不当解雇
日本の法律では簡単に従業員を解雇することは出来ないと定められています。 従業員を解雇するには、しっかりとした決まりがあり、その条件を満たしていない限り解雇としては認められないのです。不当解雇はこうした法律や就業規則などの決まりに従わず会社が一方的に労働契約を解約する行為を言います。
2019.02.13

従業員による横領に対する会社としての責任は?

よくニュースなどで会社の従業員による横領の情報を目にすることが多いかと思います。

もちろん、会社としては横領を完全に防ぐことが出来るのであればそれに越したことはありません。しかし、現実には完全に横領を防ぐのは困難であり、少しでも横領が起きにくいような環境を作っていく必要があります。

そこで今回は、横領に対して会社が責任としてどのように対応するべきなのかを説明していきます。

1.会社で起きる横領の多くは業務上横領

横領には複数の種類が存在しますが、会社で発生する横領の多くは業務上横領に該当するケースがほとんどです。これは、従業員が業務上の都合で自分が管理している会社の金銭を無断で私物化することを言います。

業務上横領は被害金額が他の横領よりも高額になりやすく、発覚した時には従業員がその金額を使い切ってしまっていて回収が難しいことが多いという特徴があります。

ちなみに、横領とよく似た窃盗ですが、こちらは横領とは違って自らが管理していない会社の金銭を不正に取得することを言います。

2.業務上横領罪の責任

業務上横領罪については、刑法では「業務上自己が占有する他人の物を横領した場合は、10年以下の懲役に罰する」と定められています。また、場合によっては執行猶予がつく可能性もあります。

窃盗の場合は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっており、罰金刑の有無でも両者は異なっております。

横領罪の構成要件については下記記事を併せてご確認ください。

横領罪の構成要件とは?横領罪で逮捕されたらどうなるの??

3.横領を防ぐ為に会社ができること

ストップ

従業員の横領は完全に防ぐことはできませんが、会社が工夫することである程度起きにくくすることが出来ます。

(1)横領の責任を従業員に周知しておく

まず、会社の資産を横領した際にどのような責任が発生するか、従業員に周知しておくことが横領の被害を防ぐ第一歩だと言えます。

また、その際には漠然と責任が発生することよりも、明確に「10年以下の懲役」という形で従業員に認識させておくことでより横領を防ぐ効果があると言えます。

具体的な方法としては、業務マニュアルにその旨の文言を記載しておくくらいが良いかと思います。また、金庫などがあればその付近に訪販カメラを設置しておくのも効果があると言えます。

(2)会社の出費を管理する

横領を防ぐ為には、会社のお金がどこで使われてどのように入ってくるのかを管理している必要があります。まず、会社の出費に関してですが、出金伝票を使って管理するのがおすすめです。出金伝票には出費の日付と金額、内容、そして支払先などを記載します。

出金伝票を使用する際には、支払いの後よりも前に記載するのが良いでしょう。そして、もし従業員に出費の必要がある場合は、出金伝票を記載し、上司からのサインをもらったうえで経理担当者に渡すことでその額を支払うことが出来るという仕組みを作れば横領の防止の効果があります。

また、出金伝票だけでなく領収証も経理担当者に渡すようにするのが良いでしょう。領収証は出金伝票とは違って取引先が発行するものであり、より信用度が高いからです。

このように、会社の出費に関しては支払いまでにある程度の人数を経由するようにしておくことで横領をしにくくなります。

(3)会社への入金を管理する

会社の出費と同様に、入ってくるお金の管理も重要です。

ここでは、会社の売上の計上担当者と郵便物の開封や請求書の発行を分けるのが効果的です。これは、横領後の証拠隠滅を防ぐ効果があります。また、小売店などであればレジに入っているお金は毎日銀行に預け入れるようにしましょう。

(4)残金の管理

会社の残金に関しては、出金伝票および入金伝票の金額と預金通帳の記録を照らし合わせ両社が合っているかを確認する習慣を作ります。この作業は出来るだけ複数人で行い、確認を重ねることが大切です。

(5)人事異動を定期的に行う

もし上記のようにお金の管理を複数人で行うようにしても、共謀して横領されたら意味がありません。そのため、定期的に人事異動を行い、横領したとしてもすぐに明るみに出るようにしておきます。

横領は再犯されることが多い犯罪ですので、人事異動を頻繁に行うことで横領の再犯を防ぐことが出来ます。

4.まとめ

会社で横領が発生した場合、会社にとっては大きな損害になります。また、その後の捜査や裁判なども考えると非常に解決に労力を要します。

そのため、会社としては横領が発生する前に防ぐことが出来る制度を整えることが重要です。上記に示した例はほんの一例ですが、もし会社を経営されている方で横領が心配な方はこの機会に社内のシステムを見直してみてはいかがでしょうか。

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