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失業保険の受給対象は「働く意思と能力がある人」をサポートするために支給される手当です。
したがって病気やケガですぐに働くことができない人は、失業保険を受け取ることができません。
このように病気やケガですぐに働くことができない場合には、失業保険の代わりに傷病手当が支給されます。
ここでは傷病手当の受給要件や、必要となる手続きについてご紹介します。
1.失業保険とは
失業保険とは、失業状態にある人が失業中の生活を心配しないで転職活動に専念して、1日も早く再就職できるようサポートするために支給される手当です。
正式には雇用保険の求職者給付の「基本手当」といいますが、一般的には「失業手当」とか「失業保険」と呼ばれることが多いため、ここでも失業保険と呼んで説明していきます。
失業保険は「働く意思と能力がある人」が対象
失業保険は、失業状態であり働く意思と能力がありながら、失業状態にある人の就職活動をサポートするための手当です。
ですから病気やケガ、出産・育児などの理由ですぐに働くことができない人は、失業保険をもらうことはできません。
この場合には、失業保険の受給を延長することができます。
失業保険の受給期間は、原則として退職日の翌日から1年間です。しかし、長期の病気や出産などで、引き続き30日以上働くことができない状況となった場合には、受給期間を延長することができます。
ただし延長できる期間は最大3年間となっており、本来の受給期間(1年)とあわせてトータル4年間が限度とされています。
2. 病気やけがで働けない人は「傷病手当金」
病気やけがで働けない人は失業保険の代わりに傷病手当が支給されます。
退職後に国民健康保険に加入した場合でも、退職前に傷病手当金を受けていて、退職前に会社の健康保険に継続して1年以上加入していれば、引き続き傷病手当金を受け取ることができます。
病気やけがで仕事ができない期間が継続して15日未満の短期間である場合には、ハローワークに行くことができない場合でも、証明書を提出して失業認定を受ければ失業保険が支給されるので、傷病手当は受け取ることができません。
(1) 傷病手当金の受給要件
傷病手当金は健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)に加入している人に対して支給される制度なので、国民健康保険に加入している人は対象になりません。
また、次の1から3のすべての条件を満たしている必要があります。
- 受給資格者であること
- 離職後ハローワークに出頭し、求職の申し込みをしていること
- 上記2の求職の申し込みをした後において、継続して15日以上病気やケガのために職業に就くことができないこと
(3) 傷病手当金の支給額と支給日数
傷病手当金は失業保険の代わりに支給されるものなので、支給額は失業保険の日額に該当する金額です。
支給日数は、失業保険の所定給付日数から、その受給資格に基づいてすでに失業保険を支給した日を差引いた日数です。
また、傷病手当が支給された場合には、その傷病手当が支給された日数に相当する日数分の失業保険は既に支給されたものとみなされます。
(4) 傷病手当金の手続き方法
傷病手当を受給するためには、仕事ができない状況が解消されてから、次の失業保険の支給日までに、傷病手当支給申請書と受給資格証を持参して、ハローワークで申請手続きを行う必要があります。
(5) 傷病手当金から失業保険への切替え
心身の状態が良好となり、転職活動ができるようになったら、ハローワークで求職活動の手続きをします。それ以降は失業保険がもらえるようになります。
2. 傷病手当は退職しないでももらえる
傷病手当は在職中ももらうことができます。
仕事以外の病気やケガなどで仕事ができない状態になったときに、健康保険から給付される所得保障です。病気やケガなどで4日以上連続して働くことができない状態になったときには、最大で1年6か月の間、健康保険料の負担なく傷病手当金の保証を受けることができます。
病気やケガが治り復職して、傷病手当金の支給対象から外れたあと、同じ病気のために再度休職した場合でも、支給期間は、最初の支給開始日から数えて1年6か月間です。
ただし復職後長期間勤務した後、また同じ病気になった場合は、新たに傷病手当金を受給することができるケースもあります。
休職中も給与が支払われている時はもらえない
傷病手当金とは、仕事以外の病気やケガなどで仕事ができない状態になったときに、その人をサポートするために支給される手当金なので、会社からその間も給与が支払われている場合には、支給されることはありません。
事業主(会社)から十分な報酬が受けられない時だけ、給与額の3分の2が給付されます。
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