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会社で働いている以上、毎日定時までに仕事が終わるとは限りません。特に繁忙期などの忙しい時期なら、残業もそれなりに多くなってしまうのではないでしょうか。
残業をすれば残業代を貰う権利を労働者は持っています。しかし、中には残業をしたのにも関わらず残業代を貰えないサービス残業の状態になっている会社もあるそうです。
今回は、そのようなブラック企業にありがちなサービス残業について説明していきます。
1.サービス残業は違法行為
サービス残業は違法行為です。
労働基準法では労働者が1分でも残業をすれば、残業代を貰えることになっています。
そして、もしこの規則を守らなければ6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金となっています。
もっとも、刑事罰は非常に悪質な労働基準法違反の場合のみ適用されます。
しかし、サービス残業は労働基準法違反であり、労働者にとってはシリアスな問題だと言えます。
2.サービス残業が発生する原因
(1)経営者が労働基準法に無知
中小企業では経営者が労働基準法をしっかりと理解していないケースがあります。そのため、みなし残業代や裁量労働制などを使えば残業はやらせ放題だと勘違いしている経営者は依然として多いのが現状です。
もちろん、みなし残業代や裁量労働制、名ばかり管理職、年俸制などを適用していたとしても残業代を支払わなくてもよいわけではありません。みなし残業以上に残業をしたり、1日8時間という法定労働時間を超えた分に関しては残業代が発生します。
また、従業員も労働基準法に無知なこともあります。そのようなケースでは、サービス残業をすることが職場内で当たり前となってしまい、改善されることがないまま放置されます。
(2)上司からの強要
コストカットなどを理由に上司や経営者からサービス残業を強要されるケースもあります。
直接上からサービス残業をするように言われたり、サービス残業をせざるを得ない状況に従業員を置いたりなどその手法はさまざまです。
従業員も、「周りもみなやっている」、「会社の方針で逆らえないから」、「サービス残業を拒否したら何をされるかわからない」などの理由でサービス残業を受け入れていることが多いです。
(3)従業員が自主的に
従業員が自主的にサービス残業をしているケースもあります。特に立ち上がったばかりのスタートアップ企業などでは社員全員で寝る間も惜しんで働くという風景が良く見られます。
このような場合も、経営者は従業員に残業をやらせないようにする義務があります。そのため、サービス残業が許されるわけではありません。
3.サービス残業をやめたい!有効な対策は?
(1)仕事の優先順位を明確にする
残業を減らすためには、こなさなければならない仕事に優先順位をつけて業務のスケジュールを立てておくのが有効です。そして、優先度の高い仕事から終わらせるようにしましょう。
特に頭は午前中の方が良く働きます。また、従業な業務は後から追加の作業が発生することが考えられますので、先に終わらせておくことで対応しやすくなります。
そして、重要度の低い仕事には残業をせずに帰るようにしましょう。
仕事をすべて終わらせて帰るのではなく、その日に終わらせなければならない仕事を終わらせて帰るというスタンスが大切です。
(2)周りに合わせるのをやめる
残業をする理由が、周りもやっているからだという人も多いです。残業代が出るならまだしも、サービス残業でしたらそこまでして周りに合わせるのはやめましょう。
自分の仕事が終わったら帰っても問題がないはずです。
その際、上司などが文句を言ってくることも考えられますが、そのような場合はさらに上に上司や社内の担当部署に相談してみましょう。
4.サービス残業を会社に辞めさせるには労働基準監督署か弁護士
いくら自分で仕事を工夫しても、サービス残業が残ってしまうこともあります。そのような場合は、外部の法的機関や専門家の力を借りることをおすすめします。
その際に重要なのが、しっかりと証拠を集めておくことです。具体的に言えば、給与の明細書やタイムカード、その他労働時間を確認できる記録など集められるものは全て集めておきましょう。会社に対して業務の是正に向けた指導をしてくれます。
またその証拠を元に未払いとなっている残業代の金額がわかれば、会社に対して未払い残業代の請求をすることができます。
専門家の力を借りれば、時間がかかったとしても労働問題は解決することが多いです。
5.まとめ
サービス残業は労働者の権利を侵害する違法行為です。そのため、もしサービス残業に悩んでいるという方がおりましたら、すぐに何らかの対策を講じることをおすすめします。
労働基準監督署や弁護士は労働問題の専門家です。そのため、サービス残業を是正するために、一度専門家に相談してみることもおすすめします。