残業代
所定労働時間を超えた業務時間を残業と言い、その残業に対して支払われる賃金を残業代と言います。残業代は法定内残業(法定労働時間内の残業)と法定外残業(法定労働時間外の残業)によって残業代の単価の計算方法が変わります。法定労働時間とは労働基準法第32条により定められた労働時間の上限を言います。
2020.09.12

    在宅勤務をするのはいいけど給料は下がらないのか

    国は現在、働く人々のワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、在宅勤務のためのガイドラインの策定や普及活動を推進しています。

    インターネット環境が整備され、情報通信が高速化された現代ではオフィスでしかできない仕事というものは限りなく少なくなり、仕事のする場所の幅は格段に広がりました。

    一見とても素晴らしいことのように思えますが、実際に在宅勤務を導入してみると問題もあるようです。特に在宅勤務になると給料が減ってしまうと不安になっている人も多いのではないでしょうか。

    そこで今回は在宅勤務の基本から仕事で正しく評価する・される方法を紹介します。

    在宅勤務での仕事のやり方を知っていれば、給料の変動に頭を悩ませる必要はなくなるでしょう。

    1.在宅勤務とは

    在宅勤務はテレワークの一種です。

    テレワークとは日本テレワーク協会によると「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用し、場所や時間にとらわれない働き方」のことを言います。

    テレワークには、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の3つがあります。

    在宅勤務・・・自宅で仕事をすること

    モバイルワーク・・・外出先でもモバイル端末などを用いて仕事を行うこと

    サテライトオフィス勤務・・・会社が用意したオフィス以外のシェアオフィスなど、自宅や外出先よりも環境が整った場所で働くこと

    2.在宅勤務を行う労働者のメリット

    (1)通勤時間が無い

    会社に出勤する必要がないため通勤時間がなくなり、精神的・身体的な負担が軽減します。

    (2)業務の効率化・時間外労働の削減が見込める

    会社勤務の場合、予定外の打ち合わせや電話対応によって業務を中断されるケースもありますが、自宅での業務になるので、自身の集中しやすい環境を整えることが可能です。

    (3)育児や介護と仕事の両立がしやすくなる

    通勤に要する時間がなくなるため、育児や介護などの生活への時間を割きやすくなります。子どもがいる場合は仕事の合間で子どもの相手をすることや介護を必要とする両親の世話をすることも可能です。

    (4)ワーク・ライフ・バランスが取りやすくなる

    プライベートな時間を捻出しやすいということも挙げられます。

    通勤時間が削減されるため、自分の時間を持ちやすくなり、趣味や好きなことにあてる時間も増やせるでしょう。

    3.在宅勤務を行う使用者のメリット

    (1)業務効率化による生産性の向上

    労働者同様、使用者にとっても、業務の効率化によって、生産性が上がることは喜ばしいことです。

    (2)育児・介護による労働者の離職の防止

    育児や介護などは仕事を続けるうえで大きなハードルとなることが度々あります。優秀な社員をそのような理由で失うことを防ぐことが出来ます。

    (3)遠方の優秀な労働者を確保することが出来る

    在宅勤務はオフィスへ出社する必要がないので、インターネット環境さえ整っていれば、場所を問わず労働者を雇うことが出来ます。

    (4)コストの削減

    オフィスで働く人々が減れば、大きなオフィスは必要なくなり、オフィスコストの削減につながります。

    また、オフィスへ出社する人が少なくなれば、それだけ交通費も削減されます。

    4.在宅勤務の問題点

    在宅勤務をすると確かにオフィスで働いていては得られないメリットを得ることが出来ます。しかし問題点もあります。

    「平成27年JILPT 情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査」によると、特に労働者としては「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」「長時間労働になりやすい」という方が多いようです。同様に使用者も「労働時間の管理が難しい」と頭を悩ませている方が少なくありません。

    (参考|テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン

    5.在宅勤務で給料は減るのか

    労働時間の正確な管理に不安が生じると、給料についても不安になってきます。

    労働者にとっては「ちゃんと業務を評価してくれているのか」、使用者にとっては「きちんと手を抜かずに働いてくれているのだろうか」と疑心暗鬼になり、給料の正当な評価が難しくなってしまいます。

    確かなことは在宅勤務であろうと労働基準関係法令が適用されるということです。

    使用者が一方的に減給を言い渡すことはできませんし、減給する場合は減給するに足るだけの合理的な理由が必要になります。

    つまりオフィスでの業務を在宅で行うだけであるなら給料は減りません。

    ただし、所定労働時間の残業が減ることでの「残業代カット」は考えられます。

    在宅勤務は勤務状況を把握しづらいため、成果を評価のポイントとして重視することがほとんどです。そのため、残業を認めない会社も一定数存在します。

    また、オフィスでのパフォーマンスと比べ、在宅勤務時のパフォーマンスが著しく下がってしまうと評価が下がり、減給の対象になる可能性があります。

    6.在宅勤務では労働時間の管理と自己コントロールが大切

    会社は労働時間を管理するためにあらゆる手を講じます。

    一般的なものはWeb上で勤怠管理を行うということですが、「虚偽の労働時間を報告し、実際の労働時間と見合っていない」という事態を防ぐために、PCの使用時間の記録などで実態を抜き打ち的に確認される場合もあります。

    在宅勤務では自分を見張ってくれている人はいません。ついつい怠けてしまう、などということになってしまっては会社も厳正な対処をしなくてはならなくなります。

    つまり在宅勤務で働くことになるのなら、自分で自分を律することのできる人間にならなくてはならないのです。

    また在宅勤務をする際は細かく業務の記録を取り、仮に「サボり」を疑われた時でもきちんと業務を行っていた証拠を示せるようにしておきましょう。

    7.在宅勤務で正しく評価される2つの方法

    (1)ネット環境の整備

    在宅勤務を行う場合、自宅のネット環境は大切です。というのも上司などと仕事のやり取りをする際にあまりにネット回線が遅かったりすれば円滑なコミュニケーションは取れず、仕事をさぼっているのではないか、と疑われてしまうかもしれません。

    正しく評価されるには円滑なコミュニケーションが大切ですが、在宅勤務の場合、コミュニケーションのカギを握るのはチャットツールやWeb会議などです。

    最低限ソフトが稼働できる程度の回線を用意しましょう。

    (2)仕事を記録して上司へ報告する

    在宅勤務の際はどのような内容の業務を実際に行ったのか分かるように記録を取っておくようにしましょう。「○○時~○○時まで△△を行った」など、出来るだけ詳細に細かく記録することで正確に評価されることにつながります。

    まとめ

    オフィスでの勤務から在宅勤務に切り替わっただけで給料が減るということはありません。仮に減る場合があったとしても、使用者側から合理的な説明があり、労働者の同意があって初めて成立するものです。

    在宅勤務で適正に評価されて給料が支払われるには、使用者の労働時間の管理と確認、労働者の成果に依存しがちになります。きちんとした成果を上げ続けることが在宅勤務で正当な評価を受けることにつながるということを念頭に置いておきましょう。

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