パワハラ
パワーハラスメントとは職場内での立場や人間関係などを利用し、業務範囲を超えて精神的苦痛や身体的苦痛を与える行為やその行為により職場環境を悪化させることを言います。一般的に上司から部下というイメージがありますが、先輩・後輩間、同僚同士、部下から上司に対しての行為でも該当することがあります。
2018.02.11

スモハラ(スモークハラスメント)問題のまとめ

「同僚社員が会議中に喫煙するため、副流煙にさらされ、体調を崩した」「職場の飲み会で喫煙者がいるため、喉を傷めた」など、受動喫煙(他人のたばこの煙を吸わされること)の問題は大きな社会問題となっています。

 

ここでは、職場での受動喫煙問題スモハラ(スモークハラスメント)の基礎知識についてご紹介します。

1. スモハラ(スモークハラスメント)とは

スモハラ(スモークハラスメント)とは、「喫煙に関する嫌がらせ行為」という意味の造語です。

かっては喫煙についても比較的寛容でしたが、たばこの害が健康に与える影響が明らかになるにつれ、社会の意識も大きく変化し、スモハラ(スモークハラスメント)は、一般的に家庭や職場で大きな問題となっています。

(1)健康増進法25条

受動喫煙に対する社会の意識は変化したことを受けて、平成15年には健康増進法が施行されました。健康増進法25条では、受動喫煙防止対策の努力義務が定められています。

 

 

~健康増進法25条~

 

学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2.スモハラ(スモークハラスメント)裁判

たばこの害が健康に与える影響が明らかになるにつれ、社会の意識も大きく変化し健康増進法が制定された時期と前後して、受動喫煙をめぐる裁判紛争も発生しています。

(1)嫌煙権事件

京都簡易保険事務センター嫌煙権事件では、最終的には安全配慮義務に違反していないという判断がされたものの「受動喫煙の危険性を考慮すると、受動喫煙を拒む利益も法的保護に値するものとみることができ、その利益が違法に侵害された場合には損害賠償を求めることができる」とし、それにとどまらず「人格権の一種として、受動喫煙を拒むことを求め得ると解する余地も否定できない」と判断しています(京都地裁 平成15年1月21日)。

(2)受動喫煙損害賠償事件

江戸川区受動喫煙損害賠償事件では、労働者から受動喫煙による急性障害が疑われるとの診断書を受けたにもかかわらず、速やかに職場環境を改善しなかったことについて、安全配慮義務違反を認定し、損害賠償を認めています(東京地裁 平成16年7月12日)。

 

また、平成21年4月には、職場での受動喫煙が原因で化学物質過敏症になったとして、北海道砂川市の男性が建設資材製造会社を相手取り慰謝料など約230万円の支払いを求めた訴訟で、会社側が男性に700万円を支払うことで和解しています。

3.スモハラ(スモークハラスメント)対策

健康増進法の施行や裁判、社会の意識の変化を契機として、会社でも受動喫煙対策を進めるところが増えていますが、実務上では「どの程度まで行えば、十分な受動喫煙対策といえるのか」については、まだまだ議論の余地があるところです。

(1)労働安全衛生法の改正

平成26年には労働安全衛生法が改正され、受動喫煙について新たに条文が制定され、平成27円6月1日から施行されています。

 

 

~労働安全衛生法68条の2~

事業者は、労働者の受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。第71条第1項において同じ。)を防止するため、当該事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

 

 

労働安全衛生法68条の2でいう「適切な措置」とは全面禁煙や喫煙室の設置による空間分煙等があります。

方法としては、エリアを分ける、エリアに仕切りを設ける、喫煙室として個室を設ける、フロアごとに喫煙室を設けるなどさまざまな方法が考えられます。

 

対策のポイントとして大切なのは2つで、まずは喫煙スペースから非喫煙スペースにたばこの煙が異動するようなことがないこと、そして喫煙スペースの空気環境を良好に保つことです。

そのためには排気口や給気口の一についても配慮しなければなりませんし、空調設備の位置も再考する必要が出てきます。また、禁煙スペースに適した床材、壁材を使用するなどについても検討を進めなければならないでしょう。

 

前述した労働安全衛生法68条の2は努力義務ではありますが、たばこの煙が健康に与える影響が明らかになった以上、受動喫煙対策を一切行わないというのはもちろん適切ではありません。また職場の飲み会での受動喫煙問題も増えてきていますので、職場に分煙施設を設置したからといって、それで受動喫煙対策を十分行ったとも言えないという点にも注意が必要です。

効果的な受動喫煙対策を実現するためには、受動喫煙による健康への影響を理解し労働者にも周知し、ルールを遵守するよう促していくことも重要なのです。

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