労働災害
労働災害とは業務中・通勤中など業務に従事することによって起こった傷病を言います。業務中に(または業務と因果関係があり)起こったケガ、病気、死亡等は業務災害、通勤中に起こった場合には通勤災害、第三者による不法行為によって起こった場合には第三者行為災害と呼ばれます。近年では、過労死も労働災害と認められるケースがあります。
2017.11.09

労災保険~遺族への補償給付とは

 

労災の保険給付は、大きく業務上災害に対する給付と通勤災害に対する給付に分けることができます。

保険給付の種類としては、傷病時の療養(補償)給付・休業(補償)給付・傷病(補償)年金、障害(補償)給付・介護(補償)給付などさまざまな給付があります。

また、被災労働者が死亡した場合に遺族が受け取れる給付として、遺族給付・葬祭料(葬祭給付)があります。

 

労災保険法第1条では、以下のような趣旨が規定されています。

 

~労災保険法第1条~

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労災保険は、業務災害または通勤災害を被った労働者を迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、併せて、業務災害または通勤災害を被った労働者の社会復帰の促進、被災労働者およびその遺族の援護、労働者の安全および衛生の確保等をはかり、もって労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

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ここでは、被災労働者が死亡した場合に遺族が受け取れる、遺族給付・葬祭料(葬祭給付)についてご紹介します。

 

※通勤災害については(補償)という言葉がつきません。

1.遺族(補償)給付

遺族(補償)給付とは、被災労働者(本人)が亡くなった時、遺族を補償するための給付です。

被災労働者(本人)が仕事中または通勤途中に亡くなった場合に、残された遺族の生活を保障するために年金または一時金として支給されます。

 (1)遺族(補償)年金の給付

遺族(補償)年金の受資格者がいる場合には、その人に遺族(補償)年金が支給されます。

遺族(補償)年金の受給資格者がいない場合や、遺族(補償)年金の受給資格者がいてもその権利が消滅して、ほかに年金を受け取る遺族がいない場合には、遺族(補償)一時金が支給されるケースがあります。

(2) 遺族(補償)一時金の支給

労働者が労災事故で亡くなった場合、受給権者である遺族は、給付基礎日額の最高1000日分までの希望する額を、「一時金」として前払いで請求することができます。

これを、遺族(補償)年金前払一時金といいます。

(3) 遺族(補償)給付の受給資格者

遺族(補償)給付の受給資格者は、労働者が亡くなった当時にその労働者の収入によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。内縁関係であった場合や事実婚であった場合も含みます。

ただし、これらの受給資格者のうち、最も先順位の遺族だけが受給権者となって、実際に遺族(補償)年金を受給することになります。

先順位の遺族が亡くなったり、婚姻などによって受給権者でなくなった場合には、次順位の遺族が給付を受けることになります(これを転給といいます)。

2.葬祭料(葬祭給付)

葬祭料(葬祭給付)は、労働者が業務上または通勤途中で亡くなった場合に、亡くなった労働者の葬儀を行う人に対して支給される給付です。

業務上の災害で亡くなった場合の給付を「葬祭料」といい、通勤途中の災害で亡くなった場合の給付を「葬祭給付」といいます。

 

葬祭を行う遺族がいないため、友人や会社が葬儀を行った場合には、その友人や会社に対して葬祭料(葬祭給付)が給付されることもあります。

 

葬祭料(葬祭給付)の額は、給付基礎日額の30日分に31万5000円を加えた額または、給付基礎日額の60日分のいずれか高い方が支給されます。

葬祭料の請求手続き

葬祭料(葬祭給付)を請求する場合には、所轄の労働基準監督署に対して、葬祭料(葬祭給付)請求書を提出する必要があります。

 

葬祭料(葬祭給付)を請求する際の添付書類としては、死亡診断書・住民票など、労働者の死亡の事実と死亡年月日を確認できる書類が必要となります。

ただし、葬祭料の請求手続きをする際には、遺族(補償)給付の請求書をすでに提出している場合がほとんどなので、その場合は証明書類を提出してあるはずです。

したがって、その場合には改めて死亡診断書・住民票など、労働者の死亡の事実と死亡年月日を確認できる書類を提出する必要はない、ということになっています。

 3.労災の処分に不服がある時

行政庁の行った処分について不服がある場合には、行政不服審査法に基づく不服申立てを行ったり、行政事件訴訟法に基づく取消訴訟を起こすことができます。

しかし、このような申立ては大量に発生するので、専門的で迅速な問題解決はあまり期待できません。

なお、労災申請だけでなく、会社に対して損害賠償請求を行うことができますので、言われるがままに示談に応じることがないよう、しっかりと判断する必要があります。

いずれの場合も、早めに労働問題に詳しい弁護士に相談して状況を説明して、労災の処分が妥当な処分であるのか、妥当な処分とは言えない場合はどのようにすればいいのか、会社に対して損害賠償を請求できるか、請求できるとしたら、その額はどれほどなのかについて、確認しておくことをおすすめします。

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