雇用保険の基本手当(失業保険)は会社を退職した翌日から1年間が受給期間として定められています。
基本手当(失業保険)は就職の意欲があり、いつでも就職することができる状態にある方でなかなか仕事が見つからない失業状態の場合に給付される手当です。
つまり、すぐに就職できない状態の場合には基本手当(失業保険)を受け取ることが出来ない可能性があります。
受給期間中に一定の理由によっては受給期間の延長が認められることがあります。
今回は、基本手当(失業保険)の受給期間延長についてご紹介します。
1.失業保険の受給期間
失業保険の給付を受けるためには、退職後にハローワーク(公共職業安定所)に求職申込と失業保険を受給するための申請手続きを行います。
失業保険の給付期限は退職日の翌日から1年間となります。
そして、この1年間の間で、退職理由と雇用保険の加入期間等により個別に給付期間が定められています。
―自己都合退職での給付期間は90日~150日―
自己都合退職の場合、雇用保険の加入期間によって給付期間は90日~150日となります。
また、自己都合退職の場合、給付制限期間(3ヶ月)が設けられています。
―会社都合退職での給付期間は90日~330日―
会社都合退職の場合、雇用保険の加入期間に加え年齢によっても給付期間が異なります。
2.受給期間延長ができるケース
失業保険は最初にご説明したように、「就職の意欲があり、いつでも就職することができる状態にある方で、なかなか仕事が見つからない失業状態」の場合に給付される手当です。
そのため、すぐに就職できない状態の場合には、失業給付を受けることが出来ません。
しかし、「すぐに就職できない」理由が下記に該当し、すぐに就職できない状態が30日以上続く場合には、受給期間の延長を申請することが出来ます。
直ぐに就職できない理由 |
①病気やケガによって、すぐに働くことができない方
②妊娠・出産・育児(3歳未満)によってすっぐに働くことが出来な方
③介護のためにすぐに働くことが出来ない方
④60歳以上の定年退職された方で、退職後に休養を希望される方
延長申請を行うことで、働くことが出来る状態になった時に、失業保険を受け取ることができるようになります。
ただし、受給期間の延長には期限があります。
・①~③の理由によって受給期間を延長する場合
本来の受給期間(1年)+最長3年
・④の理由に寄手受給期間を延長する場合
本来の受給期間(1年)+最長1年
3.受給期間延長のための手続き
受給期間延長はご自身が住んでいる地域のハローワーク(公共職業安定所)にて申請手続きを行います。
定年退職後の休養による受給期間延長のみ窓口での申請が必須となりますが、それ以外は郵送等による申請も可能です。
(1)申請に必要な書類
受給期間延長の申請には下記の書類が必要です。
申請に必要な書類 |
☑受給期間延長申請書(ハローワークでももらえます)
☑離職票-2(退職した会社で発行してもらえます)
☑延長理由の確認書類(診断書や母子手帳など)
☑印鑑
定年退職後の休養による受給期間延長の場合、延長理由の確認書類は必要ありません。
(2)受給期間延長申請の期間
受給期間延長申請は、引き続き30日以上職業に就くことが出来なくなった日の翌日から申請可能期間となります。
以前は、この申請可能期間が1ヶ月間でしたが、平成29年4月1日から1ヶ月という期間の定めが無くなりました。それにより、受給期間の最後の日まで申請することが出来ます。
4.受給期間延長を解除するときの手続き
受給期間延長の理由が解消され、就職できる状態になったら受給期間延長の解除手続きを行います。
受給期間延長のする際に必要な書類 |
☑延長理由の確認書類
☑受給期間延長通知書
☑雇用保険被保険者証
☑離職票ー1
☑離職票ー2
☑本人確認書類
☑顔写真2枚(300㎜×250㎜)
☑印鑑
☑通帳等銀行口座が分かるもの
まとめ
会社を退職後、すぐに就職することが出来ない状態が30日以上続く場合には、ハローワーク(公共職業安定所)で、受給期間延長の手続きを行うことで、失業保険の給付期間を延長してもらうことが出来ます。
給付期間の延長をする場合、申請が遅くなってしまうと、所定給付日数分を受給することが出来なくなる可能性があります。手続きはなるべく早く行うようにしましょう。