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失業保険をもらうためには、いろいろな手続きや書類が必要となりますが、そのなかでも、最も重要な書類が、離職票(雇用保険被保険者離職票)です。
離職票がないと失業保険をもらうことができませんので、もし退職後2週間以上経っても離職票が送られてこない場合には、会社に問合せてください。
※失業保険は、現在では正式名称を「求職者給付の基本手当」と変更しています。
しかし一般的には、今でもかつての呼称である「失業保険」を使うことが多いので、読者の皆様に分かりやすいように、ここでも失業保険と呼ぶことにします。
1.退職後の流れ
労働者が退職すると、会社はその社員が退職した日の翌日から10日以内に、「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険日保健者離職証明書を」会社を管轄するハローワークに届け出る必要があります。
【退職日当日以降の大まかな流れ】
* 退職日当日
・健康保険証を返却する
・健康保険・厚生年金保険資格喪失連絡票を受け取る
・源泉徴収票を受け取る
* 健康保険の切替え
国民健康保険または任意継続または扶養家族等への切替え手続きを行う
* 年金の切替え
国民年金の切替え手続きを行う
* 離職票の受領
離職票を受け取る
* 失業保険の手続き
ハローワークに出向き、失業保険を受け取るための手続きを行う
(1)離職票を受け取る
離職票には、雇用保険被保険者離職票-1(離職票-1)と、雇用保険被保険者離職票-2(離職票-2)があります。
会社から離職票を受け取る際には、離職票-1と離職票-2をかならずセットで受け取るようにして下さい。
会社によっては、離職票-1(資格喪失確認通知書)しか交付しない会社もあるようですが、離職票-1だけでは失業保険を受け取ることはできません。
離職票-1しかない場合には、「離職票-1と離職票-2の両方をください」と請求するようにしましょう。
(2) ハローワークで手続きする
労働者は離職票や、雇用保険被保険者証、身分証明書などを持参して、ハローワークで求職の申し込みをする必要があります。
失業保険は、「失業状態である」と認定されて初めて受け取ることができますが、単に失業しているだけでは受け取ることができません。
この場合の「失業状態」とは、働く意思と能力があるにもかかわらず失業状態にあることをいいます。
ですからハローワークで求職の申し込みをしなかったり、ハローワークが紹介する職業紹介を正当な理由なく拒んだりすると、失業保険をもらうことができなくなってしまいます。
【失業保険をもらうための2つの要件】
* 失業状態であり、ハローワークに求職の申し込みをすること
* 雇用保険の加入期間が退職前2年間のうちで、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が12か月以上あること
※但し会社都合退職の場合や特定受給資格者(病気や出産、家族の転勤などが理由で退職せざるを得ない人)の場合には、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が6か月以上あればOKです。
2. 離職票とは
離職票とは、失業保険を受給するときに最も重要な書類です。
離職票には、労働者の退職直前12か月間の給与の金額や退職理由が記載されていて、失業保険の日額や給付日数を決めるうえで大変重要になります。
(1)」 離職票のチェックポイント
離職票-1には、被保険者番号や離職年月日などが記載されている他、振込みを希望する金融機関名を記載します。
記載事項に間違いがないか、確認しましょう。
離職票-2でぜひチェックしたいのが「離職理由」と「賃金支払い状況等」です。
離職理由が会社都合退職の場合や特定受給資格者の場合には、失業保険の3か月の給付制限期間がなく失業保険が支給されます。
ですから、会社都合退職なのに「自己都合退職」と記載されていないか、確認してください。
また、失業保険は原則として直近半年の賃金額をもとに支給額を計算することになっているので、「賃金支払い状況等」もしっかり確認するようにしましょう。
この「賃金支払い状況等」には、残業代や通勤手当も含まれることになっているので、それらの手当がきちんと含まれているか、確認するようにしましょう。
(2) 離職票が送られてこない時は
退職後2週間以上過ぎても会社から離職票が送られてこない場合には、会社に問い合わせてみましょう。
退職手続きが進んでおらず退職したことになっていなかったり、マンション名が記載されていなかったために、他人のポストに配達されてしまったというケースもあります。
なお、会社に離職票の発行を依頼しているのに手続きしてくれない場合には、ハローワーク事情を説明すると、ハローワークの担当官が会社に対して催促してくれます。
失業保険は退職後すぐに支給されるわけではありません。
離職票が発行されハローワークに申請し、7日間の待期期間+給付制限期間(自己都合退職の場合には3か月)を経てから支給されます。
安心して就職活動を行うためにも、離職票は早めに交付してもらうようにしましょう。
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