不当解雇
日本の法律では簡単に従業員を解雇することは出来ないと定められています。 従業員を解雇するには、しっかりとした決まりがあり、その条件を満たしていない限り解雇としては認められないのです。不当解雇はこうした法律や就業規則などの決まりに従わず会社が一方的に労働契約を解約する行為を言います。
2017.10.13

整理解雇、懲戒解雇…普通解雇との違いはなに?

 

解雇とは、会社が労働者との労働契約を一方的に解約する行為で、大きく分けて、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇、諭旨解雇の4つの種類があります。

ただし会社は労働者を自由に解雇することが出来るわけでなく、解雇する場合にはいずれの解雇の場合でも、厳しい制限があります。

ですから会社から「辞めてくれないか」と言われても、「はい分かりました」と黙って従う必要はありません。

合理的な理由のない解雇は、解雇権の乱用として撤回させることが出来る場合もあります。

ここでは、普通解雇・整理解雇・懲戒解雇・論旨解雇(論旨退職)のそれぞれの意味と要件などについて、ご紹介していきます。

1. 解雇とは

解雇とは、いわゆる「クビ」のことで、会社が労働者との労働契約を一方的に解約することをいいます。

民法では、期間の定めのない契約(いわゆる正社員)の場合、会社と労働者は、いつでも解約の申し入れをすることが出来るとしていて、解約を申し入れた日から2週間経過すると、雇用は終了するとされています(民法627条1項)。

しかし2週間前に通知すれば簡単に解雇出来るとなってしまうと、労働者の生活が急に苦しくなってしまうことになります。

そこで労働契約法では、解雇するための要件を定めていて、労働基準法では解雇予告手当や一定の事由のある場合の解雇制限の制度などを設けています。

また雇用保険法では、解雇された場合には、失業保険を早く受け取ることが出来るなどの手厚い措置が設けられています。

なお、解雇は大きく分けて、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇、諭旨解雇の4つの種類があります。

ここでは、それぞれの解雇の意味、要件などについてご紹介していきます。

(1) 普通解雇

普通解雇とは、労働者側に債務不履行がある場合に、それを理由として将来的に労働契約を解消する行為です。

普通解雇でいう「債務不履行」には、能力不足だとか遅刻や欠勤が多い、協調性がないなどの理由が当てはまるケースで、通常は下記のように就業規則などで規定してあります。

* 身体または精神の障害により、業務に耐えられないと認められる場合

* 就業状況または職務能力が著しく不良のため、就業に適さないと認められる場合

* 休職期間が満了した時点で、なお休職事由が継続し、復職出来ない場合

なお、上記の解雇事由に該当していたとしても、その内容が社会通念に照らして妥当かどうかは別問題です。

「能力不足を改善すべき再教育を行ったか」「配置転換などの解雇回避の努力義務は行ったか」などは個々の状況に併せて判断されます。

 

会社がこのような努力を行っていない場合には、不当解雇となる場合がありますので、早めに不当解雇の問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。

(2) 整理解雇

整理解雇とは、会社が経営上の必要性に迫られて、余剰の労働者を解雇することで、雇用調整を行うことです。

 

他の解雇と異なり、整理解雇は会社側の事情によることになりますので、他の解雇より厳しく制限されます。

整理解雇をする場合には、以下の4つの要件を満たすことが必要とされています。

 

* 人員削減の必要性

人員削減を実施する際に、不況、経営上の必要性が強く求められていることが必要で、単に業績悪化という程度の理由では不十分です。

人員削減をしなければ、会社の存続自体が危ぶまれるほどの差し迫った状況であることが必要です。

 

* 解雇回避努力

賃金カットや経費削減など、解雇以外の手段で出来る限り解雇を回避するために努力したことが求められます。

 

* 被解雇者選定の合理性

被解雇者を選定する際には、客観的で合理的な基準を設定することが必要です。そして、その基準に従って公正に適用して選定することが必要です。

 

* 手続きの妥当性

就業規則等に解雇の手続きが規定されている場合には、その手続きに従って行う必要があります。また、労働者と誠意を持って協議し、労働者の納得を得るよう努力をすることも求められます。

 

懲戒解雇

懲戒解雇とは、普通解雇のように債務不履行による解雇とは違って「企業秩序に違反したこと」を理由に罰として解雇することをいいます。

「罰」という意味合いの解雇なので、退職金が減額または支給されない会社がほとんどですし、解雇予告手当が支払われないケースもあります。

 

ですから懲戒解雇されるためには、以下の体制が必要となります。

 

* 労働者の合意

懲戒されるほどの行為があり、労働者がそのことについて同意していることが必要です。

 

* 就業規則の規定

懲戒の事由や、懲戒の内容などについて、就業規則に記載されていることが必要です。

 

* 懲戒手続き

労働者に弁明の機会が与えられることが必要です。

(3) 論旨解雇(論旨退職)

論旨解雇(論旨退職)とは、懲戒解雇を若干緩和した解雇処分をいいます。

懲戒解雇は、退職金も解雇予告手当も支払われないケースが多いのに対して、論旨解雇(論旨退職)は、退職願の提出などを即し、それに応じない場合に懲戒解雇とされるので、いわば会社側の温情処分といえます。

2.不当解雇だと思ったら

これまで述べてきたように、労働者は解雇について、法律によっても守られているため、解雇予告手当が支払われない場合や、解雇の手続きなどについて納得が出来ない場合には、不当解雇問題を多く扱っている労働問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

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