自己都合退職を会社都合退職に変更する方法

失業保険
失業保険

退職理由は大きく「自己都合退職」と「会社都合退職」に分類されます。

本当は会社都合退職なのに自己都合退職となってしまうと、失業手当(雇用保険の失業等給付の基本手当)をすぐに受給することができませんし、退職金の支給額に大きな差が出る場合もあります。

会社都合退職なのに、離職票の離職理由に「自己都合」と記載されていた李、無理に退職を迫られたので退職届を出してしまった…という場合には、会社都合退職に変更するよう会社に請求するか、労働問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

※失業保険は、現在は「雇用保険(基本手当)」が制度の正式名称ですが、ここではあえて分かりやすく説明するために一般的に使われている「失業保険」という用語を使うことにします。

 1.自己都合退職とは

自己都合退職とは、労働者が自らの意思で退職届を提出して辞めた場合で、履歴書に「一身上の都合により退職」と記載するケースです。退職理由のなかでは最も多いケースといえるでしょう。

自己都合退職とするメリット

自己都合退職は、会社都合退職と比較して大きなメリットがあるわけではありません。

退職後の転職活動において、会社都合退職だと、退職理由をしつこく聞かれる場合があったり、職務経歴書のアピールポイントが今ひとつ弱い印象になってしまう可能性があるが、自己都合退職であれば、それほど退職理由を深く追求されないかもしれない……という程度です。

2.会社都合退職とは

会社都合退職とは、リストラ、解雇、倒産、雇い止めなど会社の都合で退職する場合のことです。

なお会社は、好き勝手に労働者を解雇することはできません。

解雇するためには正当な理由が必要となりますし、30日前に解雇の予告をしたり、解雇を予告しないで突然解雇(即時戒告)するのであれば、解雇予告手当を支払う必要があります(※ただし労働者が刑法に違反するなどした場合には、解雇予告手当を支払わずに解雇できるなどの例外もあります)。

 会社都合退職とするメリット

会社都合退職は、失業保険の受給や退職金などの面で、自己都合退職より手厚い保護を受けることができます。

失業保険の給付も自己都合退職より早く給付され、退職金の支給額に大きな違いが出てくることもあります。

 

3.会社都合なら「自己都合」とすべきではない

会社都合退職に当たる場合には、自己都合退職とするべきではありません。

会社都合や解雇の場合は失業手当(雇用保険の失業等給付の基本手当)を退職後すぐに受け取ることができますが、退職届を提出してしまうと、自己都合退職扱いとなりますので、退職後3か月以降となってしまいます。また、退職金の支給額に大きな違いが出てくることもあり、場合によっては支給額に100万円~150万円の差がついてしまうケースもあるのです。

「会社都合とすると、転職活動に不利になるのではないか」と気にする人もいます。

確かに解雇やリストラ、倒産などは確かにネガティブな響きを持っていますが、採用担当者からすれば解雇やリストラなど日常茶飯事の話であり、それらの理由は個人の業績には関係ないケースがほとんどであることも分かっています。

ですから必要以上に気にすることはありません。

(1) 会社都合なのに退職届を出してしまったら

「辞めてもらえませんか」と会社がお願いするのは、退職勧奨であり違法ではありませんが、会社から「辞めてくれないか」とか「この会社に居場所はないよ」などとしつこく退職を迫られる場合は退職強要に当たり、違法です。

 

会社が労働者を解雇する場合には、解雇に正当な理由があることを証明しなければならないので、後々弁護士が介入し交渉することになった場合や、裁判などで争うことになった場合には、会社に不利になることがあります。

 

そこで、会社は労働者に辞めてほしい時に、その労働者にしつこく退職を迫って、労働者が自分から辞めるように仕向けるのです。

しかし、このような会社の手法にそのまま従う必要はありません。

退職届を出すよう言われても拒否することができますし、退職するべき理由を尋ねてもはっきりとした理由を示さずに嫌がらせをしてきたような場合には、損害賠償を請求できる場合もあります。

もし、会社に言われるがままに、うっかり退職届を提出してしまったとしても、その退職届は撤回することができますし、取消しや無効を主張することもできます。早めに弁護士に相談して下さい。

(2) 離職票に自己都合退職と書いてあったら

失業保険を受給するためには、離職票をもらってハローワークで手続きをする必要がありますが、会社都合退職なのに、離職票の離職理由欄に「自己都合退職」と記載されていることがあります。

しかし自己都合退職は、失業保険の受給が会社都合退職と比較して、大幅に遅れることになりますし、給付日数も大きな差が出ます。

 

例えば会社都合退職の場合には、最短で待期期間7日間の経過後にすぐに失業保険をもらうことができますが、自己都合退職の場合に失業保険をもらえるのは「7日間の待期期間+3か月の給付制限期間経過後」です。

 

もし会社都合退職なのに、離職理由が「自己都合退職」となっていた場合には、会社に訂正するよう求めましょう。

もし会社がこの要請に従わない場合には、弁護士に相談してみましょう。

退職後に、起業したいと考えている方

起業するためには、上手に資金調達することが大切です。

資金調達には、

①返済しなければならない融資

②返済しなくてもよい補助金・助成金があります。

融資については、

創業融資ガイド

補助金・助成金については、

助成金ドットコム

をご参照ください。

タイトルとURLをコピーしました