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厚生労働省によって第13次労働災害防止計画が発表されました。
労働者が労働災害によって死亡したり死傷を負ったりすることを防止するために制定された計画ですが、あまり知っている方は少ないようです。
今回は、そんな第13次労働災害防止計画について詳しく説明しようと思います。
1.第13次労働災害防止計画の目的
第13次労働災害防止計画とは国内の労働者を労働災害の危険から守るための政府の計画です。
具体的に言えば、死亡災害を15%以上減少させること、そして支障災害を5%以上減少させることを目的にしています。
2.重点事項ごとの行動指針
第13次労働災害防止計画では労働災害の重点事項ごとに、企業が取り組むべき行動指針を明確に提示しています。
(1)死亡災害防止に向けた行動指針
・建設業の現場における墜落や転落などの災害防止
・製造業の現場における機械や設備が起因となる災害の防止
・林業の現場における伐木作業などでの安全管理
(2)過労死等防止のための労働者保護に向けた行動指針
・労働者の健康管理の強化
・健康被害防止のための過重労働の防止
・労働環境におけるメンタルヘルスの徹底
(3)就業構造の変化・働き方の多様化に対する取り組み
・労働災害の発生件数が増加している、または減少していない業種に対する対応策の実施。
・高齢の労働者や非正規労働者、外国人労働者などに対する労働災害防止策の実施
(4)疾病を抱えている労働者の健康維持の推進
・企業内の労働者の健康管理の強化。企業と医療機関で連携した健康管理の推進。
・疾病を抱えている労働者の支援
(5)化学物質に起因する健康被害防止のための取り組み
・化学物質やアスベスト等による健康被害の防止
・放射線による健康被害の防止
(6)安全・衛生のための企業・業界としての取り組み
・企業のマネジメント層に対する安全・衛生管理の取り組みの推進
・企業内の安全・衛生マネジメントシステムの活用推進
(7)安全・衛生管理を目的とした組織や人材の強化
・安全・衛生管理専門人材の育成
・労働安全や労働衛生の分野でのコンサルタント人材の活用
(8)国民全体での労働災害への意識の向上
・安全・衛生教育のための高校や大学との連携
・科学的な根拠や国際的な動向を意識した背策推進
3.まとめ
労働災害が発生することは企業だけでなく国にとっても大きな損失になります。そのため、政府主導の労働災害防止政策が必要になります。
第13次労働災害防止計画はその一環としての政策です。しかし、実際に労働災害問題を解決するためには企業としての取り組みを必要です、これからは、国の政策を踏まえたうえで企業が自主的に労働者に働きやすい環境を提供していく必要があります。