労働災害
労働災害とは業務中・通勤中など業務に従事することによって起こった傷病を言います。業務中に(または業務と因果関係があり)起こったケガ、病気、死亡等は業務災害、通勤中に起こった場合には通勤災害、第三者による不法行為によって起こった場合には第三者行為災害と呼ばれます。近年では、過労死も労働災害と認められるケースがあります。
2017.10.08

死亡災害が起きた場合の示談手続き

 

労働災害が発生した場合には、療養(補償)給付や休業(補償)給付を受けることが出来ます。

身体障害が残ってしまった場合や、亡くなった場合には、遺族(補償)給付や葬祭給付(葬祭料)を受けることが出来ますが、この場合には別途示談が必要となります。

1.死亡災害の示談

労働災害が発生した場合には、労災補償の対象となり労災保険による治療や休業補償を受けることが出来ます。

一定の身体障害が残ってしまった場合には障害(補償)給付を受けることが出来ますし、亡くなった場合には、遺族(補償)給付や葬祭給付を受けることが出来ますが、これらとは別に示談を行うことが必要となります。

示談が不調に終わった場合には、民事訴訟などの裁判手続きを利用することになりますので、示談は慎重に進める必要があります。

(1) 示談の相手

死亡災害が起きた場合の示談の相手は、一般的には遺族です。

この場合に言う「遺族」の範囲は、労基法に基づき下記のように規定されています。

遺族補償を受けるべき人が同順位で2人以上いる場合には、その人数で等分することになります。

* 配偶者(事実婚含む)

* 子または父母・孫または祖父母

配偶者がいない場合には、労働者の子、父母、孫および祖父母で、労働者の死亡当時その収入で生計を維持していた者または労働者の死亡当時生計を共にしていた者です。

* 兄弟姉妹

上記配偶者、子または父母・孫または祖父母がいない場合は、労働者の兄弟姉妹となります。その順位は、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順序となります。

兄弟姉妹については、労働者の死亡当時その収入で生計を維持していた者または労働者の死亡当時そのものと生計を共にしていた者が先となります。

* 遺言書がある場合の例外

労働者が遺言書を残していた場合には、上記規定にかかわらず、遺族補償を受けるのは、遺言書で指定されている者とされます。

(2) 示談書作成のポイント

労災の示談書とは、会社側と遺族側との和解書類のことをいいます。

書類に不備があると後々思わぬトラブルに発展することがありますので、弁護士に相談し依頼することをおすすめします。

* 示談書の相手方は、労災保険法上の遺族である必要があります。複数いる場合には、代表者を選任するか、全員を連名にするかを決める必要があります。

 

* 「○年○月○日、どこで発生し、誰が死亡したか」など、示談の元になった災害が特定されていることが必要です。

 

* 「本書を持って、甲(遺族)と乙(会社)の間のすべての債権債務関係が終了することを確認する」などの文言が必要です。

 

* 遺族側は印鑑証明が添付されていることが必要です。

(3) 示談金額の決定法

示談金額を決定する際には、さまざまな事情が考慮されます。

一般的には逸失利益と精神的苦痛に対する慰謝料に分けられ、その合計金額が示談金額となります。

逸失利益とは、その死亡災害が起きた結果本人が将来得られたはずの利益のことをいいます。

 

慰謝料は、精神的な苦痛に対する補償という意味合いがありますので、その算定もかなり困難です。会社側の適応に不手際があった場合には、それが増額要因になったりすることもあります。

また、亡くなった被災者本人に落ち度があった場合には、その過失割合の程度によって示談金額が減額することもあります。

2. 示談する際の注意点

示談は相手があることですから、こちらの主張を押し付けるだけでは思うように勧めることは出来ません。気持ちが落ち着くまで待ってもらい、慎重に進めるようにしましょう。

一般的には、示談を行うのは四十九日を過ぎてから本格的に行われるケースが多いようです。

(1) 示談は弁護士に依頼すべき?

死亡災害が発生し、会社側と示談交渉を行うことになったら、早めに弁護士に相談するのをおすすめします。場合によっては、示談の最初から会社側の弁護士が介入してくる場合もありますので、早めに弁護士に相談しておくとよいでしょう。

労災の基本的な知識がなく、言われるがままに提示された示談内容に応じてしまうのは、大変危険です。

最初に提示される示談内容は、本来もらえるはずの損害賠償額よりも低いことがほとんどです。交渉に弁護士が介入することで、当初提示された示談内容が何倍も増額されるケースは決して珍しくありません。

まずは弁護士に相談して、提示された示談内容について、それが適正な内容か否か確認してみましょう。

また、いつでも弁護士に相談してアドバイスを受けられる体制を確保しておくと、安心して示談交渉を進めることが出来ます。

 

なお、示談の内容によっては、労災補償の内容が変わることがありますので、その点も留意する必要があります。弁護士だけではなく、労働基準監督署との連絡も密にしておくと、さまざまなアドバイスを受けることが出来るでしょう。

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