残業代
所定労働時間を超えた業務時間を残業と言い、その残業に対して支払われる賃金を残業代と言います。残業代は法定内残業(法定労働時間内の残業)と法定外残業(法定労働時間外の残業)によって残業代の単価の計算方法が変わります。法定労働時間とは労働基準法第32条により定められた労働時間の上限を言います。
2017.08.13

割増賃金(時間外労働・深夜労働・休日労働)

労働基準法32条1項、2項では、1週間に40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないと規定していて、この法定労働時間を超えて働いた時間外労働の場合や、深夜労働、休日労働については、割増賃金を支払う必要があると規定しています。

そして割増率については、残業時間帯によって細かく規定されています。

ここでは、時間外労働・深夜労働・休日労働の意味や割増率についてご紹介します。

1. 時間外労働とは

労働基準法32条1項、2項では、労働時間について「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない」と規定しています。

時間外労働とは、この労働基準法で決められている、「1日8時間、1週間40時間」以上の労働時間以外に働くことで「残業」と同じような意味です。

 

なお、この時間外労働は「法定内の時間外労働(所定時間外労働)」と「法定外の時間外労働」の2種類あり、法定内の時間外労働については、法律上は残業代を支払う必要はないとされています。

(!) 法定の時間外労働とは

法定の時間外労働とは、法律で定める労働時間(1週間に40時間、1日8時間)を超えた時間外労働のことで、法律上の残業ということになります。

この法定の時間外労働については、割増賃金(2割5分増し以上)の支払い義務が生じます。

(2) 法内の時間外労働(所定時間外労働)とは

法内の時間外労働(所定時間外労働)とは、上記の労働基準法で定められた労働時間とは別に、契約や就業規則で定められた労働時間のことです。

 

法内の時間外労働(所定時間外労働)を超えて労働した場合でも、社内的には残業ですが、法律で定める労働時間(1週間に40時間、1日8時間)を超えていなければ、法律上は割増賃金(2割5分増し以上)を支払う義務はありません。

 

ただし会社が就業規則で「所定労働時間を超えて勤務した場合には、割増賃金を支払う」と決めている場合には、法定内の労働時間であっても、社内的には残業代の支払い義務は生じることになります。

(3) 時間外労働の割増率

時間外労働の割増率は、労働時間帯によって支払う条件が異なります。

 

* 法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた時……割増率 25%以上

* 時間外労働が限度時間(1か月45時間、1年360時間となど)を超えた時……割増率 25%以上

* 時間外労働が1か月60時間を超えた時……割増率 50%以上

(※中小企業は当分の間、この適用が猶予されています。)

 

例えば所定労働時間が9時から17時までの場合、時間外労働の割増率は以下のとおりとなります。

* 17時~18時:1時間あたりの賃金×1.0×1時間(法定労働時間のため)

* 18時~22時:1時間あたりの賃金×1.25×4時間(法定外労働時間のため)

2.深夜労働とは

労働基準法第37条では深夜労働について、「使用者が、午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と規定しています。

 

つまり22時から5時までは深夜労働として、この時間帯に労働をさせた場合には、割増賃金を支払う必要があるとしています。

(1) 深夜労働の割増率

深夜労働(22時から5時まで)に労働させた場合には、1時間当たりの賃金の5割増した賃金を支払う必要があるとされています。

 

例えば22時から5時まで労働した場合には、1時間あたりの賃金×1.50(1.25+0.25)×7時間の法定時間外残業+深夜の割増賃金を支払う必要があります。

3.休日労働とは

労働基準法35条1項・2項では休日について「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。」と規定しています。

 

つまり「毎週少なくとも1階の休日」もしくは「4週間に4日以上の休日」を義務付けています。

つまり休みが週1日の労働者が週1回の休日に出勤した場合には、休日労働ということになります。

(1) 休日労働の割増率

休日労働させた場合には、1時間当たりの賃金の3割5分以上の割増賃金を支払わなければならないとされています。

では定休日に深夜労働をした場合には,どのように割増賃金を計算すればよいのでしょうか。この場合には、休日手当の割増率と深夜手当の割増率を合算する必要があるとしています。

9:00~24:00まで労働させた場合(休憩1時間)]

9:00~22:00⇒1時間あたりの賃金×1.35×12時間……休日労働

22:00~24:00⇒1時間あたりの賃金×1.60(1.35+0.25)×2時間……休日労働+深夜労働

この記事を共有する
Share on Facebook
Facebook
0Share on Google+
Google+
0Tweet about this on Twitter
Twitter
Share on LinkedIn
Linkedin
弁護士の無料相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。 050-5212-3326

(対応時間 平日9時~19時)

日本法規情報 エースパートナー法律事務所

あわせて読みたい記事