会社で働く労働者でしたら、必ず労災保険に入ることになります。労災保険は仕事のうえでケガをしたり病気になったりしたことで業務に従事することが困難な状態になってしまった労働者の生活を守るための保険のことです。
しかし、労災保険は普段意識する機会が少ないために、詳しい内容を把握しているという人は少ないようです。
そこで今回は、そのような労災保険に関して改めて詳しく説明していこうと思います。
1.労災保険とは
雇い主が労働者を雇う場合は、必ず労働保険に加入しなければいけません。労働保険とは、労災保険と雇用保険を合わせた呼び方です。
労災保険とは、正式名称では労働者災害補償保険といいます。労災とは、業務上でのケガや仕事が原因の病気・体調不良のことなどを意味し、このような場合を保障するのが労災保険です。
労災保険の補償内容は病気やケガから後遺症や死亡までのさまざまな場合に備えた、幅広いものとなっております。
なお、労災保険は労働者が個人で加入するものではなく、会社が加入して労働者に適用するものです。そのため、労災保険の保険料は全額を会社が負担し、労働者が負担する必要がありません。
2.労災保険の保険料
労災保険の保険料は労働者に支払った給料の総額に労災保険料率を掛け合わせることで求めることができます。給料には毎月の給料の他にボーナスも含みます。
労災保険料率は業種ごとに細かく決められています。例えば、食料品製造業の場合は6/1000、小売業や飲食店の場合は3.5/1000とそれぞれ決められています。業種ごとに労災保険料率が異なっているのは、それぞれの業種の仕事によって危険度が違うからです。
労災保険料を申告する際には、4月から翌年の3月を一つの機関として扱い、その期間内での社員に支払った給料や賞与の合計を求めて、労災保険料率をかけて1年分の労災保険料率を求め、会社が雇用保険料と合わせて支払います。
継続事業の場合でしたら、その年に支払う予定の給料の総額に労災保険料率をかけた金額を概算保険料として一度支払った後、実際の金額との差額を期末後に清算します。
また、その年の途中から入社したり退職したりした際には、雇用関係の成立もしくは消滅の日から50日以内までに申告を行う必要があります。そして、概算保険料と実際の保険料との差額を後から清算します。
そして、社員数が100人以上いるような会社では労災利用率によって労災保険料が変わることもあります。ただし、そのような場合は労働局から通知がありますので、自分から申告をする必要はありません。
3.まとめ
会社で働いている会社員なら必ず加入している労災保険ですが、普段意識しないためになかなかその詳しい内容については知る機会がなかったかと思います。
しかし、仕事上で何があるかわからないため、労災保険のことを知っていることは重要です。もしもの時に備えて、この機会に労災保険について知ってみてはいかがでしょうか。