不当解雇
日本の法律では簡単に従業員を解雇することは出来ないと定められています。 従業員を解雇するには、しっかりとした決まりがあり、その条件を満たしていない限り解雇としては認められないのです。不当解雇はこうした法律や就業規則などの決まりに従わず会社が一方的に労働契約を解約する行為を言います。
2017.11.18

不当解雇を撤回させる方法と弁護士へ相談するメリット

 

昨今「自分がどうして解雇されたのか分からない」というケースが増加しています。

けれども、正当な理由のない解雇は「不当解雇」であり、無効とすることができます。

解雇が無効であるならば、解雇を撤回させることができますし、場合によっては慰謝料を請求できるケースもあります。

 

ここでは、さまざまな解雇の種類ごとに、解雇の条件を満たしているか、正当な解雇の手続きを行っているかなどについて確認したうえで、会社に対処する方法、弁護士に相談するメリットなどについてご紹介します。

 

1.不当解雇が増えている

昨今、「明日から会社に来ないでいい」とか「辞めてくれないか」と会社に突然解雇されるケースが相次いでいます。

しかしなかには「自分がどうして解雇されたのか分からない」というケースも多いのです。

 

「明日から会社に来ないでいい」と言われると、なかなか冷静になれず、言われるがままに退職届を提出してしまったり、解雇予告手当を請求してしまって結局解雇を受け入れてしまうケースもあります。

しかし、会社が労働者を解雇するためには、法律上厳しい要件が規定されていて、この要件を満たさない解雇は撤回させることができます。

 

なお、解雇とひとくちに言っても、さまざまな種類の解雇があります。

ここでは、解雇の種類ごとの特徴、要件、対処方法や注意点についてご紹介します。

 

(1) 退職勧奨・退職強要の場合

多くの人が「明日から会社に来ないでいい」と言われると、「解雇になった」と思い込んでしまいます。

しかし「明日から会社に来ないでいい」と言われたとしても、それは実際には解雇ではなく、「退職勧奨」である場合がほとんどです。

退職勧奨とは、会社から労働者に「やめてもらえないか」とお願いすることです。

退職勧奨である場合には、退職することについて納得できないのであれは、このお願いに応じる必要はありませんし、退職届を出す必要はありません。

もしこの時点で退職届を出してしまうと、きっかけは会社にお願いされたからだとしても「自分からやめる」(※自己都合退職)と同じになってしまいますので、注意しましょう。

 

また、執拗に退職勧奨を受けた場合には「退職強要」となり違法となるケースもあります。

 

退職勧奨を受けた場合には「これは解雇ですか」と確認してください。その際に会社がはっきり回答しない場合には、そのまま働き続けても何ら問題はありません。

 

なお、もし退職勧奨に応じて自ら納得して退職する場合には、退職届の退職理由に「退職勧奨を受けたため」と明記しましょう。

この退職理由によって、失業保険の給付内容に大きな差が出るからです。

(2) 普通解雇の場合

普通解雇とは、労働者側に債務不履行がある場合に、それを理由として将来的に労働契約を解消する行為です。

ここでいう債務不履行とは「能力不足で仕事ができない」「遅刻や欠勤が多い」「協調性がない」などの理由が挙げられますが、その内容が社会通念に照らして妥当でない場合には、不当解雇に当たる可能性があります。

 

ちょっとサボったとか、やむを得ないミスをしてしまった、程度では解雇は認められません。また、病気やけが、出産など一定の場合には、解雇は禁止されています。

 

もし「能力不足を口実に解雇する」と言われた場合には、メールのやり取りや上司からの業務指示の内容などを証拠として確保しておきましょう。

ブラック企業のなかには、到底達成できないようなノルマを課しておいて、「ノルマを達成できないなら解雇したのだ」などと主張するようなブラック企業も存在するからです。

 

ですから、解雇すると言われても落ち込む必要はありません。まずは冷静に正当な理由があるのかをじっくりと見極め、会社に解雇理由証明書を請求しましょう。

解雇理由証明書を請求しておかないと、後々解雇が問題になった場合に、会社が解雇理由をでっちあげてくる危険があるからです。

 

