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失業保険の受給する期間は、原則として退職日の翌日から1年間となっています。
しかし、長期の病気や出産・育児などで、引き続き30日以上働くことができない状況になった場合や、60歳以上の定年退職者や、60歳以上の定年後の勤務延長もしくは嘱託雇用期間の満了によって退職した場合には、失業保険の受給期間を延長することが出来ます。
ここでは、失業保険の受給期間を延長できる場合の条件や、手続きについてご紹介します。
1.失業保険の受給要件
失業保険を受給するためには、以下の3つの条件が必要です。
* 雇用保険に加入していること
* 加入期間が退職前の2年間で12か月以上あること
* 失業状態にあり、ハローワークに求職の申し込みをすること
【1】雇用保険に加入していること
まずそもそもの大前提として、退職前に雇用保険に加入していた実績が必要です。
従業員を1人でも雇用している会社であれば、雇用保険に加入しなければなりませんので、もし雇用保険に加入していなかった場合には、さかのぼって加入してもらうように会社に依頼をしましょう。
なお雇用保険の加入条件は、①雇用契約期間が31日以上あること、②1週間の所定労働時間が20時間以上あることの2つの条件が必要となります。
【2】加入期間が退職前の2年間で12か月以上あること
失業保険に加入していても、入社後3か月で辞めるような場合は失業保険を受給することは出来ません。
ただし倒産・解雇などの会社都合退職などの「特定受給資格者」や、自己都合退職でも機関の定めのある労働契約が更新されなかったり、事業所の移転で通勤が困難になったなどのやむを得ない理由があって退職する場合の「特定理由離職者」は、離職の日以前1年間に、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が、通算して6か月以上あれば受給することが出来ます。
【3】失業状態にあり、ハローワークに求職の申し込みをすること
失業保険は、働く意思と能力がありながら失業状態にある人が、生活の心配をしないで安心して再就職活動が出来るようにサポートすることを目的として支給される制度です。
したがって、単に仕事をしていないというだけでは失業とは認定されませんので、ハローワークに求職の申し込みをすることが必要です。
つまり、失業保険は、出産や病気療養などの理由で、すぐに働くことが出来ない期間が受給することが出来ません。しかし産後休業明けに勤務できる状態になれば、失業保険を受給することが出来ますので、受給延長の手続きをしておきましょう。
2. 失業保険の受給期間の延長
失業保険の受給期間は、原則として退職日の翌日から1年間となっています。
けれども、長期の病気や妊娠・出産、親族等の看護をするために、引き続き30日以上働くことが出来ない状況となった場合には、受給期間を延長することが出来ます。
ただし、延長出来る期間は最大で3年間で、本来の受給機関と合わせて最大4年間が限度です。
(1) 延長が出来る理由
失業保険の受給期間を延長出来る理由は、次のようなケースです。
* 妊娠
* 出産
* 育児(3歳未満)
* 親族等の看護(6親等以内の血族、配偶者および3親等以内の姻族)
* 事業主の命令により海外勤務する配偶者に同行する場合
* 青年海外協力隊などの公的機関が行う海外技術指導による海外派遣
(2) 60歳から65歳未満の定年退職者の延長手続き
60歳以上の定年退職者や、60歳以上の定年後の勤務延長もしくは嘱託雇用期間の満了に寄り退職した場合は、1年を限度として失業保険の受給期間を延長することが出来ます。
なお、60歳で定年退職になった人で、期間の定めのある嘱託雇用契約で65歳まで再雇用されたものの、結局3年以上雇用されてその後更新されなかった場合には「特定受給資格者」として、会社都合退職と同様の扱いがされます。
3. 失業保険の延長手続き
延長申請を行う場合は、離職票などの必要書類を持参して、住所地を管轄するハローワークに申請します。委任状があれば代理人が申請することもできますし、郵送による提出も可能です。
(1) 延長を申請する期限
受給期間の延長申請ができるのは、上記のような理由で働くことができない期間が30日を経過した日から1か月以内が期限となっています。
なお60歳から65歳未満の定年退職者の受給延長手続きと申請期間や延長できる年数は異なります。また65歳以上で退職した場合には、受給期間の延長は出来ません。
(2) 延長申請に必要な書類と方法
必要書類は以下のとおりです。個々の状況によって異なりますので、ハローワークに問い合わせてみましょう。
* 離職票
* やむを得ない理由があることを証する書面(各安定所ごとに判断される)
* 受給期間延長申請書(安定所で交付されます)
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