労働災害
労働災害とは業務中・通勤中など業務に従事することによって起こった傷病を言います。業務中に(または業務と因果関係があり)起こったケガ、病気、死亡等は業務災害、通勤中に起こった場合には通勤災害、第三者による不法行為によって起こった場合には第三者行為災害と呼ばれます。近年では、過労死も労働災害と認められるケースがあります。
2017.10.02

    労災保険は、仕事中や通勤途中の病気やケガが対象

     

    労災保険(労働者災害補償保険)とは、仕事中や通勤途中の病気やケガ、障害、死亡について、迅速で公正な保護をするために必要な保険給付を行うことを主な目的とした制度です。

    労災は、過労死や過労自殺などの場合も申請することができます。

    また、会社に落ち度があれば会社に対しても損害賠償請求をすることができる場合もあります。

    労災申請や会社への責任追及は、一日も早く労災問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

    1. 労働災害(労災)とは

    労災保険が対象とするのは仕事中の病気、ケガ、障害、死亡(業務災害)と通勤途中の病気、ケガ、障害、死亡(通勤災害)です。

    会社は労働者を1人でも雇用する場合には、原則として労災保険に加入しなければならないとされています。

    労災の申請ができるのは、労働者本人かその遺族ですが、労働者が自分で保険給付の申請や手続きを行うのが困難な場合は会社が手続きを代行することもできます。

    ただ、なかには労災の証明に会社が協力してくれない場合や「とりあえず健康保険を使って治療しておいてくれ」などと言って、労災隠しする会社もあります。

    しかし労災隠しは違法ですし、労災の申請は会社が協力してくれなくても労働基準監督署でその旨説明して手続きをすることができます。

    (1) 治療費が無料

    仕事中や通勤途中の病気、ケガなどで指定病院(労災保険が使える病院)で受診した場合には、「療養の給付」が為され、無料で治療を受けることができます。

    「療養の給付」には、治療費のほか、入院料や介護費用など、療養に必要とされる費用が含まれます。

    (2) さまざまな給付がある

    労災保険には、前述した「療養の給付」のほかにもさまざまな給付内容があります。

    ※業務災害の場合には、○○補償給付、通勤災害の場合には○○給付となります。

    * 療養給付(療養補償給付)

    病院に入院・通院した場合の費用

     

    * 休業給付(休業補償給付)

    療養のために仕事をすることができず賃金をもらうことができなかった場合を補償するための給付

     

    * 障害給付(障害補償給付)

    身体に障害がある場合に、その障害の程度に応じて為される給付

     

    * 遺族給付(遺族補償給付)

    労災で死亡した場合に、遺族に対して支払われる給付

     

    * 葬祭料

    葬儀を行う人に対して支払われる給付

     

    * 傷病年金(傷病補償年金)

    けがや病気の場合に、年金の形式で支給される給付

     

    * 介護給付(介護補償給付)

    介護を必要とする被災労働者に対して、支払われる給付

    2. 労災の申請手続き

    労災が発生した場合には、本人またはその遺族が労災保険給付を請求します。

    「会社が労災を認めてくれない」という方もいらっしゃいますが、被害者やその家族から請求を受けて労災を支給するか不支給とするかについて決定をするのは、労働基準監督署なので、会社の認定は必要ありません。

    なお労働基準監督署の決定に不服がある場合には、都道府県労働基準監督局の労災保険審査官に審査請求することができますし、それでも不服があるときには、厚生労働省内の労働保険審査会に再審査請求をすることもできます。

     

    そして、労働保険審査会の決定に不服がある場合には、行政訴訟を起こすこともできます。

     

    労災申請の決定は、本人やご家族のこれからの生活がかかってくる大変重要な問題です。証拠の収集や手続きの進行タイミングなどについて、できるだけ早く労災問題に詳しい弁護士に相談することが大切です。

    (1) 請求書類

    労災関係の請求書類ですが、仕事中に起きた業務災害か、通勤途中の通勤災害かで提出する容姿が異なります。

    業務災害であれば「療養補償給付たる療養の費用請求書」を、通勤災害であれば「療養給付たる療養の費用請求書」を治療を受けている医療機関に提出します。

    請求書の様式は、提出する機関ごとに下記のとおり異なります。

    労働基準監督署でもらうこともできますが、厚生労働省ホームページからダウンロードすることもできます。

    http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/03.html

    * 療養補償給付たる療養の費用請求書_業務災害用

    * 療養補償給付たる療養の費用請求書(薬局)_業務災害用

    * 療養補償給付たる療養の費用請求書(柔整)_業務災害用

    * 療養補償給付たる療養の費用請求書(はり・きゅう)_業務災害用

    * 療養補償給付たる療養の費用請求書(訪看)_業務災害用

    * 療養給付たる療養の費用請求書_通勤災害用

    * 療養給付たる療養の費用請求書(薬局)_通勤災害用

    * 療養給付たる療養の費用請求書(柔整)_通勤災害用

    * 療養給付たる療養の費用請求書(はり・きゅう)_通勤災害用

    * 療養給付たる療養の費用請求書(訪看)_通勤災害用

    * 検査に要した費用等請求書(非指定医療機関用)

    (2)会社に損害賠償請求できることも

    労働災害で病気やケガなどをした場合、労働者は労災保険の請求とは別に会社に損害賠償請求をすることができる場合もあります。

    会社には労働者の生命や健康を危険から保護するよう配慮する義務(安全配慮義務)があるからです。

    また会社が労働災害の事実を申告しない「労災隠し」をした場合も、抗議することができます。

     

    労災申請については、労働基準監督署に任せただけでは事実が十分明らかにならず、不十分な決定がされてしまうこともあります。

     
    ですから労災申請する場合や、会社に責任追及する場合には、できるだけ早く労災問題に詳しい弁護士に相談することを強くおすすめします。

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