なお、会社が労働者を解雇する場合には、30日前に解雇予告をしなければなりませんし、もし解雇を予告しないで突然解雇する場合には、30日分の平均賃金(解雇予告手当)を支給しなければならないとされています。

もし解雇予告もせず、解雇予告手当も支払わずに労働者を解雇するようであれば、違法となる可能性がかなり高いので、すぐに弁護士に相談しましょう。

(3) 懲戒解雇の場合

懲戒解雇は、最も重い懲戒処分です。

懲戒解雇では、会社は解雇予告手当を支払う必要がなく会社への負担が少ないので、労働者への嫌がらせをして懲戒解雇し、会社の負担を軽くしようとするケースもあります。

しかし、懲戒解雇は罰を与えるという意味合いを含む懲戒処分であり、懲戒解雇が認められるためには、会社に嘘をついていたとか、長期にわたり無断欠勤したとか、会社の重要な情報や商品を持ち出すなど、会社に大きな損害を与えたりしたケースに限られます。

 

もし会社にそれほどの損害を与えていない場合には、懲戒解雇を正当化するだけの事情がないとして、解雇を撤回させることができます。

 

ですから後々の証拠とするためにも、解雇理由証明書をすぐに請求し、「いつのどのような行為を理由として、懲戒解雇としたのか」「その行為は就業規則の何条に該当しているのか」などを明らかにしましょう。

 

もし後々裁判制度を利用したりした場合に、「違法な懲戒解雇である」と判断された場合には、懲戒解雇された後の賃金を支払うよう請求することができます。

(4) 整理解雇の場合

整理解雇とは、会社の経営がうまくいっていないことを理由とする解雇なので、通常の解雇より厳格な要件が規定されていて、裁判上のルールである「整理解雇の4要件」に該当しない整理解雇は無効となる場合があります。

 

~整理解雇の4要件~

* 人員削減の必要性

人員削減を実施する際に不況、経営上の必要性が強く求められていることが必要です。

 

* 解雇回避努力

賃金カットや経費削減など、解雇を回避するために努力したことが求められます。

 

* 解雇される人の選定の合理性

解雇される人を選定する際には、客観的で合理的な基準を設定することが必要です。

 

* 手続きの妥当性

労働者と誠意を持って協議し、労働者の納得を得るよう努力をし、正当な手続きを行う必要があります。

 

しかし、これらの4要件の1つでも満たさない整理解雇が、すぐに「無効」と判断されるわけではなく、実際にはいろいろな事情を考慮して判断されていくことになりますし、法律家によって見解が分かれることもありますので、早めに弁護士に相談してみましょう。

2.解雇を撤回させ、損害賠償請求するためには弁護士に相談!

不当解雇ではないかと思ったら、早めに弁護士に相談しましょう。

弁護士への相談は、敷居が高いと感じられる方も多いでしょう。

実際、「弁護士に相談する問題なのか、判断できずに相談を躊躇してしまった」と弁護士に相談しなかったために、解決方法が分からないまま泣き寝入り方も多くいます。

しかし、弁護士が介入したとたん、会社が解雇を撤回してきたケースが多々ありますし、場合によっては損害賠償を請求をすることもできます。

(1) 証拠を集める

「不当解雇である」と主張するためには、自分に有利な証拠を確保することが何よりも重要です。

どのような業務を行ってきたのかが把握できる資料や、上司と面談した際の録音、上司とやり取りしたメール、日記など、積極的に証拠を集めるようにしましょう。

(2) 弁護士に相談

また、もし今会社から嫌がらせを受けているような状況であれば、精神的なダメージを受ける前にいったん仕事から離れることも考えましょう。いたたまれなくなり「退職」を言い出してしまう人もいますが、「休みます」と言って休めばいいのです。

そして、なるべく早く弁護士に相談して下さい。

 

不当解雇を解決する方法はひとつではありません。

弁護士に相談すれば、弁護士と一緒に無理のない方法で、解決方法を探すことができるのです。

裁判制度を利用しないでも、弁護士が介入するだけで、解雇が撤回されるケースも多々あります。

それに、労働者個人で会社と交渉するというという、大きなストレスから解消されることにもなります。弁護士が最大の味方となって、労働者とともに会社と戦ってくれるのです。

 

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