働き方改革として役に立つ!ホワイトカラーエグゼンプションとは

働き方改革として役に立つ!ホワイトカラーエグゼンプションとは 残業代
残業代

長時間労働をはじめとする労働問題への批判から、政府主導で働き方改革は促進されるようになりました。

その中で注目を浴びているのがホワイトカラーエグゼンプションです。ホワイトカラーエグゼンプションとは高度プロフェッショナル制度とも呼ばれており、オフィスで働く労働者の労働時間に関する規定を緩和して給与を成果のみで計る制度です。

たしかに労働時間を短縮し働き方改革につながるホワイトカラーエグゼンプションですが、労働者からは賛否両論があります。

今回は、ホワイトカラーエグゼンプションについてご説明していきます。

1.ホワイトカラーエグゼンプションとは

ホワイトカラーエグゼンプションとは労働者の給与を労働時間でなく仕事の成果で評価する制度です。仕事の生産性を向上させて、長時間労働を是正するのが目的です。ホワイトカラーエグゼンプションという代わりに、高度プロフェッショナル制度と呼ばれることも多いです。

なお、ホワイトカラーとはオフィスワーカーのことです。スーツに着る白シャツの襟が由来となっています。ちなにみ、建設業や製造業などの現場作業員のことはブルーカラーと言います。ホワイトカラーエグゼンプションで対象となっているのは、ホワイトカラーであるオフィスワーカーに属する労働者です。

ホワイトカラーエグゼンプションは政府の働き方改革の一環として、働き方改革関連法案にも盛り込まれています。

2.ホワイトカラーエグゼンプションを導入するための条件

ホワイトカラーエグゼンプションは無条件に導入していいわけではありません。大正となる職種や給与が厳しく制限されており、それらの条件を満たす場合のみホワイトカラーエグゼンプションを導入することができます。

厚生労働省によるとホワイトカラーエグゼンプションの導入が認められる業務として、「高度な専門知識が必要」であり、「労働時間と成果物に大きな関連性がない」業務と限定しています。

具体的に言えば、以下のような業務に携わっている労働者が対象となります。

  • 金融商品のディーラー
  • コンサルタント
  • エンジニア
  • 市場アナリスト 等

上記の例は一部にすぎませんが、専門職で高度な知識が必要な仕事にはホワイトカラーエグゼンプションを導入することができると考えて良いでしょう。

また給与に関しても条件が課されています。現状としてホワイトカラーエグゼンプションを導入できる労働者の年収は1,075万円以上の場合だけです。

3.ホワイトカラーエグゼンプションを導入するメリット

(1)労働時間の削減につながる

ホワイトカラーエグゼンプションを導入すれば、仕事の評価は労働時間ではなく仕事の成果が基準となります。つまり、質より量の仕事が求められるということです。

そのため、労働者はいかに短い労働時間の中で多くの成果を出すかを念頭に仕事に取り組みますので、結果として労働時間の削減に繋がります。

労働時間が短くなれば、労働者は今まで以上に趣味などプライベートに使える時間が増えますのでワークライフバランスの充実を実現できるのではないでしょうか。

また労働時間が削減されれば、残業時間も減り企業としても人件費の削減に繋がります。

(2)労働者の能力向上を実現できる

ホワイトカラーエグゼンプションを導入すると、量より質の仕事が求められるため労働者の能力向上を促します。労働者はとにかく長く社内にいるよりも、短時間で多くの成果を残すような仕事スタイルにシフトしますので仕事の生産性が上がり、結果として会社としての生産性向上に繋がります。

4.働かせ放題になるリスクに注意が必要

生産性を向上し労働時間を削減するホワイトカラーエグゼンプションですが、使い方によっては長時間労働から抜け出せないケースも散見されます。

ホワイトカラーエグゼンプションでは労働時間が長いからと言って、残業代がもらえたり給与が増えることはありません。そのため、雇用主からすると定額働かせ放題な状態となり今まで以上に長時間労働を労働者に課すようになる可能性があります。

また、ホワイトカラーエグゼンプションを導入しても仕事量の多さから結果として労働時間を削減できないかもしれません。

そのため、ホワイトカラーエグゼンプションを導入するにあたっては、仕事量の削減など実際に効果を発揮させるために必要になる関連施策まで考慮する必要があります。

まとめ

ホワイトカラーエグゼンプションは仕事の基準を量から質にシフトさせることで労働時間削減を目指す働き方改革の一環です。

労働者は時間に縛られずに働けるようになりますので、長時間労働の是正につながると期待できます。しかし、同時に労働時間を実際に削減できるようにするための取り組みも必要になります。

そのため、ただホワイトカラーエグゼンプションを導入するだけでなく、どうしたら結果に繋がるのかも含めて考える必要があると言えます。

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