残業代
所定労働時間を超えた業務時間を残業と言い、その残業に対して支払われる賃金を残業代と言います。残業代は法定内残業(法定労働時間内の残業)と法定外残業(法定労働時間外の残業)によって残業代の単価の計算方法が変わります。法定労働時間とは労働基準法第32条により定められた労働時間の上限を言います。
2018.08.19

サマータイムは労働問題の増加に繋がる?東京オリンピックのためのサマータイムと労働環境

2020年東京オリンピックまで後2年となりました。夏季に開催されるオリンピックの懸念点は年々厳しくなる暑さです。酷暑に対する対策として政府はサマータイム制度の導入を検討して欲しいという要望があったと報じられています。しかし、サマータイム導入は賛否両論。日本でサマータイムが導入されると労働環境にどのような影響がでるのでしょうか?

1.サマータイムって何?

サマータイムとは、日照時間の長くなる時期に明るい時間を有効活用するという意味で時計の針を1時間進めることを言います。

アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどの一部の地域ではサマータイムが導入されています。実施時期などは国によって異なりますが、概ね3月~11月の間に行われています。

サマータイムが導入されている国

2.実は日本でもサマータイムが導入されていたことがあった

1948年、第二次世界大戦集結から3年後にGHQの指示のもと夏時刻法という法律が制定され、1951年までの3年間、日本でもサマータイムが導入されました。

1952年のサンフランシスコ講和条約により日本はアメリカの支配下から独立することになり、その際にサマータイムも廃止されることになりました。

廃止の背景には、労働環境の悪化や生活リズムの乱れなどが挙げられます。特に、当時の日本は農業が中心であったため、農家の方の生活リズムに対する影響が廃止の最も大きな要因とも言えます。

3.サマータイムの導入で考えられる労働環境への影響

サマータイムの導入は、太陽の出ている時間の有効活用となるため、省エネやプライベートな時間の有効活用などのメリットがありますが、賛否両論でる背景には、労働問題への影響が考えられます。

(1)労働時間が長くなる可能性がある

結局仕事が終わる時間は変わらない

日本の労働環境は始業時刻の徹底はされていても、終業時刻は徹底されることはなく、残業などの長時間労働が問題視されているという現実があります。

サマータイムの導入で、出勤時間が1時間早くなったとしても、帰宅時間は同じということも考えられるのです。そうなってしまうと、単純に労働時間が伸びてしまうことになり、結果的には過重労働により心疾患が増える可能性もあります。

(2)対応のために開始前と終了前に追われる人たちがでる

システムの改修に追われて残業をしないとならない

時計の針を1時間進めるということは、単純なことではありません。

時間によって管理されているシステムはすべてサマータイムの開始直前にサマータイム用に改修する必要があり、サマータイム終了時には元に戻すという作業が必要になります。

かつて、1999年から2000年に切り替わる際には、システムの改修にかなりの労力を費やしたというエンジニアさんも多いことでしょう。

あの2000年問題のような事態が再度、起こる可能性があるということになります。

また、場合によっては2019年に試験運用を行う可能性が出てきます。2019年は、平成から新しい年号に変わる年です。ただでさえ、それに併せた改修作業も必要となるのにサマータイムの対応も!となれば、必然的に残業が増えてしまう可能性もあり、働き方改革とは正反対な事態に陥る可能性も考えられます。

(3)生活リズムを1時間ずらすことになる

生活リズムを1時間ずらすということは、簡単なことではありません。

習慣になっていることをすべて1時間早くしなければならないのです。体が慣れるまでの間はやはり、体調を崩すなどの悪影響も考えられます。

生活リズムが乱れると、自律神経にかかる負担が大きくなり、自律神経失調症などになる可能性があります。

まとめ

サマータイムの導入には賛否両論あり、今後、いろいろな議論がなされることと思います。

残業時間の削減や過労死を防ぐ対策など労働問題の改善を図る必要がある現在の日本で、サマータイムを導入するためには、そのためのしっかりとした労働環境の改善を行わないと難しいのではないかと個人的には思います。

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