過労死
過労死とは働きすぎることが原因となり、死亡に至る事を言います。長時間労働(ひと月の残業が80時間を超える)により、心身に負担がかかりそれに伴う突然死(心筋梗塞や脳内出血等)や心因性ストレスにより自ら命を絶つことも過労死と認定されます。
2017.12.19

脳・心臓疾患だけじゃない!過労死と認定される病気

 

 

過労死については、厚生労働省などで通達という形で「認定基準」を設けていて、「脳血管疾患および虚血症心疾患等の認定基準」という新たな基準を定めています。

認定基準では、業務上の過重負荷によって発症しうる脳・心臓疾患をある程度限定していますが、病名不明でも、過重負荷が原因とされる場合には、過労死と認定されることがあります。

ここでは、病名が不明である場合や、もともとの持病が悪化した場合でも、過労死と認定されるケースについてご紹介します。

1. 過労死とは

過労死とは、業務上の過重負荷(働き過ぎ)が原因で、心身の健康が損なわれ、死に至ることを指します。

昨今、脳・心臓疾患にかかわる労災請求件数は900件を上回る年もあり、深刻な社会問題となっています。これに対する労災の支給決定件数も増えてはいますが、それでも年間数万人が過労死をしているという実情からすれば、残念ながらまだまだ十分な補償がなされているとは言い難い状況が続いていることになります。

厚生労働省が通達で定めた認定基準では、過労死について業務上の過重負荷によって発症しうる脳・心臓疾患を以下の疾患に限定しています。

ただし、認定基準によって判断される疾病としては、下記のとおり限定されてはいるものの、喘息による死亡の場合も、発症前に過重な業務があったと認められた場合には、過労死と認定されたケースもあります。

 

~業務上の過重負荷によって発症しうる脳・心臓疾患~

 

【1】脳血管疾患

* 脳内出血

* くも膜下出血

* 脳梗塞

* 高血圧脳症

 

【2】虚血性心疾患等

* 心筋梗塞

* 狭心症

* 心停止

* 解離性大動脈瘤

(1) 病名不明でも過労死と認定されることも

「原因は不明だが、急に心臓が停止した」というような急性心不全の場合には、心筋梗塞など認定基準で規定されている対象疾病から発症することもありますが、それ以外が原因で発症することもあります。

過労死と認定する際に問題となるのが、心筋梗塞など認定基準で規定されている対象疾病なのか不明な場合です。

しかし、認定基準では、「対象疾病以外の疾病であることが確認されたのでなければ、認定基準による判断をしても差し支えない」としています。つまり、「原因は不明だが、急に心臓が停止した」というような急性心不全の場合でも、対象疾病以外の疾病が原因で発症したのだということが確認されない限りは、認定基準に沿って判断され、過労死と認定される可能性があります。

 

「脳卒中の場合」も、認定基準で対象疾病とされている脳内出血やくも膜下出血が原因で発症したか不明な場合があります。

しかし、「脳卒中の場合」も上記の「原因は不明だが、急に心臓が停止した」という場合と同様に対象疾病以外の疾病が原因で発症したのだということが確認されない限りは、認定基準に沿って判断されますので、過労死と認定される可能性があります。

 

過去の判例では、突然倒れて病院に搬送され、その後数時間後に死亡した事案で、死因となった疾病は確定されていないため、医師の見解や、生前の健康状態、業務の内容などが亡くなった方に与えた負荷の程度、志望に至った状況などを経験則に照らして総合的に判断すべきとして、業務と死亡との因果関係を認めた判例があります(大分地裁 平成18年6月15日)。

(2) 喘息よる死亡もが「過労死」と認定されることも

喘息など、元々の持病が悪化して死に至った場合でも、過労死と認定される場合があります。

しかし、前述した認定基準は、あくまで脳・心臓疾患について過重な業務と発症との因果関係が認められるケースを類型化したものに過ぎません。

しかたって、認定基準で対象疾病と示されていない場合には、個々の事情に基づいて判断していくことになります。

 

過去の判例では、自動車学校の教務係長が、自宅で気管支喘息の発作を起こし、急性呼吸不全により亡くなった事案で、業務上であることを認めています(札幌地裁 平成20年3月21日)。

2.過労死とあると思ったら

過労死と認定された場合には、労災申請することで遺族に対して遺族(補償)給付が年金または一時金として支給される場合がありますし、葬儀を行う人に対して葬祭料が支給されます。

また、会社に対して損害賠償を請求できることもあります。

(1) 労災申請できる

過労死ではないかと思ったら、労災申請を検討しましょう。

過労死と認定された場合には、遺族に対して遺族(補償)給付や葬祭料が支給されます。

 

遺族(補償)給付とは、被災労働者(本人)が亡くなった時に、その遺族を補償するための給付です。

被災労働者(本人)が仕事中または通勤途中に亡くなった場合に、残された遺族の生活を保障するために年金または一時金として支給されます。また、葬儀を行う人に対して葬祭料が支給されます。

(2) 損害賠償を請求できる

過労死・過労自殺が「仕事が原因」と認められた場合には労災認定され、会社に対して損害賠償を請求できる可能性があります。

過労死や過労自殺の事例で会社に損害賠償請求する事例では、最近はかなり高額の事例が増えています。

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