労働災害
労働災害とは業務中・通勤中など業務に従事することによって起こった傷病を言います。業務中に(または業務と因果関係があり)起こったケガ、病気、死亡等は業務災害、通勤中に起こった場合には通勤災害、第三者による不法行為によって起こった場合には第三者行為災害と呼ばれます。近年では、過労死も労働災害と認められるケースがあります。
2018.03.16

労災に遭って働けない時の「休業(補償)給付」

労災保険とは、仕事が原因で生じたケガや病気をして治療が必要になった時や、働けなくなってしまった時の生活費を補償してもらう制度です。

労災認定されると、治療費を全額支給してもらうことができますし、入院費や手術費用、休業中の生活費なども支給されることになります。

ここでは労災保険の保険給付のうち「休業(補償)給付」について、ご紹介します。

1.労災とは

労災保険は、ケガや病気の治療費、働けない間の所得補償、後遺症が残った人に対する年金支給など、さまざまな種類の給付があります。

また実際に労災でケガをしたり病気になってしまった労働者本人だけでなく、労働者の方が亡くなられた時には、そのご遺族に対しても葬祭料や遺族給付などが支給されます。

2. 休業中の生活費を補償してくれる「休業(補償)給付」

「休業(補償)給付」とは、労災に遭った労働者が、療養のために働けなくなった時の所得補償として支給される給付です。

業務災害の時には「休業補償給付」、通勤災害の時には「休業給付」が支給されます。

うつ病やパニック障害、適応障害などの精神障害も、労災の対象となっていますので、診断書をもらって労災申請を検討されることをおすすめします。

もし労災認定されなかったり、認定内容に不服がある場合には、労災問題に詳しい弁護士に相談されるとよいでしょう。

(1) 休業(補償)給付をもらうための要件

休業(補償)給付を受けるためには、以下の3つの要件が揃った時に、休業4日目から支給されます。

 

  1. 労災によって療養している
  2. 働けない
  3. 賃金が支払われていない

 

なお、この際には「休業特別支給金」も上乗せされて支給されます。

 

休業(補償)給付と休業特別支給金の支給額は以下のとおりです。

 

* 休業(補償)給付=給付基礎日額の60%×休業日数

* 休業特別支給金=給付基礎日額の20%×休業日数

休業の初日から3日目までは「待期期間」といい、この間は業務災害の場合には、会社が労働基準法の規定に基づいて休業補償(1日につき、平均賃金の60%)を支払う必要があります。

支給される条件である「働けない」についてですが、これは丸1日働けないことを言うわけではありません。

ちょっとでも働いて給付をもらった場合には、給付基礎日額から実際に働いた分の給付を差し引いた額の60%が支給されることになります。

(2) 休業(補償)給付をもらうための手続き

休業(補償)給付と休業特別支給金は同時に請求します。

「休業補償給付支給請求書・休業特別支給金申請書」を所轄の労働基準監督署に提出します。なお休業(補償)給付は、療養のために労働することができなくなり賃金を受けない「日ごと」に請求権が発生します。

そして、その翌日から2年が経過すると、時効により請求権が消滅してしまいますので、請求は早めに行うようにしましょう。

3. 長期の療養が必要な時には「傷病補償年金」

前述したとおり、休業(補償)給付は、療養のために労働することができなくなり賃金を受けない「日ごと」に請求権が発生します。

このため長期の療養が必要になった時には請求手続きが面倒ですし、生活も不安定になってしまいます。

そこで労災保険では、長期の療養が必要になった人で症状が比較的重い人には、休業補償給付に代わって「傷病補償年金」を支給します。

(1)傷病補償年金をもらうための要件

傷病補償年金は、療養開始後1年6か月を経過した日以降に傷病がまだ直っておらず、傷病等級1級から3級に該当したときに支給されます。

ですから療養開始後1年6か月を経過したに傷病等級に該当しない場合には、引き続き休業補償給付が支給されます。

 

なおケガや病気が治癒しても、もし一定の後遺症などが残った場合には「障害補償給付」が支給されます。

(2) 傷病補償年金は「職権」で支給される

傷病補償年金は、労働基準監督署の署長の職権で支給するか否かが決定されます。

ですから、ほかの給付と違って請求手続きは特に必要ではありません。

しかしいくら手続きが必要ではないとしても、傷病補償年金を支給するか否かの判断資料は少なくとも必要になります。

そこで休業補償給付を受けている人で療養開始後1年6か月を経過している人は、「傷病の状態等に関する届書」を所轄の労働基準監督署に提出して、傷病の状態を報告します。

 

労働基準監督署では、この届書をもとに、休業補償給付の給付を続けるか、傷病補償年金を支給することにするかを決定します。

(3) 傷病補償年金の支給内容

傷病補償年金の支給内容は、傷病等級に応じて、傷病(補償)年金、傷病特別支給金および傷病特別年金が支給されます。

 

* 傷病等級第1級

傷病(補償)年金:給付基礎日額の313日分

傷病特別支給金:114万円

傷病特別年金:算定基礎日額の313日分

 

* 傷病等級第2級

傷病(補償)年金:給付基礎日額の277日分

傷病特別支給金:107万円

傷病特別年金:算定基礎日額の277日分

 

* 傷病等級第3級

傷病(補償)年金:給付基礎日額の245日分

傷病特別支給金:100万円

傷病特別年金:算定基礎日額の245日分

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