パワハラ
パワーハラスメントとは職場内での立場や人間関係などを利用し、業務範囲を超えて精神的苦痛や身体的苦痛を与える行為やその行為により職場環境を悪化させることを言います。一般的に上司から部下というイメージがありますが、先輩・後輩間、同僚同士、部下から上司に対しての行為でも該当することがあります。
2017.09.20

新しいパワハラの形「資格ハラスメント」というパワハラ

 

職場で嫌がらせを受けるパワーハラスメント(パワハラ)の相談件数は年々増加していますが、最近難しい資格の取得を会社から求められ、取得できない場合には退職しろなどプレッシャーをかけて労働者を退職に追い込む「資格ハラスメント」が問題視されています。

しかし資格を取得できないからと言って、労働者を退職に追い込む行為はパワハラに該当する可能性があります。

ここでは、新たなパワハラの形態である「資格ハラスメント」についてご紹介します。

1.資格ハラスメントとは

最近、会社から一方的に難しい資格を取得するように言われ、取得できない場合に降格させられたり減給されたりするケースが相次いでいます。ひどいケースだと「こんな資格も取れないなら、会社を辞めろ」などと退職を迫ってくることもあります。

 

なかには「勤務中は資格取得のための勉強はするな。帰宅後か土日に勉強しろ」と、休日返上で勉強をさせ、肉体的にも精神的にも追い込む会社もあり、そのうえで資格を取得できなかった労働者の弱みに付け込み、減給、降格、退職勧奨するような行為を行うのです。

このような資格を取得できないからと言って、労働者を減給、降格したり退職に追い込むような行為は「資格ハラスメント」と呼ばれ、新しいパワハラの形態として注目されています。

 

仕事と勉強と会社からのプレッシャーを受け、追いつめられた労働者は自尊心を傷つけられ、自分から退職したいと思うようになってしまいがちです。

しかし資格を取得しないからと言って、、労働者を減給、降格したり退職に追い込むような行為は、パワハラであり許されるべきではありません。

 

資格ハラスメントは、労働者に自ら会社を辞めるように仕向けることができるので、会社が労働者の数を減らしたいという時に使われやすい手段のひとつとなってきていますが、安易に従う必要はありません。

(1) 資格ハラスメントはパワハラ

繰り返しますが、資格ハラスメントもパワハラの一種です。

職場のパワハラは「同じ職場で働く者に対して、職業上の地位、人間関係等、職場内の優位性を背景に業務の適性な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」としています。

 

パワハラと言うと、暴力や暴言というイメージがありますが、さまざまな類型があります。厚生労働省では、職場のパワハラについて、以下の6類型に分類しています。

1.身体的な攻撃

身体的な攻撃とは、言葉のとおり、殴ったり、蹴ったりという身体的暴力

2.精神的な攻撃

「お前はダメな人間だ」「くそばばあ」「バカ野郎」「何をやらせてもできない」などのひどい暴言や威嚇行為

3.隔離・無視・仲間はずれ

気に入らない部下をいつも仲間外れにしたり、挨拶をしても無視する行為。

4.過大な要求

毎日到底終わらないような量の仕事を命じる行為

5.業務上の合理性がない仕事や、能力より低い仕事をしか与えない行為

6.個の侵害

上司である立場を利用して、交際相手などについてしつこく質問するなど、過度にプライバシーに立ち入る行為

 

難しい資格の取得を迫る行為は、業務上明らかに不要なことや遂行が難しいことを強制する「過大な要求」に当たり、パワハラの一種である可能性が高いといえます。

資格ハラスメントは、勤務時間外も土日も必死に勉強しないと取得できないような難しい資格の取得を強制し、取得できないからといって減給、降格、退職を迫るような行為は、「過大な要求」でありパワハラに当たる可能性があるのです。

それに会社が、その資格の取得を本当に必要だと感じていて、その資格を本当に取らせたいのだとすれば、それは業務命令ですし勤務時間中に勉強時間を取るべきです。

資格を取得するために、休日返上で勉強するよう維持することは労働者の健康を損なわせる危険性があるため、許されないのです。

 

2. 資格ハラスメントへの対処法

資格ハラスメントの問題は、最近注目され始めてきたばかりですし、あからさまに「パワハラ」と思われるような行為ではないことから、労働者の方もパワハラに該当するか判断できないというケースも多くみられます。

 

表向きは業務命令ではなく、「スキルアップを奨励するため」などとしているケースもあります。

 

しかし、資格が取得できないことを理由として降格したり退職を迫るなどするケースも、資格の取得を昇格の条件としているケースも、事実上は資格取得を強制していることになりますので、パワハラに該当する可能性があります。

 

資格ハラスメントは、労働者の自尊心を不当に傷つける許されない行為です。

決して自分を責める必要はありませんし、資格を取得できないからと言って、会社を辞める必要もありません。労働組合や弁護士に相談することで状況が改善されるケースも多々あります。

(1) 労働組合に相談する

もし資格ハラスメントの被害に遭って悩んでいる場合には、労働組合に相談することも検討しましょう。

労働組合では、事実関係を調査したうえで会社と交渉をしてくれることがあります。

労働組合が交渉をしてくれたことで、資格ハラスメントがなくなり、職場環境の改善につながったケースもあります。

(2) 弁護士に相談する

資格ハラスメントの被害に遭っている場合、最もよい相談先は、やはり弁護士といえるでしょう。

弁護士に相談することで、まず「自分がされていることが資格ハラスメントにあたるのか」という点を確認できます。

そして会社との交渉方法や、必要となる証拠についてアドバイスをもらうことができます。

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