メンタルヘルス対策~早期発見・早期対応が大切

過労死
過労死

仕事が原因でうつ病やパニック障害などの精神障害を発症し、自殺してしまうケースは、残念ながらまだ改善の兆しを見せません。

このようなメンタルヘルスの悪化は、早期発見・早期対応が最も大切です。

精神科を受診するのに抵抗があるのであれば、心と身体の両面から診察してくれる心療内科を受診するのもよいでしょう。

メンタルヘルスが悪化しても、本人にはその自覚がない場合もありますので、ここでは、うつ病やパニック障害の代表的な症状についてご紹介します。

うつ病やパニック障害で休職したい場合や、職場のハラスメント問題について専門家に確認したりフォローを依頼したい場合には、労働問題に詳しい弁護士に早めに相談することをおすすめします。

1.増加する過労自殺

長時間労働や過剰なノルマや、パワハラやセクハラなどが原因でうつ病やパニック障害を発症し、自殺してしまうケースがあります。

 

うつ病にかかったばかりの時期や治りかけの時期は、とくに自殺のリスクが高くなるといわれています。

しかし、まず忘れてほしくないのが、「こんなことで負けてはダメだ。もっと頑張れるはず」と思う必要はないということです。

あまりにも辛い状況なのであれば、その状況から一刻も早く抜け出すことが大切なのです。

ここではうつ病やパニック障害の症状についてご紹介します。

当てはまる症状がある場合には、早めにメンタルクリニックなどを受診するようにしましょう。

2. メンタルヘルスは早期発見が重要

メンタルヘルスが悪化した場合には、早期発見し休養をとることが最も重要です。身体の病気と同様、心の病気も対応が遅れれば遅れるほど、回復が遅れてしまいます。

多忙な生活のなかで自分の心の小さな変化に気づくことは容易なことではありませんが、気になる症状があれば、「気のせいだ」と放置するのではなくメンタルクリニックを受診したり、労働問題に詳しい弁護士などに相談するようにしましょう。

(1) うつ病の症状

うつ病の症状としては、以下のような症状が挙げられます。

以下の症状に当てはまる人は、うつ病を発症している可能性があります。

これらの症状を放置しておくと、症状はますます悪化してしまうことがありますし、集中力や注意力が落ちてしまうと、ケガをしやすくなったり事故を起こしやすくなってしまうということもあります。

 

~行動から見られる症状~

 

* 痩せてきた(太ってきた)

* ゆっくりにしか動けなくなった

* 上手に笑えなくなった

* 物忘れがひどくなった

* 顔色が悪い

* 朝起きることが出来ず、遅刻や欠勤が増えてきた

 

~自覚症状~

 

* 気分が落ち込む

* 今まで好きだったものへの趣味や関心が低下した

* 焦燥感、イライラを感じる

* 無気力

* 食べ物を美味しいと感じない、食欲が低下した

* 集中力や思考力が低下した

* 虚脱感、疲労感、倦怠感を感じる

* 自信を喪失し、自己嫌悪感を感じる

* 便秘や下痢を繰り返す

* なかなか寝付くことが出来ない

* 寝ても疲れが取れない

* 早朝に目が覚め、なかなか寝付くことが出来ない

* アルコール、たばこの量が増えた

(2)パニック障害の症状

パニック障害とは、理由もなく激しい発作に襲われ過呼吸などの症状を起こしてしまうことです。

職場でハラスメント被害に遭い、長く我慢を強いられているうちに心のバランスを崩して、パニック障害を起こしてしまうケースが増えています。

パニック障害の症状としては、以下のような症状が挙げられます。

以下の症状に当てはまる人は、パニック障害を発症している可能性があります。早めに専門のクリニックを受診し、適切な治療を受ける必要があります。

 

* 胸が苦しくなったり、激しい動機を感じる

* 暑くないのに汗をかく

* めまいを起こしたり、足元がふらついたりする

* 頻繁にトイレに行きたくなる

* 身体や手足が震える

* 吐き気がする

(4)PTSDの症状

PTSDとは、自然災害や人工災害、事故を目撃したり、戦争や性的虐待、家庭内暴力、犯罪などの被害に遭うなど、大きな脅威や苦悩を感じるストレスの多い出来事を体験した人の心の傷のことです。

最近は、職場のいじめや、長時間労働や過剰なノルマなど継続的な心への負荷についても、PTSDを発症するケースが増えています。

PTSDの症状としては、以下のような症状が挙げられます。

* 繰り返しフラッシュバック(再体験)する感覚を覚える

* 体験したことを繰り返し悪夢に見る

* 眠れなくなる

* 集中力が低下する

* 喜怒哀楽の感情が麻痺する

* 過剰に警戒する

* ショックを受けやすくなる

* 自殺願望を持つ

3.周囲はどう対応すべきか

うつ病やパニック障害は、自分では気づかないケースが多いものです。

「最近眠れない」「イライラする」など相談された場合や、笑顔がなくなってきた同僚などがいれば、出来るだけ早めに話を聞く機会を持ち、専門家へ相談することを勧めてみましょう。

本人も症状に苦しんでいるのですから、周囲が温かく話を聞き親身にアドバイスすれば、クリニックを受診したり弁護士に相談するなど、適切な対応をとることが出来るはずです。

なかには「精神に問題があるように言われた」と不快感をあらわにする人もいますが、「早く元気になってほしい」という気持ちを誠意を持ってきちんと伝え、誤解を解くようにしましょう。

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