残業代
所定労働時間を超えた業務時間を残業と言い、その残業に対して支払われる賃金を残業代と言います。残業代は法定内残業(法定労働時間内の残業)と法定外残業(法定労働時間外の残業)によって残業代の単価の計算方法が変わります。法定労働時間とは労働基準法第32条により定められた労働時間の上限を言います。
2018.10.31

働き方改革で変わる残業代の上限とは?

2018年5月、「働き方改革関連法案」が衆議院で可決されました。

長時間労働など従来の日本の職場でまん延していた当たり前だったことが、ついに変革されるとして大きな期待が集まっております。

働き方改革で変わる項目として残業時間の上限が挙げられます。

労働者の身体や健康を保護するために、残業時間を短くする計画が盛り込まれています。

実際に残業時間はどのように変わるのでしょうか。今回は、働き方改革によって変わる残業時間の上限について説明していこうと思います。

1.残業時間は単月で100時間までに!

(1)36協定の不備

これまで労働契約でメインだった36協定では残業時間数に不備があったことが何度か指摘されていました。働き方改革ではその部分に新たに規制が儲けられることになります。

 

36協定における残業時間は以下のように取り決められていました。

・原則として、残業時間は「月間45時間、年間360時間」が上限

・突発的で一時的なやむを得ない事情がある場合にのみ、年間6ヶ月までの範囲で上記の残業時間の上限を超える残業時間を設定することができる。

 

この場合は、雇用主は過労死ラインを意識して、労働者の健康や安全を配慮しなければいけません。

しかし、この場合の雇用主が設定できる残業時間に上限があるわけではありません。実質的に、雇用主が無限に労働者に残業をさせることが出来るようになってしまいます。

(2)36協定に見直し

上記のような36協定の不備を改善するために、働き方改革では以下のように残業時間が設定されました。

 

・原則として、残業時間は「月間45時間、年間360時間」が上限(従来通り)

・突発的で一時的なやむを得ない事情がある場合は、以下の条件の範囲内でのみ、年間6ヶ月以内で労働者に上限以上の残業をさせることが出来る。

・年間の残業時間が720時間以内、月間平均60時間以下でなければならない

・休日労働を含めて、2か月間/3か月間/4か月間/5か月間/6か月間のうち、いずれかの月間残業時間の平均が80時間以下であること

・休日労働を含めて、単月の残業時間が100時間未満であること

 

上記の規約に違反した場合、労働基準法違反として処分の対象となりますので、実効性も保証されております。

 

2.働き方改革の注意点

(1)中小企業での残業時間の上限施行は2020年4月から

労働者の働き方が改善される働き方改革ですが、思考される時期は大企業と中小企業でことなっています。

大企業の場合は、残業時間の上限施行は2019年4月からですが、中小企業では2020年4月からとなっております。

これは中小企業を急な労働環境の変化から保護する目的です。

(2)月60時間以上の残業には割増賃金50%

働き方改革では月60時間を超える残業については、50%以上の割増賃金が発生します。

大企業の場合は2010年から適用されていますが、2023年からは中小企業であっても適用されることになります。

残業による割増賃金への対応を考えるにあたっては、企業としてはいかに残業を削減するかということを意識する必要があります。

 

3.まとめ

働き方改革によって残業時間の上限が厳格化されることは、労働者にとってワークライフバランスを実現するにあたって大きなメリットとなります。また、それと同時に労働者の労働に関する法律の知識を持ち、自らの働き方を客観的に評価できるようにならなければいけません。

ワークライフバランスを実現したいと考えているが、残業が忙しくてなかなか休めないという人であっても、働き方改革によって改善されることが期待されます。

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