目次
- 1.会社都合と自己都合の違い
- 2.雇用保険で受け取られる給付について
- 3.再就職手当を受け取るための要件とは?
- (1)待機期間終了後に再就職をしていること
- (2)基本手当の支給日数が1/3以上残っていること
- (3)退職した会社への再就職や退職した会社と密接な関わり合いのある会社への就職ではないこと
- (4)自己都合退職など給付制限(基本手当の支給がない3か月間)がある場合は、待機期間と給付制限の最初の1ヶ月はハローワークや厚生労働大臣の許可がある職業紹介所からの求人で就職すること
- (5)再就職先では原則として1年以上継続して雇用されることが確実であること
- (6)雇用保険に加入する労働条件で再就職すること
- (7)過去3年以内で当該手当(再就職手当)、常用就職支度手当、早期就職者支援金を受けていないこと
- (8)ハローワークへ求職の申し込みを行う前に内定が確定した就職先ではないこと
- (9)再就職手当の支給決定日までに離職していないこと
- 4.再就職手当はどれくらいもらえるの?
- 5.再就職手当の支給申請の方法とは?
- 6.会社都合退職と自己都合退職ではどのくらいの差がでる?
- まとめ
皆さんが加入している雇用保険は、主に失業時に受け取ることができる基本手当(失業手当や失業保険などと呼ばれることもある)が有名ですが、実は、それ以外にも様々な給付があります。
今回は、基本手当を受け取ることが出来る方が再就職をした場合に給付される再就職手当についてご紹介します。
- 1.会社都合と自己都合の違い
- 2.雇用保険で受け取られる給付について
- 3.再就職手当を受け取るための要件とは?
- (1)待機期間終了後に再就職をしていること
- (2)基本手当の支給日数が1/3以上残っていること
- (3)退職した会社への再就職や退職した会社と密接な関わり合いのある会社への就職ではないこと
- (4)自己都合退職など給付制限(基本手当の支給がない3か月間)がある場合は、待機期間と給付制限の最初の1ヶ月はハローワークや厚生労働大臣の許可がある職業紹介所からの求人で就職すること
- (5)再就職先では原則として1年以上継続して雇用されることが確実であること
- (6)雇用保険に加入する労働条件で再就職すること
- (7)過去3年以内で当該手当(再就職手当)、常用就職支度手当、早期就職者支援金を受けていないこと
- (8)ハローワークへ求職の申し込みを行う前に内定が確定した就職先ではないこと
- (9)再就職手当の支給決定日までに離職していないこと
- 4.再就職手当はどれくらいもらえるの?
1.会社都合と自己都合の違い
会社を退職する理由は様々ですが、退職の理由の原因によって「会社都合」と「自己都合」の2つに分類されます。
失業保険は会社都合退職と自己都合退職では、失業保険で受け取れる手当の額の違いなどがあるため、どちらで会社を退職したのかが重要なポイントとなります。
(1)会社都合退職
会社都合退職は、字の通り会社の都合によって退職する必要があるケースを言います。一般的には下記のような状況で退職した場合には会社都合退職に該当します。
倒産や経営不振、リストラなどを本人が想定して、自ら退職を申し出た場合には自己都合退職となります。また、退職勧奨の場合においても、自ら退職を切り出すなどの行為があった場合には合意解約や自己都合退職と判断され、会社都合退職にならないため注意してください。
(2)自己都合退職
自己都合退職は、自分の都合によって会社を退職するケースを言います。例えば転職や結婚、介護などが理由の場合には基本的には自己都合退職となります。
ただし、自己都合退職であっても以下のようなケースでは会社都合にできる可能性があります。
自己都合退職を会社都合退職として判断してもらうためには、就業規則や労働契約書、タイムカード、給与明細など証拠となるものの提出が必要となります。
2.雇用保険で受け取られる給付について
(1)雇用保険について
雇用保険は失業者の生活の安定や、再就職を促すことを目的としています。雇用保険は厚生労働省の管轄となりますが、実務は公共職業安定所(ハローワーク)が行っています。
雇用保険は社会保険制度の労働保険に該当し、労働者を雇用している会社と労働者の双方が保険料を納めています。原則として会社に勤めている従業員は全員が加入する必要があり、加入の判断を個人で行うことは出来ません。
(2)雇用保険によって受けられる給付
雇用保険には様々な給付があり、雇用保険に加入している人であれば要件を満たすことで給付を受けることが出来ます。
雇用保険給付の基本手当が、失業保険や失業手当と言われる手当となります。
3.再就職手当を受け取るための要件とは?
