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仕事を退職した後、手続きを行うことで受け取ることができる失業保険は、雇用保険の基本手当のことを言います。
この基本手当(失業保険)について、「会社を退職したらすぐにもらえるの?」「再就職するまで受け取れるの?」などの疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
どのような理由で退職したにせよ、生活をするためにはお金が必要です。今回は、雇用保険の基本手当(失業保険)の給付期間についてご紹介します。
1.自己都合退職と会社都合退職
会社を退職する理由の起因には「自己都合」と「会社都合」があります。
基本手当(失業保険)をはじめとする、雇用保険の給付制度では、この自己都合退職と会社都合退職によって要件が異なるものがあります。
(1)自己都合退職とは
自己都合退職とは、ご自身の事情によって会社を退職することを言います。家庭の事情や転職、独立などによって退職される場合には基本的にはすべて自己都合退職となります。
(2)会社都合退職とは
会社都合退職とは、自己都合とは異なり、会社の事情によって退職せざるを得ないケースを言います。
上記に該当する場合には会社都合退職となります。
ただし、上記の状況をご自身が想定し、自ら退職を申し出た場合や、退職勧奨でご自身が退職を切り出した場合や合意解約を行った場合には自己都合退職となりますのでご注意ください。
2.自己都合退職と会社都合退職では給付期間が異なる
雇用保険の基本手当(失業保険)は、上記でご説明した「自己都合退職」と「会社都合退職」のどちらで会社を退職したかによって給付期間が異なります。
(1)自己都合退職での給付期間
自己都合で退職した場合、給付期間は90日~150日となり、雇用保険の加入年数によって日数が異なります。
(2)会社都合退職での給付期間
会社都合で退職した場合、給付期間は90日~330日となり、雇用保険の加入期間以外に、年齢によっても給付期間が変わります。
3.受給開始までの期間も自己都合と会社都合で異なる
雇用保険の基本手当(失業保険)の給付を受けるためには、会社を退職してからハローワークで手続きを行う必要があります。
手続きを行った後、本当に会社を退職したかどうかを確認するための「待機期間」が設けられており、7日間の待機期間を終えてから給付を受けるための説明を受け、基本手当を受ける資格がもらえることになります。
会社都合退職の場合には、7日間の待機期間終了したら退職の翌月から受給がスタートしますが、自己都合退職の場合には、7日間の待機期間終了後、さらに3ヶ月経過してから受給スタートとなります。この3ヶ月を「給付制限期間」と言います。
4.基本手当(失業保険)の給付までの流れ
(1)求職申込と受給申請手続き
ご自身の住所地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)で求職申込と受給申請を行います。この際に、離職票が必要となりますので、会社を退職する際には必ず離職票をもらうようにしましょう。
また、離職票以外にも下記を準備しておきましょう。
(2)受給説明会
求職申込と受給申請手続きを行うと、受給説明会の日程が指定されます。この説明会は求職活動や基本手当(失業保険)の受給に関する説明会です。必ず出席してください。
説明会終了後に、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取り、失業認定日がいつになるかが決定します。失業認定日は、会社都合退職の方は1か月後、自己都合退職の方は3か月後となります。
-失業認定日までの間につき1回以上の求職活動が必要―
失業認定日までに月に1回以上の求職活動が必要となります。自己都合退職の場合には3ヶ月の給付制限期間がありますので、3回以上の求職活動が必要です。
行った求職活動は、必ず失業認定申告書に記載する必要があります。
(3)失業認定日
ハローワークから指定された失業認定日に、ハローワークで1回目の失業認定を受けます。この際に失業認定報告書を提出します。
失業認定報告書には、上記で説明したように求職活動に関する報告と、失業認定日までの間にアルバイト等で収入を得た場合には、勤務日数と給与を記載する必要があります。
失業認定を受け、受給資格者に認定されると基本手当(失業保険)を受け取る権利が発生します。
(4)給付金受取
給付金は指定した口座に振り込みで支給されます。失業認定日から5営業日後には入金される流れとなります。
-給付期間中は月1回の報告が必須-
基本手当(失業保険)の受給は、再就職が決まるまでもしくは給付期間の上限に達するまで月に1回以上求職活動を行い、失業認定報告書の提出を繰り返す必要があります。
失業認定報告書を提出、5営業日後に入金という流れは変わりません。
まとめ
雇用保険の基本手当(失業保険)は、会社を退職した理由が「会社都合」か「自己都合」かによって給付金の受給開始に約2か月の差が生じます。
また、給付期間については雇用保険の加入期間等によって異なりますが、最大の給付期間日数は180日の差が生じます。
しかし、どちらにしてもまずはハローワークで給付を受けるための手続きを行う必要がありますので、会社を退職したら速やかにハローワークで手続きを行いましょう。