残業代
所定労働時間を超えた業務時間を残業と言い、その残業に対して支払われる賃金を残業代と言います。残業代は法定内残業(法定労働時間内の残業)と法定外残業(法定労働時間外の残業)によって残業代の単価の計算方法が変わります。法定労働時間とは労働基準法第32条により定められた労働時間の上限を言います。
2017.07.14

残業代請求を弁護士に依頼すると費用はどれくらいかかるの?

未払いのままになっている残業代を請求する際、会社側が簡単に支払ってくれず、弁護士に依頼しなければならないことがあります。

そのとき、気になるのはどれくらいの費用がかかるかです。残業代請求を依頼するときの費用は、特に制度として定められているわけではないため、弁護士事務所によって異なってきますが、おおよその見当をつけることはできます。

そのために知っておきたい費用の中身を見ていきましょう。

弁護士に依頼する際にかかる費用の内容は、大別すると

「相談料」

「着手金」

「成功報酬」

「実費」

があります。

また、残業代請求の方法には

「交渉」

「労働審判」

「訴訟」

の3段階があり、どの時点まで進むかでも費用が変わってきます。

はじめに、その3段階について把握しておきたいと思います。

1.残業代請求の3段階とは?

残業代請求は、状況に応じて3つの段階があります。

会社に対して書面や口頭でのやりとりで請求をするのを「交渉」と言います。

交渉によって残業代の支払いに応じてもらえればよいのですが、十分な金額を回収することができない、あるいはゼロ回答であったような場合、「労働審判」の申し立てに移ります。

労働審判は平成18年4月1日に始まった制度で、会社と労働者の間の労働関係にかかわるトラブルを解決するために設けられました。

労働審判は裁判官が審判官としてかかわるほか、労働問題の専門家である民間人2名もかかわります。

基本的には3回の期日で審理を終えるため、裁判と比べると、迅速に進みます。労働審判でも解決に至らなかったときには、裁判を起こすことになります。これが「訴訟」です。

裁判となると、労働審判よりも時間も労力もかかることになります。このように、解決ができなかった場合に、段階を追って残業代の請求を行っていくことになります。そしてそれぞれの段階で費用が異なってきます。

交渉よりも労働審判の方がより精密な書面や証拠の準備が必要になりますし、訴訟となればさらに準備に労力を要し、裁判所へ出頭することも増えていくからです。その分、費用がふくらんでいくことになります。

2.費用の内訳を知る

残業代請求にはどの段階まで進むかによって、費用も異なってくることを説明しました。

では実際に、どのような費用がかかってくるのかを見ていきましょう。

(1)相談料

弁護士に相談する際、30分でいくら、1時間でいくら、というようにかかってくるのが相談料です。ただし、1回目の相談である場合には無料で相談を受け付け、2回目以降を有料としている弁護士事務所も少なくはありません。有料である場合、おおよその目安として、30分で5000円、1時間で1万円程度であるところが多くなっています。

(2)着手金

相談の上、実際に弁護士に依頼した際にかかるのが着手金です。その名のとおり、着手してもらうことで発生する費用ですので、残業代の請求に失敗した場合でも支払わなければいけないものです。着手金のおおよその目安として、5~10万円程度としている弁護士事務所も少なくありません。

また、交渉から労働審判、訴訟と段階が変わるごとに着手金も増えていくのが一般的です。段階に応じて変化する部分です。当初の着手金が10万円であった場合、労働審判に移ったところでプラス10万円、訴訟になるとさらにプラス10万円、というように定めているケースが少なくありません。

目安としてまとめれば、当初の着手金は5~10万円、労働審判に進んだ場合、15~20万円、訴訟を起こす場合には25~35万円あたりとなります。その都度、追加分を支払っていきます。

一方では、着手金を無料にしている弁護士事務所も少なくありません。その場合、交渉までの段階では無料としていたり、中には労働審判まで無料としていたりと、個々に異なりますから、事前にしっかり確認しておくとよいでしょう。

(3)成功報酬

成功報酬は、実際に回収できた金額のうちの一定の割合を弁護士に支払う金額のことを言います。その名前の通り、回収に成功した場合に発生するものですので、回収できなければ発生しません。

また、着手金が無料である場合、成功報酬の割合は高くなる傾向があります。着手金の有無のどちらの場合も含め、成功報酬は20~35%程度となっています。

注意しておきたいのは、成功報酬を何%と定めているのとは別に、最低報酬金を設定している弁護士事務所もあるということです。回収できた金額が少なかった場合、弁護士の報酬も少なくなってしまうため、例えば交渉の段階で解決した場合に20万

円、労働審判なら25万円、訴訟なら35万円というように、それぞれの段階ならいくら、と最低報酬金を定めているケースです。実際の回収額に対するパーセンテージより最低報酬額が上回る場合は、最低報酬額が支払う費用となります。

旧基準にのっとる弁護士もいます。弁護士の報酬に関しては、実は以前、「日本弁護士連合会報酬等基準」という統一の基準が定められていました。平成16年4月1日に廃止されましたが、今もこの基準を使用している弁護士がいますので、参考までに、その基準を掲載しておきます。

(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

請求額     着手金    報酬金

300万円以下   8%       16%

3000万円以下  約5%     約10%

3億円以下   約3%     約6%

(4)実費

残業代請求にかかわる経費も忘れてはなりません。例えば会社に送る内容証明の郵便、印紙代、交通費などがかかってくることがあげられます。弁護士によって、どの範囲までを経費として支払わなければならないか異なりますから、その費用なども事前に確認しておくとよいでしょう。

その費用の目安は、おおよそ1万~数万円あたりとなります。

3.トータルの費用の目安は?

一律の費用の基準があるわけではないため、残業代請求における弁護士費用もまた、依頼する弁護士によって上下します。

その点に留意した上で、ここまで見てきたように、当初の場合にかかる費用は、相談料、着手金と実費を合わせて、十数万円と考えてよいでしょう。そして請求の段階に応じて着手金が増えることがあり、回収に成功した場合に成功報酬を支払うと考えれば、全体を把握できると思います。

まとめ

残業代請求を弁護士に依頼すると、どれだけ費用が発生するかをご理解いただけたでしょうか?

費用が発生したとしても、しっかりと貰えるものはもらっておきたい!と考えている方が多いと思いますので、みなさんがどれくらい残業代を取得できるかを労働問題に強い弁護士に相談するとよいでしょう。

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