パワハラ
パワーハラスメントとは職場内での立場や人間関係などを利用し、業務範囲を超えて精神的苦痛や身体的苦痛を与える行為やその行為により職場環境を悪化させることを言います。一般的に上司から部下というイメージがありますが、先輩・後輩間、同僚同士、部下から上司に対しての行為でも該当することがあります。
2018.02.14

近年増加する部下から上司へのパワハラ「逆パワハラとは」

パワハラと言うと、上司が部下に対して権威や権力を利用して嫌がらせなどを行う行為という認識がありますが、近年、部下から上司へのパワハラが「逆パワハラ」が問題となっています。

もし、自分の部下や後輩から「逆パワハラ」を受けた場合、どう対処したらよいのでしょうか?実際に「逆パワハラ」に該当する嫌がらせはどのような行為となるのでしょうか?

悪気はないと思っている行為も実は「ハラスメント」になっているかもしれません。

1.逆パワハラとは

そもそも逆パワハラとはどういったものなのでしょうか。一般的なパワハラとの違いを確認してみましょう。

厚生労働省は以下のような行為をパワハラと定義しています。

パワハラの定義

 

逆パワハラは、この定義の2の部分が異なります。

上司は基本、部下に対する監督権・指導権を持っています。そのため部下は上司に対して職務上の地位に関して優位にはありません。

典型的な「逆パワハラ」の例としては、部下の専門知識の優位や人間関係を利用しての逆パワハラが挙げられます。

上司は権限を用いてパワハラをする部下を会社の上層部へ報告することもできますが、上司として不適格だという烙印が押されるのを恐れて相談できず、一人で抱え込んでしまうケースが多々あります。上司には逆パワハラを含む様々な問題に対する対処するスキルが求められています。

2.逆パワハラの4つの典型例

逆パワハラには大きく4つに分けられます
逆パワハラの分類4つ

(1)逆パワハラ「脅迫」

上司の行為に対して部下が過剰に「パワハラ」、「セクハラ」など言ってくることがこれに当たります。

仕事を任せたら「パワハラ」、飲み会に誘ったら「パワハラ」、残業が発生したら「パワハラ」と何かにつけては「パワハラ」という言葉を盾に、人事部や裁判をちらつかせての脅迫は「逆パワハラ」に当たります。

(2)逆パワハラ「無視」

部下から無視されたり、部署内での集まりに呼んでもらえなかったりすることがあるようです。さらに酷くなると頼んでいた仕事をしない、自分あての連絡を取り次いでもらえないなども行われているようです。

(3)逆パワハラ「名誉棄損」

部下が上司に職務上の能力や身体的特徴を馬鹿にするといったことが行われているようです。

実例としては、部長失格と非難された、社内・外に中傷したビラをまかれた、根も葉もない悪口を言いふらされたなどがあるようです。

(4)逆パワハラ「暴力」

あまり多くはないようですが、部下から殴る蹴るなど刑事事件になりうる暴力を受けたという例もあります。

3.逆パワハラが広がった原因

逆パワハラが増えつつある背景には以下の3つの要因が考えられます。

(1)産業構造の変化

2000年代から、製造業などの第二次産業が減少し、情報サービス業を含む第三次産業が増加傾向にあります。情報サービス業等の場合、従来の知識よりも新しい情報が有利となるため、情報収集能力の高い、若手社員の方が優位となるという逆転が起きやすくなります。これは、インターネットの普及により、様々な情報を仕入れられるようになったことも一因として考えられます。

デジタルネイティブと呼ばれる世代が社会に出始めている近年この傾向はますます増大すると予想されます。

(2)上司を評価する制度の導入

最近人事評価で流行している多面評価と呼ばれるいわゆる「360度評価」の導入により、部下が上司を評価する対象とみなし始めたことも原因であると考えられます。

この「360度評価」の導入により、部下は強気になり、一方で上司は部下の評価を気にして低姿勢になり地位の逆転が起こることがあるようです。

(3)年功序列から実力至上主義へ

IT企業のように日進月歩で技術が進歩している会社においては、上司よりも実力が高い部下が現れています。自分よりも実力のない上司に対して、軽視や反発をする部下も増えているようです。

4.逆パワハラが起きやすい職場

逆パワハラが起きやすい職場には傾向や条件があるようです。その特徴としては次のようなものがあります

(1)上司一人に対する部下の数が多い

部長などの中間管理職や、店舗の責任者などが逆パワハラに遭いやすいといわれています。一つのコミュニティに上司が一人しかいない場合、ストレスが上司に向けられやすくその結果逆パワハラが起きていると考えられます。

(2)部下との間にスキルの差が少ない会社

技術の機械化や情報化に伴い、人間が行う作業の重要性が下がっている職場環境では、上司と部下の能力差が出にくくなっています。そのような職場では部下が上司を軽んじたり、逆に上司が部下に強い態度をとれなかったりすることが原因となります。

(3)部下が若い世代に偏っている

部下の年齢が若い世代に偏っていることで部下間の連帯感は強くなる半面、上司と部下の間のコミュニケーションは取りづらくなり、上司が疎外されてしまうことが原因になると考えられます。

5.逆パワハラを受けた時の対処法

悩むサラリーマン

部下から嫌がらせを受けていると感じたら、まずは部下と話をすることが一番望ましいです。しかし部下からの嫌がらせが悪質な場合には対処法を考えましょう。

(1)現場のマネジメント問題として対処する

上司は部下への監督・指導権限がありますが、これは権利であると同時に義務でもあります。

管理職として、業務を遂行しない部下や指示に従わない部下は毅然とした態度で対応しましょう。

上司の指示に従わない場合、規則違反となるので人事や自分の上司に報告し適当な罰則を与えることが自分のためにも会社の運営にも得策であると考えましょう。

(2)管理職として職場環境を整える

マニュアル通りにしか行動できないタイプの人もいます。また規則に従わない部下はその点を指摘して人事に具体的に報告することもできます。

業務がうまく回っていないことが逆パワハラの原因だと思われる場合には、業務マニュアルを徹底させることを考えてみましょう。

(3)一人で抱え込まずに相談する

(1)、(2)のような対策では改善されない悪質なパワハラは社内や外部の相談窓口に相談してみましょう。

相談先としては、

・会社の相談窓口

・労働基準監督署

・労働組合

・弁護士

などが考えられます。

相談する際には証拠をしっかりと残したうえで相談しましょう。

6.まとめ

「逆パワハラ」を含め、ハラスメントは本来あってはならないことです。犯罪行為と異なり、ハラスメントは嫌がらせの範囲にとどまることも多く、積極的に動かなければ解決が難しい問題です。一人で抱え込むと精神的に追い詰められることもある悪質な「逆パワハラ」という問題は放置してはいけません。

周囲の人に相談したり、外部の機関に相談したりすることで、早期の解決を図りましょう。

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