労働災害
労働災害とは業務中・通勤中など業務に従事することによって起こった傷病を言います。業務中に(または業務と因果関係があり)起こったケガ、病気、死亡等は業務災害、通勤中に起こった場合には通勤災害、第三者による不法行為によって起こった場合には第三者行為災害と呼ばれます。近年では、過労死も労働災害と認められるケースがあります。
2017.08.15

労災はどんな時に受け取れるのか~「業務災害」の事例集

働いている方で「労災」という言葉を聞いたことがない、という方は少ないと思いますが、どのような時に労災認定されるのかについて知っている人も、少ないのではないでしょうか。

労災とは、仕事によって負ったケガや病気(業務災害)に対して国が補償してくれる制度で、通勤途中の事故など(通勤災害)についても、同じように補償をしてもらうことができます。

ここでは、どのような場合に「業務労災」が認められるかについてご紹介します。

1.労働災害(労災)とは

労働災害(労災)とは、労働者の「仕事が原因で生じた病気やケガ」や「通勤中の病気やケガ」について補償する制度です。

労働者を1人でも使用する会社は、労災保険に加入する義務があります。

なお「会社が労災に加入していなかった」という場合でも、労働者は労災保険の適用を受けることができます。

労働災害(労災)は、大きく分けて業務災害(仕事が原因で生じた病気やケガなど)と通勤災害(通勤中の病気やケガなど)に分類することができます。

(1) 業務災害とは

業務災害とは、仕事が原因で生じた病気やケガ、障害、死亡をいいます。

うつ病や適応障害などの精神障害も、労災の対象となっています。

社内で仕事をしている場合であれば、特別な事情がない限りほとんどのケースで業務災害と認められます。出張や社用で外出している場合や、得意先に訪問している場合も業務災害です。

ただし、昼休みなどのケガなど「業務上」と言えない場合には、業務災害にはなりません。

(2) 通勤災害とは

通勤災害とは、通勤中の病気やケガ、障害、死亡をいいます。

労災でいう「通勤」とは、仕事をするうえで合理的な経路・方法で移動することをいうので、エステや飲み会に行った帰りの事故などには、通勤災害には当たらず労災が認められません。

2. 業務災害の事例

業務災害とは、仕事が原因で生じた病気やケガ、障害、死亡です。

業務災害と認められるためには、「業務に起因して発生したこと(業務起因性)」が認められなければなりません。

 

この場合の「業務」には、本来の業務のほか業務に付随する行為や、生理的に必要な行為(トイレに行くなど)や反射的な行為も含まれます。

 

なお「業務起因性」が否定されるのは、以下の5つです。

 

  1. 業務離脱行為
  2. 業務逸脱行為
  3. 恣意的・私的行為
  4. 天災等の自然現象
  5. その他通常ではあり得ないこと

 

実際には災害の原因を証明するのは困難であるケースが多く、また労災か否については、個々の状況から労働基準監督署が判断をすることになります。

ここでは、業務災害の事例をご紹介します。

(1) 業務災害事例

「トラックの運転手が首に巻いていたタオルが風に飛ばされ、そのタオルを反射的に拾おうと手を伸ばしたところ、車にひかれてしまった。」

タオルを拾おうとした行為は、一見業務と直接関係はありません。

しかし、業務を行っている途中に突発的なことが起きたために反射的にとった行為であり、恣意的または私的な理由によって、ケガをしたとはいえません。

以上から、業務を行っている途中の災害として「業務災害」と認定される可能性は高いといえます。

(2) 業務災害事例

「高熱を出した部下を病院に運ぶ途中に、転んでケガをした。当時その場には管理監督者はいなかったため、病院に運ぶように指示されたわけではなく自主的な判断で行った。」

 

本来、高熱を出した部下を病院に運ぶ行為は、通常の業務以外の行為です。

しかし業務災害には、「職場として緊急の事態が生じて、この際に行われる緊急行為も含まれる」と解されます。

 

このような緊急行為は、会社の指示に基づいた場合にはもちろん、会社や管理監督者の指示がない場合でも当然行われるべき行為です。

ですから通常の業務と同様に扱われ、業務災害として認められることになります。

(3) 業務災害事例

「休日中に家にいたところ、上司から緊急事態のため呼出を受けて会社に向かう途中に、車にひかれてケガをしてしまった。」

緊急事態で呼出を受けて出勤途中に負ったケガについては、業務災害なのか通勤災害なのかが問題になり、業務遂行性があった場合には「業務災害」と認められることになります。

業務遂行性があったか否かについては以下の2点が認められる必要があります。

  1. 事業主の命令があること

業務命令が明示されたわけではなくても、労働者の職務内容などから、緊急事態が発生した場合にはただちに出勤すべきことが、職務上当然予想される場合には、事業主の命令があったものと同様に取り扱わられることになります。

  1. 通常の勤務とは時間・経路・方法等が著しく異なっていること

今回のケースの労働者は、災害発生当日の出勤は予定されておらず、緊急事態発生のために突然呼び出しを受けて出勤途中にケガをしています。

司からの指示で出勤したので、業務災害となります。

3.労災の申請方法

労災を受けるためには、働いている会社を管轄している労働基準監督署に、労災の請求書を提出する必要があります。

労災の請求書は、労働基準監督署に置いてありますが、厚生労働省のホームページからダウンロードすることもできます。

どの請求書を使用するべきかなのかについては、どのような状況で病気やケガをしたのか、どのような補償を請求したいのかによって異なります。

労災に詳しい弁護士に相談されても良いでしょう。

 

厚生労働省 労災保険給付関係請求書等ダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

労災認定されなかった場合には

労災認定を受けられなかったとしても、労働基準監督署の労災審査官に対して不服申立て(審査請求)をすれば、審査をし直してもらうことができます。

そして、この審査でまだ納得できない場合には、労働保険審査会に再審査請求を行ったり、行政訴訟を利用する方法もあります。

すぐに諦めずに、まずは弁護士に相談してみましょう。

 

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