パワハラ
パワーハラスメントとは職場内での立場や人間関係などを利用し、業務範囲を超えて精神的苦痛や身体的苦痛を与える行為やその行為により職場環境を悪化させることを言います。一般的に上司から部下というイメージがありますが、先輩・後輩間、同僚同士、部下から上司に対しての行為でも該当することがあります。
2017.09.01

パワハラ(パワーハラスメント)に関する法律

パワハラの問題は、ここ2~30年の間に労働問題としてクローズアップされてきた問題なので、現状はパワハラを直接取り締まる法は存在しません。

ただしパワハラを含めるハラスメントの問題は、「どのような行為が個人の尊厳を傷つける行為なのか」「なぜ、その行為が問題なのか」「どこからがハラスメントなのか」というボーダーラインの問題も含め、これからますます議論が必要な問題といえますので、これからパワハラを具体的に取り締まる法律が施行される可能性はあるでしょう。

現状はパワハラ被害が起こった場合には、加害者や会社に対して民事上の損害賠償を行ったり、加害者に対しては加害者に対する刑事処罰を求めていくことになります。

ここでは具体的にパワハラ加害者には、法律上どのような責任が生じるかについてご紹介します。

1.パワハラ(パワー・ハラスメント)とは

職場のパワハラ(パワー・ハラスメント)とは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性などを背景にして、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。

 

パワハラは人権侵害の問題ではありますが、同じことをしてもパワハラになったりならなかったりしますし、どこからどこまでをパワハラというのかそのボーラ―ダインも明確でないため、実際にはケース・バイ・ケースで判断されていくことになります。

「パワハラを直接取り締まる法」はない

現状は、パワハラを直接取り締まる法は存在しません。

ですからパワハラ被害があった場合には、その被害内容に応じて、名誉毀損罪や侮辱罪などの刑事責任を追及したり、民事上では不法行為に基づく損害賠償請求を行っていくことになります。

 

2. パワハラ加害者の法的責任

パワハラの加害者は、不法行為責任に基づく損害賠償責任を負うほか、名誉棄損罪や侮辱罪、暴行罪などの刑事責任を追及されることもあります。

(1) 不法行為責任(民法709条)

パワハラの行為者(加害者)は、民事上は不法行為責任(民法709条)に基づく損害賠償責任を負うことになります。

民法の規定では、他人に損害を与えた場合には損害賠償責任を負わなければならないことになっています。

 

パワハラの被害者が、加害者の行為によって精神的な苦痛という損害を受けていますし、暴力をふるわれてケガをした場合には、身体的な苦痛という損害も受けているからです。

 

またパワハラの被害に遭ったために、パワハラの被害者が休職したり退職をせざるを得なくなって被害者の収入が減少した場合には、その減少した金額の給料を損害賠償金として支払う必要もあります。

(2) 刑事事件として犯罪となることもある

パワハラの加害者は、場合によっては刑事責任を負う可能性があります。

パワハラの加害者が暴行行為を行った場合には、暴行罪や傷害罪の刑事責任を負いますし、パワハラが行われる際に被害者の名誉を傷つけるような言動を伴っていた場合には、名誉棄損罪や侮辱罪などの刑事責任を負う可能性もあります。

3. 会社の法的責任

パワハラ被害に遭った場合には、被害者は加害者の刑事責任を追及したり、損害賠償を求めて民事で訴訟を起こすことができますが、会社に対しても債務不履行責任や使用者責任を追及することができます。

 

(1) 債務不履行責任(民法第415条)

会社には、労働契約に付随して、労働者に対して「働きやすい職場環境を作る義務(職場環境配慮義務)」があります。そこで、この職場環境配慮義務を怠ったとして、債務不履行責任に基づく損害賠償責任を負います。

(2) 使用者責任(民法第715条)

会社には使用者責任があるため、従業員が業務のなかで第三者に損害を与えた場合には、従業員とともに損害賠償責任を負います。

3. パワハラは許してはいけない行為

日本の企業では、従業員を厳しく教育するのは必要な行為だと認識されていた面もあり、これまでパワハラは社会問題として、顕在化することはありませんでした。

そこで、これまでと同様の叱咤激励が、なぜいきなり「それはパワハラだ」と非難され始めたのか、理解できないでいる人もいます。

 

しかし、これまでの偏見や固定観念こそが、時代とともに見直されなければなりません。パワハラは、決して「「教育指導」ではありません。労働者の人格や尊厳を傷つける行為であり、決して許されない行為なのです。

 パワハラの被害に遭った場合は

パワハラの被害に遭った場合は、被害者は会社に対してパワハラを止めるよう申し入れることができます。

また前述したように加害者や会社に対して損害賠償請求することもできます。

 

「これはパワハラではないか」と思ったら、すぐに弁護士などに相談して、パワハラがあったことを証明するために必要な証拠を押さえるようにしましょう。

 

そして会社の窓口や労働組合に相談して、パワハラが行われないような職場環境の改善を求めてみましょう。

 

なおもし今、「朝起きるのが辛い、どうしても憂鬱で仕事に行けない」などを感じるような状態であれば、我慢しないですぐにメンタルクリニックを受診して会社を休みましょう。

そして気分が少し回復してきたら、パワハラ問題に詳しい弁護士にぜひ一度相談してみることをお勧めします。

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