雇用保険に加入していたことで受けることができる給付のひとつ就職促進給付の再就職手当は、基本手当を受けることが出来る方が、再就職した際に一定の要件を満たすことで受け取ることが出来る手当です。
再就職手当を受け取るためには下記の要件を満たしている必要があります。
(1)待機期間終了後に再就職をしていること
基本手当を受給するためには、退職後10日以内に基本手当受給のために必要となる「雇用保険被保険者離職票」と「雇用保険被保険者証」を受け取り、住民票のある住所地を管轄しているハローワークに提出します。提出日を含めた7日間が待機期間となります。
(2)基本手当の支給日数が1/3以上残っていること
再就職の前日までにハローワークで失業認定を受けており、基本手当の支給日数が1/3以上残っている必要があります。ちなみに、この基本手当の支給日数の残りが1/3以上と2/3以上では給付率に差が生じます。詳しくは事項でご説明します。
(3)退職した会社への再就職や退職した会社と密接な関わり合いのある会社への就職ではないこと
(4)自己都合退職など給付制限(基本手当の支給がない3か月間)がある場合は、待機期間と給付制限の最初の1ヶ月はハローワークや厚生労働大臣の許可がある職業紹介所からの求人で就職すること
(5)再就職先では原則として1年以上継続して雇用されることが確実であること
1年以下の雇用期間や雇用契約更新で、一定の目標達成が必要なケース(条件付き雇用)の場合はこの要件に該当しないことになります。
(6)雇用保険に加入する労働条件で再就職すること
(7)過去3年以内で当該手当(再就職手当)、常用就職支度手当、早期就職者支援金を受けていないこと
(8)ハローワークへ求職の申し込みを行う前に内定が確定した就職先ではないこと
採用の内定を受けた日が受給資格決定日以降でないと再就職手当を受け取ることが出来ません。ハローワークへの登録前にすでに就職が決まっている場合は対象外となります。
(9)再就職手当の支給決定日までに離職していないこと
4.再就職手当はどれくらいもらえるの?
先ほど触れたように、再就職手当は基本手当の支給日数の残りがどの程度かによって給付率が異なります。支給日数の残りが多い方の方が10%給付率が高くなります。
再就職手当の金額は下記の算出式を用いて計算することが出来ます。
所定給付日数と支給残日数は下記の表を参考にしてみてください。
就職日が平成29年(2017年)1月1日よりも前の場合は、支給残日数に対する支給率が上記よりも10%ずつ低くなります。
-基本手当日額はどうやってわかるの?-
基本手当日額は雇用保険受給資格証で確認することが出来ます。
ちなみに、基本手当日額は上限が設定されています。基本手当日額には上限額がありますのでご注意ください。
5.再就職手当の支給申請の方法とは?
再就職手当の給付を受けるには、再就職した翌日から1ヶ月以内に支給申請書を住所地を管轄するハローワークへ郵送します。
申請期限は1ヶ月となっていますが、2年の時効が設定されていますので、申請期限を過ぎてしまっても再就職日の翌日から2年を経過するまでであれば申請することが可能です。
再就職手当の給付を受けるまでの流れは下記の通りです。
6.会社都合退職と自己都合退職ではどのくらいの差がでる?
ここまで、再就職手当の要件等についてご紹介しましたが、退職の理由が会社都合と自己都合では何に違いがあるのかイマイチ理解できないという方もいらっしゃると思うので、改めて、会社都合と自己都合の違いをまとめておきます。
再就職手当の給付要件でもご紹介したように、自己都合退職には給付制限があり、基本手当の支給開始まで通常の待機期間にプラス3か月の待機期間が設けられています。
また、再就職手当にも関係してくる給付残日数が180日間の差が生じます。また、会社を退職することによって国民健康保険に切り替える必要がありますが、自己都合退職の場合は退職後、すぐに通常納付を行う必要がありますが、会社都合退職の場合には最長で2年間の保険料が軽減されます。
まとめ
皆さんが毎月のお給料から引かれている雇用保険は、会社を退職して失業してしまった期間の生活のサポートなどを行ってくれます。会社を退職する理由は様々ですが、支払ってきた保険料を無駄にしないように雇用保険の給付を上手に活用し、再就職のための準備を行っていきましょう。
また、会社都合と自己都合では退職後に受けられる手当にも多少の違いが生じます。もし、ご自身の退職の原因が会社都合の可能性がある場合には、ハローワークや労働問題に精通した弁護士などに相談して見てください。