不当解雇
日本の法律では簡単に従業員を解雇することは出来ないと定められています。 従業員を解雇するには、しっかりとした決まりがあり、その条件を満たしていない限り解雇としては認められないのです。不当解雇はこうした法律や就業規則などの決まりに従わず会社が一方的に労働契約を解約する行為を言います。
2017.10.14

「雇止め」が有効となる5つの基準と対抗する方法

 

有期雇用契約(期間の定めのある労働契約)の場合に契約が更新されないことを「宿胃止め」といいます。

期間の定めのある労働契約で働いていたとしても、会社は労働者を自由に雇止めをすることはできません。

厚生労働省では、「有期契約労働者の雇用管理の改善に関するガイドライン」」という通達を出していて、この通達に違反した雇止めは撤回させることができる場合もあります。

1.有期雇用契約の特徴

雇止めの問題点に入る前に、まず有期雇用契約(期間の定めのある労働契約)とは何か知っておく必要があります。

有期雇用契約(期間の定めのある労働契約)の第一の特徴は、労働契約の期間が限定されているという点です。

労働基準法14条では、「労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(※指定された専門分野(医師や会計士など)や60歳以上の労働者との間の労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはならない」としています。

これは、長い契約期間に労働者が不当に拘束されないように規定されたものです。

正社員(期間の定めのない労働契約)は、契約期間がもっと長いのではとも思われますが、正社員の場合には、契約期間中は会社も労働者もいつでも解約の申し入れをすることが出来るのです。

これに対して有期雇用契約(期間の定めのある労働契約)は、契約期間中は会社も労働者も解約は出来ないとされているものの、労働者については労働基準法137条「期間の定めのある労働契約を締結した労働者は、当該労働契約の期間の初日から1年間を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することが出来る」と規定され、保護されています。

(1) 有期雇用契約のガイドライン(厚労省)

厚生労働省では、「有期契約労働者を雇用する事業主の皆様へ」というガイドラインを発行しています。

ガイドラインの主な内容は以下のとおりです。

* 会社は、労働契約の締結に際して、労働契約の期間を書面で交付して明示しなければならない。

 

* 会社は有期労働契約を締結する際には、労働者に対して、更新の有無を明示しなければならず、更新する場合があると明示した場合には、その判断基準を明示しなければならない。

 

* 会社は、有期労働契約について、必要以上に短い期間を定めてはならない。

 

* 会社は、有期労働契約を1回以上更新し、かつ雇入れ日から起算して1年を超え継続勤務している労働者の契約を更新する際には、契約の実態および労働者の希望に応じて、契約期間を出来るだけ長くするよう努力しなければならない。

 

* 会社は、有期労働契約について、やむをえない事由がある以外は、期間満了まで解雇出来ない。

 

* 会社は、有期労働契約を3回以上更新し、または雇い入れ日から起算して1年を超えて継続勤務している者で、あらかじめ更新しないと明示されていない労働者を更新しない時には、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。

2. 雇止めとは

「雇止め」とは、有期労働契約(期間を定めて締結された労働契約)については、過去に何度も契約更新を繰り返していたにも関わらず、突然契約更新をしないと言われるケースをいいます。

しかし雇用期間を定めて締結された労働契約で働いている労働者であっても、正社員と同じ仕事をしてきた人や、今まで何度も契約が更新され続けてきて長年働いてきた労働者であれば、雇止めを撤回するよう求めることが出来ます。

ここでは雇止めの際に問題となる判断基準や、雇止めが有効となるケースについてご紹介します。

(1) 雇止めの判断基準

雇止めが有効か否かについては、以下の基準をもとに判断されます。

その結果、正社員と変わらない扱いであると判断される場合には、雇い止めは解雇権の濫用であると主張出来る可能性が高いといえます。

 

* 業務内容が正社員と同一の内容か

* 正社員と労働条件が同一であるか否か

* 継続雇用を期待させるような言動や認識の有無があったか

* 反復更新の有無・回数・勤続年数など、契約更新に際しての手続きが適正か

* 他の有期雇用契約労働者の雇止めの状況

(2) 雇止めが有効となるケース

これまで述べてきたように、正社員と同じ仕事をしてきた人や、今まで何度も契約が更新され続けてきて長年働いてきた労働者に対して、会社は簡単に解雇することは出来ません。

会社が雇止めを有効と出来るには、以下の5つの基準で判断されます。

* 正社員と契約社員の間で業務内容に差があるか

* 正社員と契約社員の間で労働条件など(とくに労働時間)に差があるか

* 雇用継続を期待させる言動があったか

* 更新手続きについて、契約書の明示をするなどの厳格かつ適正な手続きがあるか

* 雇止めの実績があるか

3. 雇止めに対抗する方法

ある日突然雇い止めをすることを告げられれば、なかなか冷静にはなれないのは当然です。しかしやみくもに反論するのではなく、会社に雇い止めの理由を聞きましょう。

また、契約書に「不更新条項」が入っていないかチェックしてみましょう。

(1) 弁護士に相談

雇止めに納得出来ない場合には、労働組合や労働問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。

会社の説明する理由に納得できないという場合には、労働組合や労働問題に詳しい弁護士などに相談することをおすすめします。

(2) 失業保険の活用

もし解雇に納得出来ないとして、会社に交渉している最中に解雇されてしまったら、雇用保険の失業給付について検討しましょう。

「雇用保険の失業給付」は、そもそもは退職する際に受け取ることが出来る制度ですが、、解雇を認めていないケースでも「仮給付(条件付給付)」として受けとることが出来ます。

 

また、解雇となってしまった場合でも、契約社員の労働契約が更新されなかったために退職するケースは特定理由離職者に該当し、失業保険の給付をすぐに受けることが出来ますので、併せて検討することをおすすめします。

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