会社のお金を横領|業務上横領で課される罰則とは?家族にも影響がでる??

会社のお金を横領 業務上横領で課せられる罰則とは?家族にも影響はでる? 不当解雇
不当解雇

「人のモノは盗ってはいけない」と小さい頃に1度は言われたことがあるのではないでしょうか?

業務上横領は簡単に言えば、会社のお金を使い込んでしまうことを言います。最初はちょっと借りるだけだったのかもしれません。しかし、些細な理由であれ業務上横領は立派な犯罪です。

もし、会社のお金を横領してしまったら、どんな罰則が課されるのでしょう?会社は辞めることになるのでしょうか?家族には迷惑がかかるのでしょうか?

1.業務上横領の刑罰は重い

横領には「単純横領罪」と「業務上横領罪」、「占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪)」があります。

単純横領罪 自身が保管する他者の所有物を自分のものにすること

占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪) 落とし物等、所有者から離れた財物を自分のものにすること

業務上横領罪は、業務として自身が管理している財物を自分のものにしてしまうことを言い、経理担当者などが経理担当者という立場を使い、会社のお金を使い込むなどが挙げられます。

単純横領罪は5年以下の懲役、占有離脱物横領罪は1年以下の懲役又は10万円以下の罰金ですが、業務上横領は、10年以下の懲役となります。

業務上横領の刑法条文

単純横領も業務上横領も、罰金刑がありません。つまり、起訴されることになれば、実刑となる可能性が高いです。横領はそれだけ重大な犯罪だと言えます。

2.示談になっても懲戒解雇の可能性が高い

業務上横領が公になれば、会社にとってもマイナスのイメージが生じてしまいます。

そのため、横領を犯した従業員が会社に弁済する形で示談とすることは少なくありません。しかし、示談が成立しても、そのまま雇用を継続してもらうということは難しいでしょう。一度崩れた信頼関係は取り戻すことが非常に難しいです。

さらに、状況によっては「懲戒解雇」に繋がる可能性があります。

-懲戒解雇は再就職が厳しくなる-

そもそも、会社が従業員を解雇するということは簡単ではありません。しかし、会社に対して著しい損害を与えた従業員に対しては、罰則として「懲戒解雇」を行うことが出来ます。

もちろん、横領は懲戒解雇の対象になりうる事由です。

懲戒解雇になると、離職料に「重責解雇」という記載が表示されます。ご自身が懲戒解雇になったことを隠して再就職を探そうとしても、重責解雇と記載された離職票によって、何かしら重大な事を犯して解雇になったと判断することが出来ます。

懲戒解雇による再就職は上記の理由から厳しくなると理解しておきましょう。

3.家族が会社の財物を横領したら・・・・

もし、ご家族の誰かが業務上横領を犯してしまったら、家族が責任を取る必要があるのでしょうか?

刑事責任においては、罪を犯した本人が償う必要があり、家族が刑事責任を追うことは原則としてありません。また、横領してしまった財物の総額を家族が代わりに弁済する責任があるということもありません。ただし、以下のようなケースの場合には、家族が責任を追う必要がある可能性があります。

身元保証人になっている

会社に入社する際に、身元保証書に保証人としてサインをしている方

*ただし、身元保証の効力は期間を定めている場合は最大5年、定めがない場合は3年となる

不当利得と判断される時

横領によって得た金銭を生活するための資金として遣われていた場合、不当利得となり会社側から横領によって得た金銭の返還を求められる可能性があります。

ただし、ご家族が横領によって得た資金であることは全く知らなかった場合は不当利得とならないと判断されることが多いです。

横領した家族が亡くなった場合

横領してしまった家族が亡くなってしまった場合、亡くなった人が負う損害賠償責任は相続対象となるため、相続人が賠償責任を果たす必要が出てきてしまう可能性があります。

相続によって取得する遺産は、現金や不動産などのプラスの資産だけではなく、亡くなった人の借金等の負債も含まれています。そのため、亡くなった方が負うはずだった損害賠償は相続人が引き継ぐことになってしまうのです。

このようなケースでは、相続放棄の手続きを行うことで、亡くなった方の相続に関する権利を放棄することが可能です。ただし、相続放棄の手続きはその方が亡くなったことを知った日から3カ月以内に行う必要があります。

まとめ

会社の財物を横領してしまった場合、業務上横領罪の実刑は10年以内の懲役です。示談になったとしても懲戒解雇になる可能性は非常に高いです。

もし、ご家族が横領してしまった場合、他のご家族がその方に変わって賠償責任等を負う必要はありませんが、状況によっては、ご家族にも責任が及ぶ可能性はあります。また、全く無関係であってもご家族が弁済するというケースも存在します。横領は、ご自身の将来だけでなく、家族にも辛い思いをさせてしまいます。

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