断を実施する必要があります。

 

【3】特定業務従事者の健康診断(安衛則45条)

14種類の危険有害業務・重労働業務などに常時従事する労働者についてはその業務へ配置換えするときに、その後6か月以内ごとに1回実施する必要があります。

 

特定業務従事者の特定業務とは、以下の業務です。

* 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

* 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

* ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務

* 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

* 異常気圧下における業務

* さく岩機、鋲打機等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務

* 重量物の取扱い等重激な業務

* ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

* 坑内における業務

* 深夜業を含む業務

* 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

* 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

* 病原体によって汚染のおそれが著しい業務

* その他厚生労働大臣が定める業務

【4】海外派遣労働者の健康診断(安衛則45条の2)

海外に6か月以上派遣する労働者、海外に6か月以上派遣し帰国後国内業務に就かせる労働者が帰国した時に実施する健康診断です。

 

【5】結核健康診断(安衛則46条)

上記【1】~【4】の健康診断を実施した結果、結核を発病する可能性があると診断された労働者に対して実施しなければならない健康診断です。

 

【6】給食従事者の検便(安衛則47条)

事業場に付属する食堂や給食などの業務を行う従業員の雇い入れや配置換えする時に実施しなければならない健康診断です。

(3) 一般健康診断の診断項目

一般健康診断のうち、雇入れ時健康診断及び定期健康診断の項目は、以下のとおりです。◆雇入れ時の健康診断(安衛則第43条)

  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査
  5. 血圧の測定
  6. 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
  7. 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)
  8. 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロー

ル、血清トリグリセライド)

  1. 血糖検査
  2. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  3. 心電図検査

 

◆定期健康診断(安衛則第44条)

  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  3. 身長(※2)、体重、腹囲(※2)、視力及び聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査(※2) 及び喀痰検査(※2)
  5. 血圧の測定
  6. 貧血検査(血色素量及び赤血球数)(※2)
  7. 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)(※2)
  8. 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロー

ル、血清トリグリセライド)(※2)

  1. 血糖検査(※2)
  2. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  3. 心電図検査(※2)
この記事を共有する
Share on Facebook
Facebook
4Share on Google+
Google+
0Tweet about this on Twitter
Twitter
Share on LinkedIn
Linkedin
弁護士の無料相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。 050-5212-3326

(対応時間 平日9時~19時)

弁護士法人エースパートナー法律事務所
所属:神奈川県弁護士会、東京弁護士会