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リストラでの退職金はいくらもらえるのでしょうか。リストラの場合の退職金の制度はどのようになっているのでしょうか。
リストラされた際の退職金についてしっかりと把握している方は少ないようです。
そこで、今回はもしものために、もしも自分がリストラされた場合、退職金はどれくらいもらえるのか、税金などはどの程度かかるのかといった情報を詳しく説明していきたいと思います。
1.リストラとは
リストラとは、〝Restructuring(再構築)"の略語で、経営が悪化した企業が自社の存続のために「人員整理」行うことです。そのため、リストラは会社都合のための退職となります。
よく、リストラと解雇を混同される方も多いですが、退職の場合は原因が労働者にある解雇であるのがほとんどなのに対して、リストラの原因は企業にあります。
たしかに、労働者としてはどちらも会社を辞めることですので同じように思えます。
しかし、リストラの場合は予定の退職金に割増した金額を受け取れたり、退職金制度のない企業でも交渉すれば退職金を受け取れたりしますので労働者にとって有利になることが多いです。
2.リストラの退職金はだいたいいくらもらえる?
一般的に退職金は「その会社での勤続年数」、「大卒や高卒などの学歴」、「大企業や中小企業など会社の大きさ」によって変わります。
特に勤続年数はほとんどの企業が退職金の算定に取り入れております。
また、学歴は退職金の算定に直接かかわることはありませんが、「退職時の給料が高ければ高いほど退職金も高くなる」という傾向があります。学歴によって基本給や昇級に差が出る企業は多いです。
そのような企業では同じ勤続年数であっても基本給に差が出ることから、退職金にも差が出ることが多いです。
3.リストラの場合は退職金が上乗せされるのか?
平成27年に実施された「民間企業における退職給付制度の実態に関する調査」によれば、リストラによって退職した際の年齢が低い人ほど退職金の割増率が高くなっているということがわかりました。
具体的に言えば、40代でリストラされた際の退職金の平均割増し率は80%以上となっており、普通に退職した際の退職金よりもかなり多くもらえます。
そのため、定年まで勤務した際の退職金とリストラを受けた際の退職金でどれほどの差が出るのかもリストラを受けるかどうかの判断材料となります。
4.退職金は必ず出るものなのか
同調査によると、退職金を払う企業は全体の85.1%で、残りの14.9%の企業には退職金を払う制度がありません。退職金を払わない企業は近年増加傾向にあります。
また、先ほどリストラでの退職金は通常よりも割増しされるというのが一般的であると解説しました。
それとは反対に退職金がしっかりと支給されなかったり、減額されたりといった被害にあうケースもあるようです。つまり、会社に退職金の制度があるにも関わらず退職金が支給されないということです。
例えば、会社に退職金を支払う余裕がないために就業規則にしっかりと明記されたている退職金を支給できないと会社に言われてしまったとしたら、退職金はもらえないのでしょうか。
そのような場合でもあきらめる必要はありません。
会社が責任をもって退職金を労働者に支払わないというのは違法になります。
就業規則に退職金制度が明記されている場合は、法的にも退職金は賃金としてみなされます。そのため。退職金が支給されないというのは、労働に対して賃金が支払われていないということになります。
5.会社が倒産したら退職金は出ないのか?
リストラはされなかったが、会社が倒産してしまったという場合、退職金は支給されるのでしょうか。
たしかに、このような場合は会社に退職金を支払う能力がないのではないか、そのため退職金を請求したとしても結局もらえないだろうとあきらめてしまう方も多いです。
しかし、このような場合であっても退職金を請求することができますし、会社もきちんと退職金を支払わなければなりません。
もし、会社に退職金を支払うための資金がなかったとしても、倒産した際の退職金は「未払賃金の立替払事業」によって建て替えて払ってもらうこともできます。
そのため、退職金を請求しても受け取れないという心配はありません。
6.リストラによる退職金にはどれほど課税されるのか
退職金は法的には賃金として扱われますので所得税がかかります。
所得税の税率は税額表によって細かく決められていますが、退職金には退職控除額が適用されます。
具体的に言うと、
となります。
そのため、自分がいくら退職金をもらうことができるのか算定する際には、自分の勤続年数から所得税を計算するようにしましょう。
まとめ
リストラされて退職する場合には通常の退職よりも割増された退職金を受け取ることができます。退職金が就業規則にしっかりと明記されている場合、退職金は法的に賃金となりますので、労働者には退職金を請求する権利があります。
自分が退職金をいくらもらえるのか計算したい場合は、自分の勤続年数や現在の給料を考慮し、納めなければならない所得税も控除額と税額をしっかりと確認して計算するようにしましょう。